2017年8月23日水曜日

2017年度税制改正:国外財産の相続課税を強化へ!

 これまで、被相続人及び相続人(贈与者および受贈者)の国外での居住期間が5年を超えると、国外にある財産について日本の相続税や贈与税は課税されないという、いわゆる「5年ルール」がありました。

 この取扱いを利用して、一部の富裕層には、日本より税金の低い国に財産を移した上で外国に5年を超えて居住し、相続税や贈与税を逃れようとする動きが目立つようになりました。

 このような背景があってか、2017年度税制改正において、国境をこえた過度な租税回避を抑制するため、国外財産にかかる納税義務の「5年ルール」が見直されることになりました。

 具体的には、同改正によって、この「5年ルール」を見直し、国外財産に日本の相続税や贈与税が課税されない国外居住期間を「10年超」とし、居住期間が10年以内の人には国外財産に日本の相続税をかけられるようになりました。

 しかし一方で、一時滞在外国人の国外財産を相続税等の課税対象とせず、高度外国人材の受入れを促進する措置もとられることになりました。

 具体的には、同改正によって、被相続人及び相続人(贈与者及び受贈者)が、「出入国管理及び難民認定法別表第1の在留資格」により一時的滞在している場合等には、国内財産のみが課税対象とされます。

 ここでいう「出入国管理及び難民認定法別表第1の在留資格」には、いわゆる就業ビザが含まれるため、一時的に日本に滞在する外国人駐在員等の多くは対象になります。

 また、「一時的滞在」とは、国内に住所のある期間が相続(贈与)開始前15年以内で合計10年以下の滞在をいいます。

 転勤などの理由で一時的に日本に居住している外国人の場合であっても、国内財産だけではなく、国外財産についても日本の税金が課税されることとされているため、高度なスキルを持つ外国人技術者等の来日を阻害する要因になっていると指摘されてきましたが、「10年ルール」によって、こうした問題も解消されるものと期待されております。

 これらの改正は、2017年4月1日以後の相続・贈与等により取得する財産に係る相続税・贈与税について適用されますので、該当されます方は、ご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年7月10日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年8月22日火曜日

子ども・子育て拠出金とは

◆全額事業主負担の子ども・子育て拠出金

 子ども・子育て拠出金は平成26年度までは児童手当拠出金と呼ばれていました。

 社会保険料(健康保険及び厚生年金保険)は労使折半負担となっていますが、子ども・子育て拠出金は全額企業が負担します。

 被保険者からは徴収しません。

 平成29年度からは0.23%となりました。

 被保険者の厚生年金保険の標準報酬月額に料率を乗じます。

 標準賞与額にも同じ料率がかけられます。

 例えば標準報酬月額が20万円の人は20万円×0.23%=460円となります。

 金額は大きい額ではありませんが、平成28年度は0.20%でしたから上限とされている0.25%までは今後も上がる事でしょう。

 被保険者に子どもがいるかいないかは関係なく厚生年金の加入者は全員が拠出の対象になっています。

◆拠出金は何に充てられているか

 拠出金は児童手当のみに使われている印象がありますが、地域子ども・子育て支援事業や平成28年4月から新設された仕事・子育て両立支援事業にも充てられています。

 各内容を見てみます。

①児童手当事業・・・・市区町村に住民登録があり、中学校終了前までの児童を養育している人で下記の条件に該当する方に支給されます。

ア、児童が国内に居住している
イ、児童が養護施設入所や里親に委託されていない
ウ、扶養親族数に応じて所得で622万円から812万円までの限度額があります。
  扶養親族数6人以上は812万円に1人38万円を加算します。
  支給額は3歳未満で1人月1万5千円から中学生1人月1万円の範囲できめられます。
  所得制限を超えていても1人当たり5千円が支給されています。

②地域子ども・子育て支援事業・・・・放課後児童クラブ、病児保育(事業費及び整備費)、延長保育事業等

③仕事・子育て両立支援事業・・・・企業主導型保育事業(運営費及び整備費)、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業等

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2017年8月21日月曜日

法人成り メリットとデメリット

◆軌道に乗ったら一度は考える法人成り

 個人事業者が法人を設立することを「法人成り」と呼びますが、個人事業が軌道に乗ってくれば、一度は考えるのではないかと思います。なぜ、考えるのかというと、法人成りにはメリットもデメリットもあるからです。

◆一般的なメリット

1.給与所得控除が使える:法人成りをして会社から給与を受け取るようにすれば、経営者自身の所得税で給与所得控除が使え、節税になります。

2.消費税が最大2年間免除される:資本金が1,000万円未満の法人は、2期にわたって消費税が免税となります(但し特定期間の課税売上や、特定新設法人の規定により免除にならない場合がありますので留意してください)。

3.決算期が自由に設定できる:個人事業者の場合は12月決算の3月15日申告と時期が固定されていますが、法人は決算期が自由に設定できます。

4.繰越欠損金の繰越控除の年数が増える:個人は3年ですが、法人の場合は10年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)になります。

