2017年11月30日木曜日

農林水産省:2018年度税制改正要望を公表!

 農林水産省は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、2017年度与党税制改正大綱を踏まえ、市町村が主体となって実施する条件不利地域の森林の整備等に必要な財源に充てるため、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設を恒久措置として求めております。

 2017年度与党税制改正大綱において、「市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等について総合的に検討し、2018年度税制改正において結論を得る」とされておりました。

 森林環境税には、地球温暖化対策としての観点があり、我が国の地球温暖化対策に関する総合計画である「地球温暖化対策計画」では、我が国の地球温暖化対策の目標として、2030年度に26.0%減(2013年度比)の水準、2020年度は3.8%減(2005年度比)以上の水準にするとされております。

 森林吸収源については、2030年度に2.0%、2020年度に2.7%以上の確保を目標とするとしております。

 そのため、森林整備等(間伐、主伐後の確実な再造林、木材利用の拡大など)の森林吸収源対策を今後とも着実に推進し、森林吸収量目標を達成するために、森林整備等の森林吸収源対策を着実に実施していく必要がありますが、必要な事業費の全てが確保できておらず、安定的な財源の確保が課題となっており、森林吸収源対策等に関する安定財源確保の新たな仕組みとして、森林環境税(仮称)を創設する理由があるとしております。

 毎日フォーラムでは、「地球温暖化の影響か、豪雨による土砂災害が毎年のように繰り返されている。

 その原因の一つが森林機能の低下という。適切な整備を怠れば、森林は荒れ、山の保水力は失われ、土砂崩れや河川の増水などが起きやすくなるというのだ。

 そこで、今、検討が進むのが森林整備の財源を確保するための『森林環境税』である。年末の税制改正で導入が決まるか注目される」としております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年10月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月29日水曜日

金融庁:2018年度税制改正要望を公表!

 金融庁は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、所得税法上の生命・介護医療・個人年金の各保険料控除の最高限度額を5万円(現行4万円)に、保険料控除の合計適用限度額を15万円(同12万円)に拡充することを要望しております。

 少子高齢化の急速な進展等により、社会保障制度の見直しが進められていくなかで、国民が安心できる生活保障の水準を確保するために、公的保障とともに私的保障の重要性が高まっており、国民の自助努力を税制面から支援・促進する生命保険料控除制度を拡充する必要があるとしております。

 より一層の自助努力が求められている一方で、生命保険の世帯加入率は長期的に低下傾向にあり、1997年の93.0%から2015年は83.1%へと低下し、世帯主が30 歳未満の若年層においては、加入率が同88.6%から66.3%へと急速かつ大幅に低下している模様です。

 また、生命保険については、「遺族保障」として年間約3兆円の死亡保険金が支払われ、公的保障を補完しておりますが、国民が加入している死亡保険金額は、望ましいと考える死亡保険金額に比べておよそ6割程度となっております。

 そのため、金融庁は今後、若年層を中心に国民全体の私的保障の準備不足が懸念されるところ、国民の自助努力を税制面から支援・促進する生命保険料控除制度を拡充していく措置が必要との考えを示しております。

 2015年の生命保険料控除適用者数は、民間給与所得者数4,348万人のうち3,123万人(71.8%)が、制度拡充後は3,290万人(75.7%)に、申告所得者数633万人のうち502万人(79.8%)が、制度拡充後は529万人(83.6%)をそれぞれ見込んでおり、両者を合計しますと、2017年の3,625万人から3,819万人に増えるとみております。

 金融庁では、民間調査会社によるアンケート調査結果も示し、回答者の約7割が、生命保険料控除制度が拡充された場合、生命保険への加入もしくは加入を検討したいと回答し、制度の拡充によって生命保険への加入インセンティブは高まると予想しております。

 また、回答者の約7割が生命保険料控除制度の拡充が自助努力の促進につながると考えており、制度拡充は自助努力の喚起を推し進めるものと期待しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年10月2日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月28日火曜日

移転価格税制は、特殊な世界・秘密情報の宝庫

◆移転価格税制の価格の決め方

 移転価格税制は、資本関係等がある関連者間の取引価格の操作により、特定の関連者の得るべき所得が他国の関連者に移転することを防止するためのものです。

 一般的には、売買価格の操作で、より高い税率国の所得をより低い税率国の関連者に移転させることを防ぐものです。

 価格操作されないように、取引価格は、第三者との間であればこの金額になるであろうという金額の「独立企業間価格」でなければならないとされています。

 この独立企業間価格の捉え方は、各国の税制で規定されます。

 わが国の税法では、①「独立価格比準法」、②「再販売価格基準法」、③「原価基準法」の基本三法と、④取引単位営業利益法、⑤利益分割法の中から最も適切な方法を選定することにより算定するとされています。

◆移転価格専門チームの特殊性

 移転価格の仕事は、相手先国の税制にも精通していなければならないことから、通常、国際会計事務所の独擅場となっています。

 また、移転価格税制を担当する部署のメンバーは、税務の専門家というよりも、むしろ経済の専門家集団(経済学修士も少なくない)であり、高額利用料のデータベースを駆使して、膨大な英語文書を読みこなす能力(=英語を母国語とするメンバーも多い)が求められます。

 そのため、税理士法人でありながら、他の部署とは違った特殊な雰囲気があるといいます。

◆移転価格資料は秘密情報の宝庫

 かつて国際会計事務所に務めていた税理士によると、情報の保秘も半端じゃないそうです。

 業務の進捗管理や請求時間の把握には、会社ごとに顧客コードを設定し、業務ごと(=法人税申告、税務コンサルティングなどの内訳別)に関与したメンバーが業務日報に入力して管理するシステムが通常のやり方です。

 しかしながら、移転価格業務の場合、「プロジェクトイエロー」や「インディゴ」「ターコイズ」などの色の名前でプロジェクト管理し関与者以外はどこの会社のどんな業務が行われているのか社内でもわからないしくみであるようです。

