2017年1月30日月曜日

日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類

はじめに

 平成28年1月1日以後に支払うべき給与等及び公的年金等から、非居住者である親族(以下「国外居住親族」といいます。)に係る障害者控除、配偶者控除、配偶者特別控除又は扶養控除(以下「扶養控除等」といいます。)の適用を受ける居住者は、国外居住親族に係る「親族関係書類」及び「送金関係書類」を確定申告書に添付又は提出することが義務化されました。

 なお、これら関係書類を勤務先等に提出又は提示した場合には、税務署に対しては添付又は提示を要しないこととされています。

 これら税務関係書類の提出又は提示(以下「提出等」といいます。)についての留意点について解説します。


Ⅰ 親族関係書類の定義

 「親族関係書類」とは、次の①又は②に掲げるいずれかの書類で、納税者の親族であることを確認できる書類 (外国語により作成されている場合には、訳文を添付)とされます。)

① 納税者の親族が日本人である場合

 戸籍の附票の写しその他国又は地方公共団体が発行した書類でその非居住者がその居住者の親族であることを証するもの及びその親族の旅券の写し

② 納税者の親族が外国人である場合

 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、その非居住者がその居住者の親族であることを証するもの(その親族の氏名、住所及び生年月日の記載があるものに限ります。)
 (具体例:戸籍謄本その他これらに類する書類,出生証明書,婚姻証明書等)


Ⅱ 送金関係書類の定義

 「送金関係書類」とは、次の①又は②に掲げるいずれかの書類で、その年における非居住者である親族の生活費又は教育費に充てるためのその居住者からの支払が、必要の都度行われたことを明らかにするものとされます。

① 金融機関が行う為替取引によりその居住者からその親族へ向けた支払が行われたことを明らかにする書類(具体例:送金依頼書等)

② クレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその親族が商品等を購入したこと及びその商品等の購入代金に相当する額をその居住者から受領したことを明らかにする書類(具体例:クレジットカード(いわゆる家族カード)利用明細書等)


Ⅲ 実務上の留意点

1 扶養控除等申告書の再度提出

 扶養控除等申告書の「生計を一にする事実」欄には、居住者がその年において国外居住親族に送金等をした額の総額を記載することとされていますが、これは年末調整の際に記載するため、当初提出された申告書にはこの記載がされていません。

 このため、扶養控除等申告書の記載内容に異動がない場合であっても、年末調整の際には、居住者から、次のいずれかの方法により「生計を一にする事実」欄の記載がされた扶養控除等申告書の提出を受ける必要があります。

① 当初提出された扶養控除等申告書をその居住者に返却して、国外居住親族への送金等の総額を追記して再度提出する方法

② 国外居住親族への送金等の総額を記載した扶養控除等申告書を別途提出する方法


2 非居住者である親族が16歳未満である場合

 所得税法においては、非居住者である親族が16歳未満である場合であっても、居住者がその親族に係る障害者控除の適用を受けようとする場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を提出等してもらう必要があります。

 なお、地方税法では、原則として、控除対象外国外扶養親族(国内に住所を有しない扶養親族のうち16歳未満である者)について、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を住所所在地の市区町村に提出することとされます。


3 扶養親族が留学中である場合

 扶養親族が国外に留学している場合、その留学が短期留学(1年未満)であれば、その扶養親族は居住者とされますので、国外居住親族には該当しません。

 そこで、短期留学中の扶養親族に係る「親族関係書類」及び「送金関係書類」の提出等は必要ありません。

 ただし、勤務先においては、短期留学(1年未満)で別居している扶養親族が生計を一にしているか否かを確認するために、「送金関係書類」を提示等してもらうべきでしょう。


4 国外扶養親族が複数いる場合

 国外居住親族の代表者の方にまとめて送金等がされている場合には、その代表者の方のみの「送金関係書類」に該当し、その代表者の方以外の国外居住親族に係る「送金関係書類」には該当しないこととされます。

 そこで、国外扶養親族が複数いる場合には、各人別の「送金関係書類」が必要となります。

             参考文献:「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(平成27年9月:国税庁)」