◆一般的なデメリット

1.法人設立の手間と費用:定款を定めて、登記をしなければならず、定款認証手数料や登録免許税が必要となります。

2.社会保険の加入:個人事業では4人までの雇用であれば社会保険の加入義務はありませんが、法人成りすると1人でも社会保険への加入が義務付けられます。

3.赤字でも7万円の法人住民税がかかる:均等割と呼ばれる部分で、赤字だったとしても税金が取られます。

◆あまり数字には出てこない「対外的な信用」

 対外的な信用はどうしても個人事業よりも法人の方があるものです。

 融資や取引で見劣りしないように法人成りをする、というのも立派な理由です。

 色々な視点から法人成りをするかしないかを判断した方が良いでしょう。



2017年8月18日金曜日

遺産分割、配偶者優遇へ

 相続法制の見直しを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の相続部会は、婚姻期間が20年以上の夫婦のどちらかが死亡した場合、生前に故人より贈与を受けた住居は遺産分割の対象にしないとする案をとりまとめました。

 また故人の預貯金についての遺産分割前の仮払い制度の創設も盛り込んでいます。

 法務省は8月上旬から約1カ月半の間、意見公募(パブリックコメント)を実施。

 その結果を踏まえ、年内に要綱案をとりまとめ、来年の通常国会で民法改正案を提出するそうです。

 遺産分割は、亡くなった被相続人が保有していた不動産や預貯金、有価証券などの遺産を相続人で分け合う制度。

 現行制度では、居住用の土地や建物は遺産分割の対象であり、生前贈与をしていても住居を含めて分け合うことになります。

 そのため、残された配偶者が遺産分割によって住居の売却を迫られ、住み慣れた家から追い出される可能性があります。

 試案では、結婚から20年以上の夫婦間で、生前贈与するか遺言で贈与の意思を示した居住用の建物や土地は、遺産分割の対象から除外するとしました。

 配偶者は住居を離れる必要がないだけでなく、他の財産の取り分が増えることになります。

 また試案では、故人の預貯金について、遺産分割が終わる前でも生活費や葬儀費用の支払いのために引き出しやすくする「仮払い制度」の創設を盛り込みました。

 昨年に最高裁が「被相続人の預貯金は遺産分割の対象」とする判断を示したことを受け、遺産分割の協議中でも預金を引き出しやすくするために創設されることとなりました。


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2017年8月17日木曜日

企業版ふるさと納税が人気薄

 自治体に寄付した企業が通常の寄付金控除以上の税優遇を受けられる「企業版ふるさと納税」の初年度(2016年度)の寄付額は7億4692万円でした。

 過熱した返礼品競争の影響で個人向けのふるさと納税が過去最高の2844億円だったことを考えると、出だしは低調だったと言えそうです。

 企業版ふるさと納税は、企業が本社所在地以外の自治体に寄付すると、法人税や法人住民税などの負担が寄付額の約6割軽減される制度。自治体が策定して内閣府が認定した「地域活性化事業」などが寄付の対象で、16年度は150以上の事業が認定されていました。

 全体として低調だった要因のひとつに、「見返り」の少なさが想定されます。

 企業版は、地元で生産される豪華な返礼品などが人気を博している個人向けと違い、自治体が寄付した企業に直接的な便宜供与を図ることも禁じられています。

 寄付額の4割が企業負担でもあり、主たるメリットは地方創生への後押しなど企業のイメージアップや、自治体からの感謝状なども含めた知名度向上にとどまっている面も影響しているようです。

 山本幸三地方創生担当相は7月の記者会見で、「企業にはインセンティブが弱いところもあるかもしれないが、企業の社会的責任に基づく話でもあるので、ぜひ取り組んでもらいたい」と期待を込めます。

 税収確保に悩む地方をサポートする狙いがあった新制度ですが、今後どこまで企業に追加寄付の動きが広まるかは不透明な状況です。


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2017年8月16日水曜日

国税庁:減価償却定額法一本化に係る改正通達の趣旨説明を公表!

 2016年度税制改正において、定率法の選択が可能な減価償却資産のうち、建物附属設備は建物と一体的に整備され、構築物は建物と同様に長期安定的に使用されることから、これらの減価償却資産(鉱業用減価償却資産等を除く)の償却方法は、建物(同)と同様に定額法に一本化する見直しを行い、法人税基本通達を見直しておりますが、国税庁はその具体的な内容や考え方を示す趣旨説明を公表しました。

 それによりますと、改正によって建物附属設備及び構築物の減価償却方法が定額法に一本化された結果、2007年3月31日以前に取得した鉱業用減価償却資産等以外の建物附属設備及び構築物に対して2016年4月1日以後に資本的支出を行い、同日以後に新たな建物附属設備等を取得したものとされる原則的方法を適用した場合には、その資本的支出に係る償却方法は旧定率法となるのか、定額法になるのか疑問が生じます。

 また、2007年3月31日以前に取得した鉱業用減価償却資産のうち建物、建物附属設備及び構築物に対して2016年4月1日以後に資本的支出を行い、原則的方法を適用した場合も、同様の疑問が生じます。