 また、入退室がセキュリティカードで管理されている執務スペースの中でも鍵のかかった保管庫で機密保持を徹底しているとのことです。

 他社には真似のできない飲料の製造方法や薬の製造方法が移転価格算定の重要要素ですので、最上の保秘が求められるということですね。

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2017年11月27日月曜日

健康診断の受診は労働時間か

◆健康診断の種類

 労働安全衛生法(第66条)では使用者は労働者に対し健康診断を実施する事が義務付けられています。

 このうち1年以内ごとに1回実施しなければならないのが定期健康診断(労働安全衛生規則第44条)です。

 定期健康診断と雇い入れ時の健康診断(同第43条)等を合わせて「一般健康診断」と言います。

 またこれとは別に有害物質を取り扱う業務の従事者に対して実施が義務付けられている「特殊健康診断」があります。

◆受診時間と労働時間

 健康診断の受診時間が労働時間に当たっているかどうかは、その労働者がその時間使用者の指揮命令下にあるかどうかが判断碁準となります。

 一般的に特殊健康診断は業務の遂行に基づいて実施されるべきもので所定労働時間内に行われるのが原則とされています。

 一方で一般健康診断は使用者が労働者の一般的な健康の確保を図ることを目的として実施を義務付けたもので業務遂行との関連において行われるものでないと考えられています。

 この事から特殊健康診断の受診時間については業務関連性から見て使用者の指揮命令下におかれた労働時間であり、一般健康診断は必ずしも使用者の指揮命令下にある労働時間であるとは言えない事となります。

 一般健康診断は所定労働時間内に実施すれば賃金を支払うのが通常でしょう。

 業務の都合で所定労働時間外や所定休日に受診した場合、賃金の支払い義務はありませんが考慮は必要でしょう。

◆健康診断の費用負担

 健康診断費用について労働安全衛生法では触れていません。

 通常は健康診断実施義務の課されている事業者が負担するべきであるとされています。

 健診機関に出向く場合は交通費等は健診に要する費用とされると解釈されています。

 しかし使用者が指定した医師や機関でなく労働者自ら選択した他の医師や機関の場合はその受診時間は使用者の指揮命令下にある時間ではないので、使用者はその時間の賃金だけでなく受診費用も当然負担すべきものとはならないでしょう。


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2017年11月26日日曜日

たばこ税増税に向け議論再開

 政府・与党がたばこ税の増税を来年度税制改正に盛り込む予定であることが分かりました。

 消費税の軽減税率の導入により一部品目で見込めない増収分を補てんする狙い。

 ただ、葉タバコ農家やたばこ小売店に多くの支持層がいる自民党議員からの反発は根強く、消費税の軽減税率の導入が決まった2年前もたばこ税の増税論がありましたがこれまで棚上げにされていました。

 日本で販売されているたばこの価格は、国税の「たばこ税」と「たばこ特別税」、地方税の「道府県たばこ税」と「市町村たばこ税」、それに消費税を合わせて計5種類の税金が含まれた額で構成されています。

 実売価格の実に6割以上が税金という、極めて高税率な商品です。

 消費税を除くたばこ関連の税金の税収は国税の2%、地方税の3%を占め、あわせて毎年2兆円を超えます。

 これまでも「困ったときの財源確保策」として狙われ、最近20年間では1998年にたばこ特別税が創設されたほか、2003年、06年、10年にはたばこ本税の税率が引き上げられています。

 10年の増税では1本あたり3.5円引き上げ、旧税率の年から税収が約3500億円増えています。

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2017年11月25日土曜日

社外取締役はROE、社内取締役は自己資本比率

 上場企業で社外取締役の導入が進んでいます。

 社外取締役導入の効果については、色々なことが言われていますが、大きくまとめると以下の二つに集約されるかと思います。

 一つはガバナンス体制の強化です。

 社外取締役は経営トップ(社長等)の暴走に歯止めをかける役割が期待されます。

 トップの暴走に対する歯止めは社外取締役だけではなく、他の一般の取締役にも求められます。

 ただ、従業員出身の生え抜きの社内取締役だと、「おかしい」と思っても、自分を引き上げてくれた上司であるトップに直言しにくく、取締役としての監督機能を十分に果たせないことが危惧されるのです。

 その点、社外取締役は元々外部の人間ですから、トップに意見を言いやすいと考えられます。

 また、トップと社内取締役は長年、同じ会社で同じ目標に向かって働いてきたのですから、価値観も同一になりやすく、一般社会とは異なる会社の常識を共有してしまう危険性があります。

 その点、社外取締役は取締役会に会社とは違う社会の常識を持ち込むことが期待できます。

 社外取締役には上記のような経営ガバナンス体制の強化の効果が期待されますが、ただ社外取締役を導入しさえすれば、それで強化されるというものではありません。

 社外取締役を実質的に選任する経営者が、価値観が同じで自分の言うことに逆らわないようなお友達を選べば、社内取締役とほとんど変わらなくなってしまうからです。

 その意味で、当然のことですが、どのような人を選ぶかが極めて重要になります。

 社外取締役に期待されるもう一つの効果は、カネの使い方を変えることにあります。

 社内取締役と社外取締役で違いが出てくるのは、投資決定後の剰余金の使い方です。

 社外取締役は株主の代表ということをより強く意識しますから、配当や自社株買いなどの株主還元を重視するのに対し、従業員出身の社内取締役は会社の存続を第一に考え、社内留保を優先しがちになります。

 社外取締役が何より重視すべき指標は、株主から預かった財産の効率性を示すROE(自己資本利益率)になります。

 会社で投資に使い切れないカネが残ることは会社の本質に反するのだから、内部留保は株主に還元すべきだと考えます。

 一方、従業員出身の社内取締役は、会社は株主のものであるだけではなく、従業員の生活共同体であるという意識を強く持ちます。

 雇用の流動性の低い日本では、従業員のために会社の存続を第一に考えます。

 そうすると、彼らの重視する指標は会社の安全性指標である自己資本比率になります。

 投資に使い切れないカネを不用意に社外に流出するのではなく、まさかのために内部留保すべきだという意見が強くなるのです。

 社外取締役の導入で剰余金の使い方に関する意見対立は厳しくなることが予想されます。

 それは最終的に株主重視か、従業員重視かの会社観の違いに帰着します。

 どちらがいいかは即断できませんが、グローバル化により日本の会社も否応なく株主重視の経営に向けて動き出しているということなのでしょう。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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2017年11月24日金曜日

証券業界「NISA法の制定で制度恒久化を」

 日本証券業協会、投資信託協会、全国証券取引所協議会の3会が、現状は租税特別措置で規定されているNISAを恒久的な制度にするための「NISA法」を制定するよう、国に要望しました。

 口座の開設・移管の手続き迅速化を図る見直しや、ジュニアNISAを利用する子どもへの贈与の税負担を優遇する改正も要望し、制度の普及・定着を目指します。

 要望書では、NISA以外の資産形成法である企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金は「確定拠出年金法」、住宅財形と年金財形は「勤労者財産形成促進法」といった根拠法があることに言及。

 NISAは租特による規定に留まっている状態を見直し、NISA法を制定することで「国民の安定的な資産形成に資する恒久的な制度にするべき」と訴えました。

 また、手続きの簡素化や迅速化のための見直しも求めています。

 非課税期間終了により特定口座に移管する際に必要な書面を省略することや、開設の際に重複口座の確認に時間が掛かる制度を見直すように要望しています。

 さらに、20歳未満の人の投資益を年間80万円まで非課税にするジュニアNISAの利用促進を図るための見直し要望も盛り込みました。

 現行では子や孫にジュニアNISAのための資金を贈与した際の税優遇は設けられていませんが、贈与税の基礎控除額110万円とは別枠の税優遇措置を設けるべきとしています。

 また、現行では本人が18歳になるまで口座から現金を引き出せないという制限につき、12歳以降は制限を解除するように求めました。


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2017年11月23日木曜日

全国法人会総連合:2018年度税制改正要望を公表!

 全国法人会総連合は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、役員給与の損金算入の拡充や事業承継税制の抜本的な見直しなどを盛り込んでおります。

 現行制度では、役員給与の損金算入の取扱いが限定されており、報酬等の改定には厳しい制約が課せられていると指摘しており、役員給与は、本来、職務執行の対価であり、原則損金算入できるように見直すべきと主張しております。

 また、同族会社における役員の利益連動給与についても、経営者の経営意欲を高め、企業に活力を与える観点から、一定の要件のもと、損金処理を認めるべきと主張しております。

 さらに法人税関係では、2018年3月末までとなっている交際費課税の適用期限を延長すること、無形減価償却資産について電算機のソフトウェアは、現行5年償却のところを、技術革新の加速化を考慮し、期間を3年に短縮することなどを求めております。

 事業承継税制の拡充については、中小企業が相続税の負担等により事業が継承できなくなれば、わが国経済社会の根幹が揺らぐことになると指摘しております。

 これまで納税猶予制度の改正で要件緩和や手続きの簡素化などされましたが、さらに下記の抜本的な見直しを求めております。

①事業用資産を一般資産と切り離した本格的な事業承継税制の創設
②相続税、贈与税の納税猶予制度について要件緩和と充実
を掲げております。

 上記①では、わが国の納税猶予制度は、欧州主要国と比較すると限定的な措置にとどまっており、欧州並みの本格的な事業承継税制が必要とし、事業に資する相続については、事業従事を条件に他の一般財産と切り離し、非上場株式を含めて事業用資産への課税を軽減あるいは免除する制度の創設を要望しております。

 上記②では、本格的な事業承継税制が創設されるまでの間は、相続税、贈与税の納税猶予制度について要件緩和と充実を図ることを要望しております。

 相続税、贈与税の納税猶予制度については、株式総数上限(3分の2)の撤廃と相続税の納税猶予割合80%を100%に引き上げること、死亡時まで株式を所有しないと猶予税額が免除されない制度を5年経過時点で免除する制度に改めること、対象会社規模を拡大することなどを要望しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年10月9日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月22日水曜日

加熱式たばこに増税論

 普及が進む「加熱式たばこ」の増税論が話題を呼びそうです。

 加熱式たばこは一般的な紙巻きたばこと税額算出方法が異なって税額が低くなるほか、税負担もバラバラな傾向があります。

 加熱式人気の高まりは減収につながる可能性も高く、先に手を打ちたい税当局の狙いも伺えます。

 発端は自民党の宮沢洋一税制調査会長へのインタビュー報道でした。

 宮沢氏は加熱式への切り替えが増えている認識を示した上で、「紙巻きより加熱式は税率が低い。(商品を出している)3社で実効税率が違っている問題があり、それなりの答えを年末までに出していかなければならないだろう」と述べました。

 加熱式は、カプセルなどの中で葉たばこを加熱し、発生する蒸気やたばこ本来の味や香りを楽しむもの。

 煙も臭いも少ないとして近年、利用者が急増しています。

 税制面では、通常の紙巻きは1箱440円(20本入り、税込み)の場合、たばこ税(244.88円)と消費税(32.59円)合わせて277.47円(負担率63.1%)ですが、加熱式は現行では「パイプたばこ」に該当するため、紙巻き1本のたばこ税率(12.244円)をそのまま課税せず、葉たばこが詰められたスティックなども含めた重量1グラムを紙巻き1本と換算しています。

 ただ、各社とも製品形状や課税重量が異なり、値段はほぼ同じでも、税負担は49.2%~14.9%(製品の種類で異なる)と大幅に異なっています。

 日本の紙巻き販売数量は1680億本と20年前から半減していますが、たばこ増税もあって税収は2兆円超で推移し続けています。

 税当局には、現行の税制のまま紙巻きよりも税率が低い加熱式への切り替えが進行することによる税収減の懸念もありそうです。

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2017年11月21日火曜日

印西市が固定資産税を過徴収

 千葉県印西市が、市内の会社が所有する事務所の固定資産税を21年にわたり約2億3千万円も過徴収していたことが分かりました。

 固定資産税の算定ミスは宮城県南三陸町でも同時期に発覚するなど全国各地で相次いでいます。

 印西市の過徴収は職員の確認ミスが原因で、本来「鉄骨造」とすべき建物であるにもかかわらず、課税額が高くなる「鉄骨鉄筋コンクリート造」で計算していたそうです。

 新築の際に竣工図の確認を怠ったとのこと。

 過大な固定資産税の納税を強いられていた会社には、過払い分と利子相当分の合計3億1千万円が還付されます。

 固定資産税は法人税や所得税などの国税と異なり、自治体が税額を決めて納税者に一方的に通知する「賦課課税制度」を採用しています。

 本来であれば自治体が間違いなく計算して課税しなければなりませんが、現状はミスが多く、総務省は全国の自治体に注意と再確認を呼び掛ける通知を出すに至っています。

 同省は通知ともにまとめた文書のなかで、典型的なミスとして「鉄骨造」とすべき建物の構造管理のコードを「鉄筋コンクリート造」とする事例を挙げていましたが、印西市のミスはこれと同じものでした。

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2017年11月20日月曜日

文部科学省:2018年度税制改正要望を公表!