 2007年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出を行った場合には、取得価額の特例により、その資本的支出の金額をその減価償却資産の取得価額に加算できるという特例計算が認められております。

 1998年3月31日以前に取得した鉱業用減価償却資産以外の建物に対して、2007年4月1日以後に資本的支出をした場合、資本的支出の取得価額の特例を適用し、その資本的支出の金額を取得価額とする新たな減価償却資産を取得したときは、その資本的支出に係る償却の方法は、その建物の償却方法である旧定率法ではなく、同日以後に取得した鉱業用減価償却資産以外の建物の償却方法である定額法に限られていました。

 こうした取扱いをふまえ、改正後の本通達では、上記の場合について、改正前の通達で明らかにしていた取扱いと同様に、2016年4月1日以後に取得した建物、建物附属設備及び構築物について適用することができる償却方法に限られることを留意的に明らかにしたものであるとその趣旨を説明しており、連結納税制度においても、同様の通達改正を行っております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年7月3日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年8月15日火曜日

特に都市部は大幅な上昇 29年路線価は全国平均0.4%増

◆29年路線価は前年比0.4%増

 平成29年路線価が公表されました。

 全国の路線価の平均は前年比0.4%増。

 一昨年までは7年連続の下落傾向でしたが、2年連続の上昇となりました。

 これは3月公表の公示地価と同じです。

 以前は路線価と公示地価の前年対比率の取り方が異なっていましたが、現在は両者とも「地点ごとの変動率」を単純平均しており大差はありません。

 地価公示は「土地の取引価格の指標を与えること」を目的としており、全国で約26,000地点の公示地価を3月に公表しています。

 一方、路線価は相続税・贈与税の課税価格として用いられるもので、計算の基礎となる調査地点(標準宅地)が約333,000地点です。

 こちらは件数も多いため、公表は7月となっています。

 なお、路線価の価格は公示地価の8割程度の評価となります。

◆鳩居堂前の路線価は過去最高額を更新

 29年の路線価が前年より上昇した都道府県数は13(宮城県の3.7%増が最高)。

 下落は32でした(秋田の2.7%減で4年連続最下位)。

 ただ、下落した県のうち26は下げ幅が縮小したため、全体では上昇局面とはいえます。

 また、路線価の最高額は、例年どおり銀座の鳩居堂前でしたが、これに加えて「銀座プレイス前」などの4か所も1㎡当たり4,032万円で、バブル期の3,650万円を抜き過去最高とのことです。

 ちなみに、公示地価の29年の最高額は、同じ銀座の山野楽器本社の5,050万円です(鳩居堂前は公示地価の調査対象ではありません)。

◎過去3年間の鳩居堂前の路線価・前年比
 平成27年分:26,960,000円(+14.2%)
 平成28年分:32,000,000円(+18.7%)
 平成29年分:40,320,000円(+26.0%)

◆上昇傾向はどこまで続くのか…

 公示地価は土地の用途別で変動率が公表されており、29年は商業地が2年連続の「上昇」、住宅地は「下落から横ばい」へ、工業地は「横ばいから上昇」に転じています。

 これらをあわせて考えると、オリンピック開催で都市部の地価上昇は急激な一方で、住宅需要も団塊ジュニア世代が住宅購入年齢に当たる現在は、 低金利や税制にも支えられ底堅い感じもしますが、先行指標である中古マンションの指標が鈍化していることや、生産緑地指定から30年経過する平成34年には都市圏に土地が過剰供給される懸念も囁かれていますので、オリンピック後の状況はかなり変わるものと予想されます。



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2017年8月14日月曜日

平成29年4月1日より設立・異動届出書の手続簡素化

◆29年より登記事項証明書の添付省略

 平成29年4月1日より国税庁に提出する届出書について二つの見直しが行われています。
 
 一つは、法人設立届出書等に登記事項証明書等の添付が不要となったことです。

 これは、平成25年に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」に基づいて、行政組織の壁を越えたデータ活用により、公共サービス向上を図ろうとする「登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクションプラン」という横断的な取り組みの一つです(法人番号導入もその一環)。

 法務省では、他の行政機関とオンラインで情報連携ができるような新しい登記情報システムの運用を平成32年度中に開始する予定です。

 国税庁はオンラインで提供される登記情報の活用を図るため、関係省庁と議論を進め、平成29年税制改正で次の対象届出書等への登記事項証明書の添付が不要となりました。

1.法人の設立・解散・廃止等の届出書
「法人設立届出書」、「外国普通法人になった旨の届出書」、「収益事業開始届出書」等

2.税務署の求めに応じ添付していたもの
「営業等開始・休止・廃止申告書」(たばこ税法、揮発油税法、印紙税法等)等

◆届出書の提出先のワンストップ化

 また、改正前は異動前と異動後の双方の所轄税務署に提出が必要とされていた異動届出書等については、平成29年4月1日以後の納税地の異動等により、以下の対象届出書等を提出する場合、異動後の所轄税務署への提出が不要となりました。

1.所得税
「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」、「個人事業の開業・廃業等届出書」

2.法人税
「異動届出書」

3.消費税
「消費税異動届出書」、「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」

◆地方税は従前通りの取扱いのため要注意!