 文部科学省は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、美術館等(博物館法に基づく「登録博物館」又は「博物館相当施設」のうち、美術品の公開及び保管を行うもの)が各館の収蔵品収集方針に照らし、活用が妥当と判断する美術品について、その対象美術品の所有者が安定的な寄託を約し、また、その状態を維持する以下の場合に、相続人の相続税・贈与税の納税猶予を要望しております。

 その状態を維持する場合とは、美術品の所有者である個人が、寄託期間中は解約の申し入れができない旨の定めがあることを受け入れた上で寄託を約し、当該美術品を相続(遺贈を含む)・贈与により取得した者もその状態を維持する場合や、相続・贈与により美術品を取得した個人が寄託期間中は解約の申し入れができない旨の定めがあることを受け入れた上で寄託を約し、かつ、その状態を維持する場合をいいます。

 また、保存活用計画が策定された文化財について相続税・贈与税の納税猶予や、文化財保護法の改正により、保存活用計画の法律上の位置づけなど、新たな仕組みの構築の検討も要望しております。

 文部科学省は、「高齢化社会が進行するなか、相続を機に美術品等の適切な保存と公開活用が途絶え、次世代へ確実に継承されないことが懸念されている。また、新たな有望成長市場の創出・拡大のためには、我が国で所有されている美術品等の良質な文化ストックを戦略的に活用し、美術館等での公開を促進することを通じて、文化と観光、産業とが一体となった新たな市場創出や地域経済活性化等を図っていくことが極めて効果的」としております。

 さらに、「美術館等に寄託された美術品等に対する相続税・贈与税の納税猶予の特例創設により、美術品等の美術館等への寄託の促進による次世代への確実な継承と美術品等の海外流出や散逸を防ぎ、美術品等の計画的・一体的な公開活用を促進するとともに、美術館等のコンテンツの充実と国民の文化アクセスの拡大、訪日外国人の増加に資する観光拠点化を推進し、地方創生の実現にも貢献する」と創設の理由を示しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)

 上記の記載内容は、平成29年9月19日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月19日日曜日

「骨太の方針2017」に盛り込まれた税制関連項目!

 すでに政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(いわゆる「骨太の方針2017」)を閣議決定しております。

 骨太の方針とは、政策の優先度を明確にするもので、記載された項目はその後の予算編成や税制改正に反映されます。

 税制関連項目も取り上げられており、年末に公表予定の2018年度与党税制改正大綱において、具体策が示される予定です。

 「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」に盛り込まれた「空き店舗に対する固定資産税の住宅用地特例の解除措置等に関する仕組みを検討し、年内に結論を得る」との文言を、骨太の方針でもそのまま明記しました。

 地域の遊休資産の有効活用を図る一環として、空き店舗となる店舗併用住宅にこの特例を認めないとする仕組みをいかに構築するのかが注目されております。

 一方、2017年度与党税制改正大綱では、市街化区域外の農地で認められている相続税納税猶予制度適用農地の貸借が、市街化区域内農地では認められていないことから、生産緑地が貸借された場合の相続税の納税猶予制度の適用の検討をし、早期に結論を得ることが検討事項として明記されていました。

 骨太の方針でも、「生産緑地の貸借に係る制度を創設し、相続税の納税猶予制度の適用について検討する」とされ、2017年度与党税制改正大綱での検討事項も明記しております。

 また、同大綱の基本的考え方では、地球温暖化対策として市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求める森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等を総合的に検討し、2019年度税制改正で結論を得るとしておりました。

 その他、歳入増加に向けた取組みとして、課税等インフラの整備を促進するため、マイナンバー制度を活用し、金融及び固定資産情報(登記及び税情報を含む)と所得情報をマッチングするなど、マイナンバーをキーとした仕組みを早急に整備することも盛り込まれ、今後のマイナンバー制度のさらなる活用が注目されております。

 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月8日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年11月18日土曜日

会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策

◆会社分割を利用して貸付金の整理

 平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。

 その内容はこうです。

 単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む)が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関係の継続が不要とされました。

 そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を試みてみます。

◆同族会社と同一の者

 この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者による完全支配関係が成立します。

 適格要件は満たします。

 例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されていたとします。

 この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にあります。

◆創業者の貸付金の整理

 具体的な手続きはここからです。

 甲社は、創業者からの借入金6千万円があり、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも継続して営んでいます。

 ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適格要件は満たしており、それは可能と考えます。

 甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じません。

 結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。

 但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が生ずる余地はあるかもしれません。

 なお、この改正は、平成29年10月1日以後に行われる分割から適用されます。


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2017年11月17日金曜日

東京商工会議所:2018年度税制改正に関する意見を公表!

 東京商工会議所は、2018年度税制改正に関する意見を公表しました。

 それによりますと、中小企業の活力を最大限に引き出す税制の整備が必要とし、中小企業の価値ある事業を次世代に承継し、新たな挑戦を促す税制を実現するため、

①諸外国並みの事業承継税制の確立
②事業承継のために後継者へ自社株を生前贈与した場合は、大幅な評価減・軽減税率を適用
③M&Aを後押しするインセンティブ税制の創設
④所得拡大促進税制の複雑な適用要件の緩和・拡充
⑤中小企業の生産性向上に資する少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の拡充・本則化など

を掲げております。

 上記①では、先代経営者及び後継者における代表者要件・筆頭株主要件を撤廃し、経営に関与する取締役等が事業承継税制の適用対象になることの検討や、諸外国の事業承継税制を参考に承継(納税猶予開始)後5年経過時点で納税を免除、納税猶予の対象となる発行済議決権株式総数に係る上限(現行2/3)の撤廃、深刻な人手不足を踏まえた雇用要件のあり方の見直しなどを求めております。

 上記②では、早期に後継者を育成し、計画的に経営資源を承継している企業では、円滑に事業承継が実現しているケースが多くみられるとした上で、団塊世代経営者の大量引退による「大事業承継時代」を乗り切るため、生前贈与に対するインセンティブの抜本的強化を図り、早期かつ計画的な事業承継を強力に促すことが重要との観点から、後継者に自社株を生前贈与する際、思い切った贈与税率の軽減又は株式評価減を講じるべきと主張しております。

 上記③では、近年、中小企業のM&Aが活発化しておりますが、依然として、M&Aは、経営者において、会社の売却という手段自体が初めから選択肢にない場合が多い一方、買い手側にとっても、買収に伴うリスクの見極めが難しく、M&Aに踏み切れないことも少なくないと指摘しております。

 このため、売り手、買い手双方にM&Aのインセンティブとして、株式譲渡益に係る特別控除の特例の創設等、中小企業の価値ある事業の継続を後押しすべきと主張しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)

 上記の記載内容は、平成29年9月19日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月16日木曜日

育児・介護休業法と給付金の改正

◆平成29年10月 育児・介護休業法改正

 今年の1月に育児・介護休業法が改正されたのに引き続きこの10月からも見直しがあり、保育園に入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐため改正が行われました。

 改正内容は次の3点です。

①最長2歳まで育児休業の再取得が可能に

 今まで保育園に入れない等の場合、最長1年6ヶ月は育児休業を申し出る事が出来ましたが、子が1歳6カ月以後もまだ保育園に入れない場合、さらに2歳まで再延長できるようになりました。

 1歳6カ月以後も入所がかなわない場合もある事から最大2歳まで、比較的入所しやすい4月まで育休を取得できるケースを増やしたと言う事になります。

②子が生まれる予定の方等に育児休業の制度をお知らせする努力義務

 事業主は従業員やその配偶者が妊娠、出産した事を知った場合はその方に育児休業
に関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件等)を知らせることが努力義務とされました。

③育児目的休暇の導入を促進

 未就学児を育てながら働く方が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用出来る休暇制度(例・配偶者出産休暇、ファミリーフレンドリー休暇、子の行事参加休暇等)を設ける事が努力義務とされました。

◆雇用保険育児休業給付金の支給延長

 育児休業給付金は原則1歳に達する日前までの子を養育する為の育児休業を取得した場合に支給されます。

 子が1歳に達する日後の期間に保育所の入所ができない等の理由により育児休業を取得する場合は1歳6カ月に達する日前まで、延長支給されました。

 今回の改正で1歳6カ月に達する日後も同様の理由で育児休業を取得する場合、子が2歳に達する日前まで育児休業給付金の支給対象期間が延長となります。

 育児休業給付金の2歳に達する日前までの延長の対象者は、子が1歳6カ月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降の方となります。

 また、あらかじめ、1歳6カ月に達する日の翌日についての延長の申し込みをした方が該当者で、再延長の申し込みをする際は保育の申し込みをしたが保育が行われない等、市区町村の発行した入所の保留通知書等の証明書等が必要です。


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2017年11月15日水曜日

ふるさと納税 中間仮計算のススメ

◆過熱するふるさと納税-規制もあれば抜け道も!?

 2017年4月1日付で総務省は各自治体に対し、「ふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までに抑えるよう要請」し、「商品券や家電製品といった返礼品は換金しやすさや地元産かどうかを問わず、全面的に控えるよう求め」ました。

 これで一部自治体の目玉だった商品券や各種ポイントも返礼品から消えることとなりました。

 「税法の縛りがあるところに合法的な節税の抜け道あり」ではありませんが、頭を使って考える人はいるものです。

 自社が提供するふるさと納税の申込サイトから寄附すれば、自社のポイントを付与し、他の申込サイトよりもポイント分得するという売りを打ち出したところが出てきました。

 ポイントは、自治体から納税者に付与されるのではなく、ふるさと納税の申込サイトを運営する会社から付与されるので、総務省要請も対象外ということなのでしょう。

◆ふるさと納税限度額の計算

 持ち出し(=寄附金が控除限度額を超えてしまうこと)なくふるさと納税をするためには、控除限度額の把握が必要です。

 ふるさと納税導入当初は、総務省や千葉県などのウェブサイトで提供されていた表形式のものしか限度額を予測するものはありませんでした。

 しかしながら、いまは各種ふるさと納税の申込サイトでシミュレーションコーナーが設置され、より精度が高く計算できるようになってきています。

◆ふるさと納税中間仮計算のススメ

 限度額ギリギリまで得するよう12月の年末調整後に駆け込み的なふるさと納税を推奨する話も聞きますが、今回は、いまの時期に、中間仮決算的準備をお勧めします。

 行うべきことは、医療費の領収書の金額集計です。

 扶養家族や住宅ローン控除などはほぼ例年通りのことが多く12月末時点の予測は簡単です。

 一方、医療費控除は集計してみるまで金額がわかりません。

 ある税理士は毎年12月にその年の納税限度額を計算し、限度額目一杯使い切ることを年中行事としていました。

 しかしながら、12月に突発的な仕事で、医療費控除の予測ができぬまま医療費控除を最大限の200万円としたうえでふるさと納税限度額としました。

 そして、翌年2月に自身の個人所得税の確定申告をしてみて数万円分のふるさと納税限度額を逃してしまったことに気づいたそうです。

 その反省から「今年は中間仮計算をする」と宣言していました。


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2017年11月14日火曜日

法定相続情報証明制度の創設

 平成29年5月29日から全国の登記所(法務局)において、法定相続情報証明制度(以下単に「本制度」といいます。)がスタートしました。

 本制度を活用することによって、被相続人名義の預貯金・有価証券の名義書換え及び不動産の相続登記等の際、除籍・戸籍謄本等の相続関係書類一式を金融機関、証券会社及び登記所等に何度も提出する必要がなくなり、各種相続手続きの円滑化が図られます。

Ⅰ 制度の概要
1 申出
 被相続人の法定相続人又は代理人は、①必要書類の収集、②法定相続情報一覧図の作成、③法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の記載を行い、これらの必要書類を登記所に申出します。

 また、上記②及び③の記入様式は法務局ホームページに掲載されています。

 なお、申出は、郵送(返信用封筒及び郵便切手を同封)によることも可能とされます。

2 確認及び交付
 登記所における登記官は、上記1①から③の必要書類等を確認し、②法定相続情報一覧図を保管(5年間)します。

 そして、申出をした相続人又は代理人に対して認証文付きの法定相続情報一覧図の写し(以下単に「一覧図の写し」といいます。)が無料で交付(相続手続に必要な範囲で複数通発行可)されます。

 また、同時に上記1①の必要書類が返却されます。

3 利用
 交付された一覧図の写しを利用することにより、相続人及び手続の担当部署双方の各種相続手続きの負担が軽減されることとなります。

 なお、本制度の導入後であっても、除籍・戸籍謄本等の相続関係書類一式をそれぞれの手続の担当部署に提出する従来の方法での相続手続も行うことができます。

Ⅱ 代理人
 上記Ⅰ1の代理人となることができるのは、法定代理人のほか、①民法上の親族、②資格者代理人(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士に限ります。)とされます。

Ⅲ 必要書類
 上記Ⅰ1①の必要書類は、次のとおりとされます。

 ① 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
 ② 被相続人の住民票の除票又は被相続人の戸籍の附票
 ③ 相続人全員の戸籍謄本又は抄本
 ④ 申出人(相続人代表)の氏名・住所を確認することができる公的書類(例:運転免許証のコピー、マイナンバーカードの表面のコピー等)
 ⑤ 相続人全員の住民票記載事項証明書(住民票の写し)
 ⑥ 代理人が申出をする場合
  (イ)委任状
  (ロ)民法上の親族が代理をする場合には、申出人と代理人が親族関係であることが分かる戸籍謄本
  (ハ)資格者代理人が代理をする場合には、資格者代理人団体の身分証明書の写し等