 これらの取扱いは現行では国税のみで、地方税の届出書については登記事項証明書の添付や提出先は従前どおりですので、ご注意ください。


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2017年8月10日木曜日

九州よりも広い土地が所有者不明

 民間の学識経験者らで構成する所有者不明土地問題研究会(増田寛也座長=元総務相)は、九州よりも広い約410万ヘクタールの土地が相続未登記などで所有者不明であるとする推計結果を発表しました。

 研究会は名義人の死亡後も相続登記されていない土地などを「所有者不明土地」と定義し、国土交通省の地籍調査を基に、市区町村別の総人口や高齢者死亡者数などの統計を使って独自に試算。

 所有者不明の土地問題では、法務省が都市部で6.6%、地方で26.6%が所有者不明になっている可能性があるとのサンプル調査結果を公表していますが、国のデータを基に全国的に推計するのは初めてのことです。

 不動産の権利登記は、相続などで所有者が変わっても名義変更の義務はないため、特に資産価値が低い不動産を相続した人は面倒な相続登記をせず、被相続人名義のまま放置することがあります。

 情報が更新されず何世代も続くと、相続人はねずみ算式に増加することになります。

 自治体が空き家などの不動産登記を調べても本来の所有者が分からないケースも少なくありません。

 東日本大震災の被災地では、所有者不明の土地があったことで、自治体による用地買収の障害になったそうです。


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2017年8月9日水曜日

杉原千畝氏の遺産相続「有効」

 第二次世界大戦時に多くのユダヤ人にビザを発給して「日本のシンドラー」と呼ばれた杉原千畝氏の遺産をめぐる裁判で、東京高裁は杉原氏の妻(故人)の遺言の有効性を認め、被告となっている長男の子の相続を認める判決を下しました。

 遺言の無効を求めていた四男の訴えを退け、遺言を無効とした一審判決を取り消した格好です。

 裁判では、杉原氏の妻が入院中の2001年12月に公証人が作成した遺言について争われました。

 遺言は、杉原氏の遺品を含む全財産を長男の子2人に相続させる内容でしたが、意識障害のあった妻に長男側が無理やり書かせたものだとして、四男が無効を訴えていました。

 一審判決では、遺言を残した当時、妻には低ナトリウム血症などで意識障害があり、遺言の内容を判断できなかったとして、遺言の無効を決定。

 しかし高裁の裁判長は、意識障害は夜間のみで、退院後は国内外で講演活動を行うなど「重篤な障害があったとは認められない」と結論付けています。

 四男側は判決を不服とし、上告する方針。

 遺産の詳細は明らかにされていませんが、杉原氏の欧州赴任時の回想を記した手記や、当時の写真などが含まれているとのこと。

 長男一家はNPO「杉原千畝命のビザ」幹部を務め、裁判で争われた自筆の手記をユネスコ記憶遺産に登録されるための資料として提出していましたが、四男が手記の真偽について疑義を示したことから、登録申請者である岐阜県八百津町が取り下げています。

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2017年8月8日火曜日

東京都:大規模建築物の固定資産評価方法の見直しを提言!

 東京都は、大規模建築物の新たな固定資産評価方法を検討してきた「固定資産評価に関する検討会」の報告書を公表し、国に対して大規模建築物の固定資産評価方法の見直しについての提言を行いました。

 これまで、都内で建築されている大規模・複合用途の建物について評価する場合、建物の完成から評価完了までに長い期間を要するうえ、評価の方法が納税者に分かりにくいなどの課題が指摘されておりました。

 現在の家屋の固定資産税評価方法である再建築価格方式は、1963年度に固定資産評価基準で定められ、翌年度から適用されましたが、この再建築価格方式は、高層ビルから戸建て住宅まで家屋の規模や用途にかかわらず全ての家屋に一律に適用され、家屋の建築に使われた資材の価格を積み上げて評価する方法で、新たな工法や資材に対応するなど何度も改正が行われてきました。

 しかし、近年増加傾向にある都心部・臨海部に建築されているオフィスやホテル等の入る複合用途の大規模事業用建築物を現行の評価方法で評価する場合、約5万点の建築資材を確認して評価基準にあてはめるなど、評価が困難で複雑な判断を伴う課題が生じておりました。

 さらに、通常、竣工から評価完了までに2年近くを要することから評価に長期間を要することや、評価方法が納税者に分かりにくいことなどの課題も生じておりました。

 このため、東京都では現行の評価方法と同等な価格を求める「新たな評価方法」について検討を行ってきました。

 今回提言された「新たな評価方法」とは、現行の家屋の評価方法(再建築価格方式)が、建物に使用されている資材の価格を部分ごとに積み上げていく方法であるのに対して、1棟の家屋の中で取得価額(工事原価)等を基に算出する方法と現行の評価方法を併用するものです。

 具体的には、建築設備などとくに「評価が困難で、長期間を要する部分」のみを取得価額活用方式(取得価額(工事原価)を基に算出する)で評価して、その他の部分は、現行の評価方法(部分別評価方式)で算出します。