Ⅳ 申出可能な登記所
 上記Ⅰ1の申出をすることができる登記所は、①被相続人の本籍地、②被相続人の最後の住所地、③申出人の住所地、④被相続人の名義の不動産の所在地を管轄するいずれかの登記所とされます。

 「法定相続情報一覧図」は、登記所において5年間保管されています。

 また、各種相続手続きにおいて、「一覧図の写し」が追加で必要となった場合には、5年間であればいつでも無料で再交付を受けることが可能とされています。

 ただし、再交付の申出をすることができるのは、上記Ⅰ1③の「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」を記載し、登記所に申出をした当初の申出人に限られますので、他の相続人等が再交付を希望する時には、当初の申出人の委任状が必要になりますので留意して下さい。


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2017年11月13日月曜日

宗教法人の固定資産税を47年徴収漏れ

 九州のある市が市内の神社の有料駐車場への固定資産税を47年も課税していなかったことが明らかになりました。

 神社などの宗教法人が所有する土地の固定資産税は本来の宗教活動のために使うものでなければ課税対象ですが、市の職員が法解釈を誤り非課税としたまま放置されていたそうです。

 課税漏れがあった土地は宗教法人が所有する駐車場。

 参拝客への無償貸し出しなど宗教活動の一環として使っていれば固定資産税は免除されますが、その駐車場は利用者を参拝客に限定せず一般に有料で貸し出していたことから、本来は課税対象でした。

 市の職員は課税漏れに気付かなかったものの、昨年就任した宮司が財務書類を確認したことによってミスが発覚したとのことです。

 固定資産税と同じく法人税についても、宗教法人への課税は「宗教活動に伴うものか否か」が線引きになります。

 宗教活動で得た所得には基本的に法人税が課税されず、一方で法人税法施行令が定める不動産貸付業や旅館業などの「収益事業」で得た利益には課税されます。

 収益事業である物品販売業でみてみると、一般の業者も販売するような、絵はがき、写真帳、暦、メダル、ペナント、キーホルダーなどの物品を通常の価格で販売したときの収益には法人税が課税されます。

 一方で、お守りやおみくじの販売益は宗教活動で受け取る「喜捨金」の一環とみなされ、課税対象になりません。


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2017年11月12日日曜日

イクメン育児休業・同給付金(男性版マタニティーリーブ関係)

◆パタニティーリーブ(男性版育児休業)取得

 制度(育児休業法・育児休業給付制度)や言葉(イクメン)があっても、なかなかそれを活用できない雰囲気にあるのが、日本の民間企業であり、そこに働く人たちです。

 一方、同じ日本にありながら、外資系企業では、企業側もそこで働く人も、日本の民間企業とは考えが違います。

 日本人男性従業員は、奥さんの出産を機に、パタニティーリーブ(男性版マタニティーリーブ)を取得することになりました。

◆男性版:育児休業制度と育児休業給付金

(1)どれくらい休めるのか?
 子の出生日から1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者申出の期間です。

(2)その間の給料は?
 育児休暇中の給料は、就業規則によりますが、定めがなければ、無給で構いません。

(3)何か給付金はもらえる?
 出産日以後に無給の場合、育児休業給付の申請により、雇用保険から、給料の育休開始から180日目までは「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(181日目以降は同50%)、育児休業給付金が支給されます。
 ただし、給付には上限があります。
 また、育児休業給付金は、課税の対象となりません。

(4)無給中も負担しなければならないもの
 毎月給与から天引きされている住民税の特別徴収額は引き続き負担しなければなりません。
 別途会社にその都度振り込むか、前もって天引きしてもらうかになります。

(5)無給期間中の社会保険
 「育児休業申出書」を提出することにより、育児休業を開始した月から、終了した日の翌日の属する月の前月まで社会保険料負担が、本人・会社ともになくなります。

(6)給付金申請の方法
 原則は、事業主が「育児休業給付金支給申請書」を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所に提出します。
 その際、賃金台帳や出勤簿など、支給申請書の記載内容を確認できる書類の提出も求められます。

(注)その他詳しいことは、
・厚生労働省サイト「Q&A~育児休業給付~」
・ハローワークのサイト「ハローワークインターネットサービス 育児休業給付金」などをご参照ください。
・もしくは、お近くのハローワークか、会社顧問の社会保険労務士さんにご相談ください。


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2017年11月11日土曜日

経営力向上計画の申請が急務

 新たに取得した設備の固定資産税が3年間半額になる特例を適用するためには「経営力向上計画」の認定を年末までに受ける必要があるとして、中小企業庁が注意喚起をしています。

 経営力向上計画は、設備投資や人材育成などを盛り込んだ経営計画で、作成して国の認定を受けると、固定資産税の特例のほか、法人税の減税措置や低利融資などの優遇が受けられます。

 固定資産税の減税措置を3年間受けるためには、年内に計画の認定を受けなくてはなりません。

 申請から認定までには通常1カ月程度かかりますが、12月は認定に時間がかかることも予想され、中企庁は「12月に入ってからの申請は、年内に認定を得られない可能性がある」として、早い時期での申請を呼び掛けています。

 保険の活用や法人税の減税特例など、企業が行う節税手法は自社の決算月までに行うものが多くあります。

 しかし、なかには決算月には関係なく、12月末までに準備を済ませておかないと減税効果をフルに発揮できないものもあります。

 固定資産税の減税特例がそれにあたり、同税の賦課期日が毎年1月1日であるため、決算月にかかわらず年内に申請受理までを済ませておかなければ来年からの適用に間に合いません。

 今年に設備投資を行ったり年内にする予定があったりするなら、必ず内容を確認しておきたいところです。


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2017年11月10日金曜日

京都市の宿泊税、国内最高の1千円

 京都市が来年秋の導入を目指す「宿泊税」について、最大で1泊1千円とする方針であることが分かりました。

 すでに国内で宿泊税を導入している東京都や大阪府に比べて3~5倍の税額で、「世界一の観光都市」(2014~15)ならではの強気の方針となりました。

 京都市が打ち出した宿泊税の内容は、市内に宿泊する人に対して、1人1泊の料金が2万円以下なら200円、2万円以上5万円未満なら500円、5万円以上の高級宿なら1千円の3段階で課税するというもの。

 ホテルや旅館に加えて民泊も課税対象とする一方で、学生の修学旅行については生徒だけでなく引率の教師などについても非課税とするそうです。

 市は宿泊税の導入で、年間5億6千万円程度の税収を見込んでいるといい、観光面などでのサービス向上に充てる方針です。

 宿泊税は、東京都が2002年に初めて導入し、当初はホテル業界などから「客離れにつながる」と反発する声が挙がりましたが、訪日観光客の増加とともに税収も伸び、今では年間約20億円まで伸びています。


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2017年11月9日木曜日

厚生労働省:2018年度税制改正要望を公表!