 「部分評価と取得価額活用方式等を併用する方法」が最も有効な方法とみており、東京都は、国との連携を図りながら、2021年度からの評価方法の見直しを目指しているとのことで、今後の動向が注目されます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年7月3日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


2017年8月7日月曜日

タカタ㈱の民事再生法適用申請によりセーフティネット保証1号の発動

◆中小企業・小規模事業者対策として

 エアバッグの欠陥で大量リコール(回収・無償修理)があった自動車部品大手のタカタ㈱は、平成29年6月26日に東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。

 米国法人を含む海外子会社も同様に、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請しました。

 実質的な負債総額は1兆円を超えており、製造業では戦後最大の大型倒産です。

 信用不安が広がらないように支援企業も決まっており、中国の部品大手「寧波均勝電子」傘下の米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)が選ばれています。

 経済産業省も、この倒産劇が中小企業に与える影響を考慮し、資金繰り等に関する相談窓口を設置し、公的金融機関による支援を実施するなど、支援策を講じています。

◆セーフティネット保証1号(連鎖倒産防止)の発動

 タカタ㈱と一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象として、一般保証とは別枠で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号を発動します。

・対象となる中小企業者(以下いずれかを満たす場合)
①当該事業者に対して50万円以上売掛金債権等を有している中小企業
②当該事業者の事業活動に20%以上依存している中小企業者

・内容(保証条件)
①対象資金:経営安全資金
②保証割合:100%
③保証限度額:無担保8千万円含み2億円
④保証人:原則第三者保証人は不要

◆その他のセーフティネット保証

 1号から8号まであります。

 有名なところでは業況の悪化している業種に属する中小企業者で、直近3カ月間の売上高が前年同期比で5%以上減少している等が条件の5号(業況の悪化している業種)で、リーマンショックや原油価格高騰でお世話になった中小企業者も多かったかもしれません。

 「溺れる者は藁をもつかむ」ではありませんが、緊急時にはありがたい制度です。


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2017年8月4日金曜日

相続は財産だけではありません

◆相続債務にはご注意ください

 被相続人が亡くなって相続が開始されると、相続人が集まって遺産分割協議を行います。

 遺産分割協議で相続財産の分割を受けなくとも、相続債務は引き受けなければなりません。

 どういうことかと言うと、両親と子供一人の家族で、アパートを所有していた父が亡くなり、母がその後の生活のためにアパートを相続したようなケースで、アパート建設のための借金が残っていた場合、銀行はその借金の返済をアパートを相続しなかった子供にも請求できます。

 債権者にとって、相続人が勝手に決めた遺産分割協議に拘束されることはなく、相続人全員に法定相続分に応じた分割債務を請求できるのです。

 そうならない為には債権者である銀行等に承認を得ておく必要があります。

 遺産分割協議書は、相続人の間では有効ですが、債権者には意味がありません。

◆心配な場合は相続放棄を

 相続財産を受け取らず、相続債務に不安があるときは家庭裁判所に申立てをして相続放棄を受けることができます。

 相続放棄を受ければ被相続人の債務に関する追及はありません。

 相続放棄は自己のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てしなければなりません。

 「知ってから」というのは、相続人と言えども疎遠な場合もあり、知らないうちに相続債務の請求を受けない為の措置です。

◆相続とは権利と義務を引き受けます

 相続では財産等権利だけでなく、債務等の義務も相続するのです。

 遺産分割協議をおこなう時は財産の分け方ばかりに目が行きがちですが、相続放棄をしないのであれば、債務の引き受け方もきちんと取り決め、債権者の承認を得ておく必要があります。

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2017年8月3日木曜日

少額減価償却資産の特例に係る改正の趣旨説明を公表!

 国税庁は、2016年度税制改正(法人税関係)において、法人税基本通達を見直しましたが、その改正の趣旨説明を公表しました。

 それによりますと、同改正の一つに「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の見直しを行い、同改正により、対象となる中小企業者等について、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限定されたこと、適用期限が2018年3月31日まで2年延長されました。

 改正の趣旨説明によりますと、従業員の数が1,000人以下の法人に限定されたことをふまえ、1,000人以下であるかどうか(従業員基準)の判定の時期は、資本金基準と同様に、原則として、法人が少額減価償却資産の取得等した日及び事業の用に供した日の現況により判定すべきとしました。

 ただし、従業員の数の変動は、資本金の額の変動と比較しますと、事業年度を通じて起こり得るものであり、同一事業年度内に1,000人以下である期間と1,000人超である期間が混在するケースも考えられます。

 これについては、1,000人超である期間内に取得等をして事業の用に供した減価償却資産を抽出して同特例の適用から除外するというのは、一定の事務負担を要することもあり、改正後の本通達において、従業員基準については、事業年度終了の日の現況によって判断することができるとしております。

 一方、従業員の数が1,000人以下であるかどうかの判定に当たっては、法人が常時使用する従業員の数が何人かが問題となりますが、この場合の「常時使用する従業員の数」は、法令上、特段の条件が定められていないことから、改正後の本通達において、雇用形態が常用であると日雇いであるかを問わず、常時就労している職員、工員等(役員を除く)の数によるとしております。

 また、法人が業務の最盛期などに数ヵ月程度の期間その労務に従事する者を使用している場合であっても、それらの事業の性質を考慮して、その従事する者を「常時使用する従業員の数」に含めて取り扱う旨を、改正後の本通達の後段において明らかにしており、これらの取扱いは、連結納税制度においても、同様の通達を定めております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月12日現在の情報に基づいて記載しております。
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2017年8月2日水曜日

経済産業省:法人税の申告期限延長の特例適用で留意点を公表!

 経済産業省は、法人税の申告期限延長の特例の適用にあたり、留意点を公表しました。

 それによりますと、2017年度税制改正において、上場企業等が定時総会の開催日を柔軟に設定できるよう、企業が決算日から3ヵ月をこえて定時総会を招集する場合、総会後に法人税の確定申告を行うことを可能とする措置が講じられたことを受けたもので、改正後の同特例の解釈等について、国税当局にも確認のうえ、留意点を整理しております。

具体的には、
①同特例の適用対象の範囲
②定款等の定めの具体例と税務署長への提出書類
③税務署長が指定する月数(申告期限延長)の期間の具体例
④同特例に係る申請書の提出期限
⑤適用時期を示しております。

 なお、同特例は、会計監査人を設置している法人が適用対象となります。

 また、適用を受けるためには、「定款等」の定めにより事業年度終了の日から3ヵ月以内に定時総会が招集されない常況にあることが必要となります。

 この「定款等」とは、「定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの」で、法人の最も基本的な事項について定めた根本規則を指します。

 株式会社の場合、定款がこれに該当しますが、株式取扱規程等の規程や取締役会等の議事録はこれに含まれません。

 法人税の申告期限の延長は、法人税法第75条の2第1項第1号に「当該定めの内容を勘案して4月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間」とされており、法人の申請に基づき、税務署長が延長する月数を指し、延長可能な法人税の申告期限を具体例で整理しております。

 なお、税務署長は、本来の申告期限の翌日を起算日として月数を指定することとなります。

 申請書の提出期限については、申請書に定款等の写し及び各ケースによって必要な書類を添付し、同特例の適用を受けようとする事業年度終了の日まで(連結事業年度について申請する場合には、連結事業年度終了の日の翌日から45日以内)に納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

 適用時期は、改正後の法人税法については、2017年4月1日より施行となっておりますので、同特例の適用を受けるための申請も同日より可能となっております。

 該当されます方は、ご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年8月1日火曜日

“ベンチマーク”

 “ベンチマーク”とは「他社の優れた経営方法やマーケティング戦略などを探し出し、自社のやり方や手法との違いを分析し、それに基づいて自社の経営や営業手法などを改善する管理手法のこと」を言いますが、安易に使うと、単なる物真似に陥り、自社が持っていた特色を失うなど、得策とならない場合もありますから、注意して、有効に活用したいものです。

◆“ベンチマーク”活用の注意点
 “ベンチマーク”をうまく活用するための注意点を挙げますと次の通りです。

①自社で使っている経営方法、製品開発の方法などについて、現状の問題点・改善改革の課題を整理して把握する。

 その方法として、現在その業務に関与している役員・管理者・一般社員が失敗経験などの状況事実から、問題点を抽出する。

 同時に自社の方法が持つ特色、他社に比べて優位であると思われる点を認識しておく。

②整理した問題点や課題を解決するのに、有効と思われる他社の方法・システムを調査、特定する。

 “ベンチマーク”の対象は特定の企業1社に限らず、複数社としても良く、それらの組み合わせ、活用でより高度な問題解決、改革が図れることが期待される。

 そのためにも、①の自社の問題点を分析し、「知りたいことは何か」を把握しておくことが、“ベンチマーク”すべき他社の方法・システムなどの発見と比較・評価・選択に役立つ。

③“ベンチマーク”すべき他社の方法・システムなどは、自社の業界に限らず、他の業界にも眼を向けて探索する。

 例えば、製品開発のステップ・目標管理制度・人事賃金制度の仕組みや運用方法などは、特定業界に限らず、優れた“ベンチマーク”に適する事例が存在する。

④以上の①と②③で得た“ベンチマーク”対象を参考にして、“自社の方法・システムを改善・改革した時のありありとした姿”を検討し、具体的に記述する。

 これが、改革構想である。

◆経営者・管理者の留意点
 “ベンチマーク”による改革構想は、重要な経営課題について、プロジェクトチーム目標を設定するのに適しており、メンバーが主体性と挑戦意欲、協力意識をもって、改善・改革を実現することが出来る目標となります。


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2017年7月31日月曜日

テレワークの実施状況

◆在宅勤務等テレワーク制度導入は約1割
 連合総研(公益財団法人 連合総合生活開発研究所)が実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」の結果が公表されています。