 厚生労働省は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置や、子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設などを盛り込んでおります。

 2017年6月に公表された「子育て安心プラン」に基づいて、事業所内保育施設の整備等を通じた保育の受け皿の拡大及び保育と連携した「働き方改革」を進める必要があり、これに伴い、税制上の所要の措置を講ずる必要があるとしております。

 具体的には、中小企業等も含む企業の事業所内保育施設の整備等を通じた保育の受け皿の拡大や仕事と育児の両立支援が促進されるよう、事業所内保育施設を設置する企業に対して、事業所内保育施設とこれと同時に取得した遊戯具、家具、防犯設備の割増償却措置を講ずることや、くるみん認定・プラチナくるみん認定を取得して仕事と育児の両立支援により積極的に取り組んでいる企業については、上記措置を拡充することを要望しております。

 また、公的サービス以外の認可外保育施設・ベビーシッターを利用する子育て家庭が存在しますが、認可外保育施設などを利用した際の費用については、子育て家庭が就労するには必要な経費と指摘しており、仕事と家庭の両立支援のため、やむを得ず認可外保育施設などを利用する場合に要する費用の一部を税額控除の対象とする税制措置の創設を要望しております。

 その他、医療に係る消費税等の税制のあり方について、消費税率が10%に引き上げられるまでに、抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、税制上の措置について、医療保険制度における手当のあり方の検討などとあわせて、医療関係者、保険者等の意見、とくに高額な設備投資等による仕入消費税額の負担が大きいとの指摘なども踏まえ、総合的に検討し、結論を得るよう要望しております。

 さらには、受動喫煙防止対策として、飲食店等における喫煙専用室の早期設置を促すことで、望まない受動喫煙防止のため、喫煙専用室を設置した場合の税制上の優遇措置も要望しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)

 上記の記載内容は、平成29年9月12日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月8日水曜日

金融庁:2018年度税制改正要望を公表!

金融庁は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、主な要望項目として、NISA(一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISA)の利便性向上のため、NISAの口座開設申込時に、即日で買付けを可能とすることや、NISAの非課税期間終了時に、とくに意思表示をしない限り特定口座に移管されるものとすること、成人年齢引下げに伴う対応や、現行、時限措置であるNISAについて、恒久措置とすることなどが盛り込まれております。

 現在、一般NISAは着実に普及しておりますが、一方では、口座開設後に一度も取引を行っていない口座が相当数にのぼるなど、NISAの稼動率の向上が課題となっております。

 NISAの口座開設申込時における即日買付けは、NISAの稼働率が向上しない理由の一つとして、現在、投資家がNISA口座の開設を申し込んでも、二重口座でないことの確認が必要なために、買付が可能となるまで2週間程度の時間がかかってしまい、その間に買付け意欲が薄れてしまうことを防ぐ狙いがある模様です。

 また、NISAの非課税期間終了時における対応では、現行、保有から5年が経ち、非課税期間が終了した後には、投資家がとくに意思表示をしない限り、自分で確定申告する必要がある「一般口座」へ移管されてしまい、大変手間を要してしまいます。

 そこで、金融機関が「年間取引報告書」を作成して、源泉徴収を行う(あえて源泉徴収とせず、顧客自身が確定申告することを選択することも可能)「特定口座」に移管することを原則とするよう、NISAの利便性向上を要望しております。

 さらに、NISAの利便性向上の観点からは、特定口座についても見直しを要望しております。

 役員報酬として支給される一定期間譲渡ができない株式(いわゆる「リストリクテッドストック」)については、一般的には3~5年後、譲渡が可能となった際には、現行では一般口座で保有することしかできないため、特定口座でも保有できるようにすることも要望しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月12日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年11月7日火曜日

就活生の入社理由

◆求人倍率は人手不足を反映

 厚生労働省の発表では今春4月の有効求人倍率は1.48倍でありバブル期のピークだった1990年7月の1.46倍を上回ったとされています。

 有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人当たり何件の求人があるかを示します。

 1974年2月の1.53倍以来の43年ぶりの高水準と言う事です。

 そしてこれは7月現在でも1.52倍と5ヵ月連続で高水準が続いています。

 企業の求人は増加する半面、求職者数は減少しており企業の「人手不足」がますます増加していると言う事です。

 このような状況でも良い人材を確保する為に企業はどのような事に取り組むのがよいでしょうか。

◆就活生が見ているもの

 東京商工会議所の「中堅・中小企業の新入社員意識調査」によると「入社した会社を選んだ理由」との問いには「仕事の内容が面白そう」(44.2%)、「職場の雰囲気が良かった」(39.3%)、「自分の能力、個性が活かせる」(37.0%)が上位となっています。

 注目したいのは4割近くが「職場の雰囲気が良かった」を理由に入社している事です。

 仕事の内容は容易に変えられませんが職場の雰囲気を明るく働きやすいものに変える事は可能かもしれません。

 公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」の「新入社員の調査結果でも「パワハラが無い事を就職先の条件」とする傾向がみられると言います。

◆就活生と接する社員の対応が大事

 このように職場の雰囲気が人材確保に重要であり、就活生に対する企業側のアプローチを見直してみる事が良いでしょう。

 社員の対応(面接者、他の社員、受付等)の対応や内部の雰囲気が好感の持てるものは何かを検討してみるのも良いでしょう。

 実際、先の商工会議所の調査では29.6%が「採用担当者や社員に好感が持てた」事を入社の理由に挙げています。

 就活生に限りませんが、中途採用に応募してくる方に対してもにこやかで親切な対応をすることが大事でしょう。


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2017年11月6日月曜日

H30年1月1日以後の手続き 保険契約者の名義変更と課税関係

 現行法では、生命保険契約の契約者の名義を変更しただけでは、新たに契約者になった者に対する贈与の課税はありません。

 具体的には、「甲」契約者でかつ保険料負担者、「乙」被保険者、「丙」保険金受取人の場合で、その後、甲から丙に契約者の名義を変更し、丙が保険料を負担することになったとしても、名義変更時までに、甲が負担していた保険料相当額については、丙への贈与にはならないということです。