 民間企業に勤める男女2千人を対象にインターネットで行ったこの調査には、自宅等オフィス以外で働く「テレワークの制度」の導入状況についての質問事項があります。

 それによるとテレワーク制度が勤務先に「ある」と回答した従業員が9.7%だったそうです。

 従業員千人以上の企業では導入率は19.1%が「ある」と答えたのに対し、99人以下の企業では5.0%に留まっています。

 企業規模で制度導入に差が出ています。

◆テレワークで働きたいか
 「今後自分が在宅勤務型のテレワークで働きたいですか?」の問いには「わからない」と回答した割合が最も多く42.4%、「働きたい(働き続けたい)と思う」が27.4%、「働きたい(働き続けたい)とは思わない」が30.3%となっています。

 この調査でも現在テレワークで働いていると回答した人の割合は約1%なので、テレワークそのものがまだ広く普及されておらず回答する側にも認識が低いと言えるでしょう。

 実際どんな働き方になるのかイメージし難いのかもしれません。

◆徐々に進む制度導入
 このような状況の中で最近は政府が提唱する「働き方改革」の流れでテレワーク普及を推進しようとしています。

 厚生労働省では東京都や経済団体と連携し2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機としてテレワーク普及を展開する方針で、その一環として東京大会の開会日に当たる7月24日を今年から「テレワーク・デイ」と決め、多くの企業や団体にテレワークの一斉実施を呼びかけようとしています。

 これまではセキュリティやコミュニケーションの疎通、労務管理、コスト面等の問題から導入をためらっていた企業も多かったと言う事ですが、最近はこれらの懸念材料を解消するツールが様々に用意されているようです。

 ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方は今後、中小企業でも導入が期待されるところです。


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2017年7月28日金曜日

財形制度目的外払出しの非課税特例範囲を拡充!

2017年度税制改正

 2017年度税制改正において、勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄(以下:財形非課税貯蓄)について、その払出し(目的外払出し)が災害等の事由に基因するものである場合には、一定の要件の下、その払出しに係る利子等に対する課税が行われないこととされました。

 財形非課税貯蓄(財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄)を本来の目的(住宅購入等、年金)以外で払い出す場合、本来は利子などに課税されますが、非課税で払い出すことができる特例の範囲が拡充されました。

 勤労者につき、下記に掲げる「災害等の事由」が生じた日から同日以後1年を経過する日までの間に、その事由が生じたことにより勤労者が財形非課税貯蓄の払出しを行う場合には、その払出しに係る利子等に対する課税が行われないこととされ、2017年4月1日以降の払出しから、この非課税特例の範囲がすでに拡充されております。

 ここでいう災害等の事由とは、

①勤労者が居住の用に供している家屋であってその者又はその者と生計を一にする親族が所有しているものについて、災害により全壊、流失、半壊、床上浸水その他これらに準ずる損害を受けたこと

②勤労者が支払った医療費で、その者又はその支払の時においてその者と生計を一にする親族のためにその年中に支払ったものの金額が200万円を超えたこと

③勤労者が配偶者と死別等をし、所得税法に規定する一定の寡婦又は寡夫に該当することとなったこと

④勤労者が特別障害者に該当することとなったこと

⑤勤労者が雇用保険法に規定する特定受給者資格者又は特定理由離職者に該当すること

となったことをいいます。

 上記の事由が生じたことにより勤労者が財形非課税貯蓄の払出しを行う場合には、その払出しに係る利子等に対する課税は非課税となります。

 なお、2016年4月1日から2017年3月31日までの間に財形非課税貯蓄の払出しを行った際に、その財形非課税貯蓄に係る利子等について徴収された所得税及び復興特別所得税の額がある場合に、その払出しが上記に掲げる「災害等の事由」によるものであるときは、その払出しを行った勤労者は、2018年3月31日までに、勤労者の住所地の所轄税務署長に対し、その徴収された所得税等の還付を請求することができるとされておりますので、該当されます方は、ご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2017年7月27日木曜日

2017年度税制改正:役員給与の損金不算入制度を見直し!

 2017年度税制改正において、役員給与の損金不算入制度の3類型のいずれも見直しがされました。

 それによりますと、3号給与の利益連動給与が業績連動給与に改められ、株価などその算定指標が拡充されたほか、2号給与の事前確定届出給与も、所定の時期に確定した株式や新株予約権が加わりました。

 上記はおもに大企業向けのものですが、中小企業のほとんどが利用している1号給与の定期同額給与も、損金不算入制度になって、初めて見直されました。

 具体的には、所得税や住民税及び社会保険料の源泉徴収等をされた後の手取り額の金額が同額である定期給与がその範囲に追加されております。

 定期同額給与とは、法人税法では「その支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与」とされており、今回、2017年度税制改正法の政令でその詳細が示されました。

 政令改正では、定期給与の各支給時期における支給額から源泉税等の額(所得税や住民税、社会保険料)を控除した金額が同額である場合、当該定期給与の当該支給時期における支給額は、同額であるものとみなすとする規定が設けられました。

 これまで額面の支給額が同額でなければ定期同額給与の対象とはならなかったのが、これからは額面だけでなく、源泉徴収等の後の額が同額であれば定期同額給与とみなされます。