◆名義変更後の課税の取扱いと問題点

 上記例において、①丙への名義変更後、甲死亡前に保険の満期を迎えると、当該満期保険金は丙が受け取ります。

 この場合の丙の課税は、丙自身が負担した保険料相当額に対応する保険金部分は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして贈与税の課税を受けます。

 また、②名義変更後、甲の死亡前に被保険者乙が死亡すると、当該死亡保険金は丙が受取ります。

 この場合の丙の課税は、死亡保険金の内、丙が負担した保険料相当額に対応する保険金は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして、贈与税の課税を受けます。

 なお、③名義変更(甲から丙)が甲の死亡によってなされた場合には、丙は生命保険契約に関する権利を相続等により取得したことになり、甲の本来の相続財産として相続税の課税対象になります。

 以上が保険契約の名義変更に関する課税の取扱いです。

 しかし、実際の申告では、名義変更に関する資料が十分に整備されていないこともあってか、受取保険金のすべてが一時所得として申告されていた等、法が予定していた申告が行われていない事例が散見されたようです。

◆平成30年1月1日以後の取扱い

 現行法では、保険会社から税務署に提出される情報(支払調書)には、名義変更に関する情報、元の契約者の払込保険料に関する情報はありません。

 そこで、平成27年度の税制改正で平成30年1月1日以後、保険金等の支払があった場合、または契約者が死亡し名義変更があった場合には、保険会社は上記情報を税務署に提出することを義務付けられました。

 今一度、保険関係の書類を確認し、今後の対応を考えてはどうかと思います。

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2017年11月2日木曜日

格差拡大に向かう財務諸表

 近年、格差拡大論が盛んです。

 これは個人間の格差拡大の話ですが、ここでは少し見方を変えて、財務諸表の格差拡大について考えてみましょう。

 ここで言いたいことは、「財務諸表が格差拡大を促している」ということではなく、「財務諸表は格差拡大を先鋭的に表示するように変わってきている」ということです。

 資産価額とは何なのでしょう。

 そんなことは自明のことだといわれるかもしれません。

 一般の消費者の感覚からすれば、資産価額とは売買する価格、つまり、その資産を実際購入した価格か売ることができる価格です。

 企業会計でも以前はこれで十分でした。

 この考え方によれば、資産価額は資産を所有する企業の外で決められるものであり、企業自体でどうこうすることのできないものでした。

 しかし、近年の考え方は違います。

 資産価額は所有する企業の収益力により変わるとする会計基準が多くなってきています。

 たとえば、減損会計では、固定資産の価額には将来その資産が生む収益力が反映されると考えます。

 収益力が落ちれば、固定資産価額を落とすのが減損会計です。

 こうなると、資産の評価は客観的なものさしでは測れません。

 まったく同じアパートを所有していたとしても、所有者の賃借人を集める能力に応じて資産の評価額は変わってきます。

 これは何もアパートに限るものではなく、工場でも店舗でも同様です。

 また、税効果会計でも、収益力の高い会社ほど、繰延税金資産という資産を計上できる可能性が高まります。

 新しい会計概念では損益計算書の収益力は単に損益計算書にとどまらず、貸借対照表をも動かします。

 本業の収益力が高ければ、税効果会計で繰延税金資産という資産を計上し、資産総額を増大させることができます。

 一方、収益力が低ければ、繰延税金資産を計上できませんし、場合によっては既に積んだ繰延税金資産を取り崩すこともあります。

 また、減損会計では既存の固定資産まで減額しなければならなくなります。

 こうした資産の計上や取崩しは貸借対照表の価額を変動させるだけではありません。

 複式簿記ですから資産の反対勘定として、損益計算書の損益を再び揺り動かします。

 つまり、元々の収益力の高い会社は貸借対照表の資産をより厚くし、それが損益計算書の最終利益を更に高めます。

 逆に収益力のない会社は貸借対照表の資産を減額しながら、損益計算書の損益を一層悪化させます。

 近年の会計基準は、従来の会計基準ではオブラートに包んでいた、強いものの本当の強靭さと弱いものの真の脆弱さを白日のもとにさらします。

 その意味では弱者に冷たい制度です。

 日本人のメンタリティーからすれば、旧来の会計基準の方が性に合っているような気がしますが、グローバル化に従う限りこれは不可避な流れです。

 会計制度も世の中の風潮と同様に格差を一層助長する方向に向かっているといえます。

 収益力を持つ会社は益々強く、収益力を持たない会社は益々弱くなります。

 今の会計制度の下で重要なのは収益力です。収益はすべてを癒します。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


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2017年11月1日水曜日

国土交通省:2018年度税制改正要望を公表!

 国土交通省は、2018年度税制改正要望を公表しました。

 それによりますと、次世代の観光立国実現のための財源の検討を盛り込んでおり、検討対象として「出国税」を掲げております。

 未来投資戦略2017において、財源の検討にあたっては、「他の観光先進国の取組みも参考にしつつ、観光立国の受益者の負担による方法により、観光施策に充てる財源を確保することを目指す」としておりました。

 施策の背景には、「明日の日本を支える観光ビジョン」での目標値の達成があり、訪日外国人旅行者数を2016年の2,404万人から2020年には4,000万人、2030年には6,000万人を目指すとしております。

 さらに、諸外国では出入国、航空旅行の際に外国人旅行者や出発・出国旅客から租税・手数料を徴収している例があるとして、オーストラリア、韓国、アメリカの取組み例をあげております。

 オーストラリアでは、航空・船舶による出国旅客に対して60豪ドル(5,100円ほど)の出国旅客税を課税しております。

 また、韓国では出国納付金として、航空・船舶による出国旅客に対して航空利用、船舶利用の区分により徴収し、航空利用の場合1万ウォン(1,000円ほど)を徴収しております。

 アメリカではビザ免除国からの渡航者に対し、電子渡航認証制度に基づく申請手数料として14ドル(1,540円ほど)の申請料を徴収しております。

 その他、外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充が盛り込まれ、免税販売の下限金額の判定に際し、「一般物品」と「消耗品」の合算が認められることで、外国人旅行者の利便性が向上し、地方も含めた免税店数の更なる増加と外国人旅行消費のより一層の活性化を図るとしております。

 現行の外国人旅行者向け消費税免税制度は、免税販売のためには、「一般消費」と「消耗品」それぞれ下限額の要件(5,000円以上)を満たす必要がありますが、外国人旅行者から商品購入時の「一般消費」と「消耗品」の判別が難しいなどの声もあり、免税対象要件について、「一般物品」についても特殊包装を行うなどを条件に、「一般消費」と「消耗品」の合算を認めるよう要望しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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