 厚生年金保険料率は2005年度以降、2017年度まで毎年0.354%(労使折半)ずつ引き上げられ、同保険料率は毎年9月分から変更されておりますが、この前後で給与の支給額が同額ですと、手取り額が減少してしまいます。
 しかし、改正後の規定を適用しますと、社会保険料を含めた源泉徴収等が行われた後の額を同額としても定期同額給与とみなされます。

 上記の改正は、4月1日以後に支給又は交付に係る決議(決議がない場合はその支給又は交付)をする給与について適用されますので、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年7月26日水曜日

共謀罪から相続税が除外

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が、与野党による徹夜の攻防の末、可決成立しました。

 当初の与党案では税法も含む676の罪を対象としていましたが、強い反発もあり、今国会に提出された法案では対象の罪は277まで削られました。

 税法に絞ってみると、所得税、法人税、消費税などは残された一方で、相続税が当初案から削除されるという謎が残っています。

 同法は、テロ集団や暴力団といった組織的な犯罪集団を対象として、2人以上で犯罪を計画し、下見や資金調達といった準備を行った段階で全員を処罰するもの。

 その対象は殺人や放火から薬物の密輸、脱税まで多岐にわたります。

 違法行為となる計画や下見の定義があいまいなこともあり、警察による権力の濫用を危ぐする声は根強くあります。

 政府はもともと676の罪を対象とした素案を作成していましたが、今年1月に法務省が示した法案では対象が277にまで絞り込まれました。

 もともとの素案にあり、成立した法案にないものとしては、爆発物使用、強盗強姦、酒酔い運転、そして相続税法違反などがあります。

 法務省は法案の提示に当たって、削除した399の罪について、8つの理由に分類して決めたと説明しました。それによれば、

①そもそも共謀が不可能な単なる不注意による「過失犯」、
②未遂に終わった犯罪について、未遂そのものを罪状とする「独立未遂犯」、
③犯罪の結果、予測していなかった重大な結果を引き起こした「結果的加重犯」、
④すでに陰謀罪や共謀罪が規定されている「条約上の義務無し」、⑤もともとの罪に共謀などによって罪が加重される規定がある「加重類型」、
⑥犯罪に至る準備を罰する「予備罪」、
⑦同様に犯罪に至る準備を罰する「準備罪」、
⑧「組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定し難い犯罪」

――が削除されたそうです。

 上記8類型のうち、相続税が除外された理由がどれに当たるのかは明らかにされていませんが、所得税や法人税とこれらの条件下で明確に違う点は見出しづらく、説明がつかないと言わざるを得ません。


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過去に在日大使館等に 勤務していた外国人の居住期間の判定

◆在日大使館等勤務の外国人は所得税が免除

 外国政府の外交官として来日し、大使館や領事館に勤務する者の課税関係については、所得税法と外交関係に関するウィーン条約、領事関係に関する同条約が重層的に適用され、有利な方の課税方法によることとされています。

 そのため、給与をはじめとして個人的所得については、わが国では課税されないこととなっています。

 この非課税は、大使や書記官など外交官のみならず、事務及び技術職員や役務職員(受付、玄関番、料理人や掃除人等)にも適用され、外国人であって大使館等から受ける報酬であれば、租税が免除されます。

◆来日外国人の所得税課税

 日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人は非永住者として、国内源泉所得に対して課税されます。

 この非永住者の判定に当たって、過去10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超える場合は、5年以内の日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者として取り扱われます。

 非永住者以外の居住者は、日本人と同様、全世界所得が所得税の課税対象とされます。

◆過去に外交官として国内に居住していた人の非永住者の判定

 過去に大使館に勤務した人が退職し、日本の民間企業に再就職した場合には、居住者として日本の所得税の下での課税が適用されます。

 大使館等勤務で「外交」または「公用」の対象外公用パスポート保持者は「在留管理制度」の適用外なので、住居地の登録がなされません。

 住居地の登録がなされない→住所なし→国内に住所又は居所を有していた期間はゼロと考えることができるのでしょうか?

 上述の外交官のいわゆる人的非課税の取扱いは、国内に居住していることを前提としており、我が国に住所又は居所を有しない者と解しているものではありません。

 したがって、非永住者の判定に当たっては、外交官として国内に居住していた期間も含めて判定することとなります。

 このことを誤解して期間算定を誤ると、確定申告はもちろん、「国外財産調査制度」の対象漏れともなりかねませんので、十分注意が必要です。


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2017年7月25日火曜日

2017年度税制改正:地方拠点強化税制が拡充へ!

 2017年度税制改正において、地方にある本社機能の拡充(拡充型)をした場合、東京23区に本社のある企業が地方に本社を移転(移転型)をした場合、ともに税制優遇措置の適用を受けられる地方拠点強化税制が拡充されます。

 主な内容として、移転型の要件緩和、オフィス減税の特例措置の現行水準の延長、雇用促進税制の支援の強化があります。

 このうち、移転型の要件緩和は、移転型の適用を受けるための、「特定業務施設の増加従業員の過半数が特定集中地域(東京23区)にある移転元の本社機能からの転勤者であること」との要件を、「特定集中地域のおける従業員の減少分を上限として、特定業務施設における新規雇用者の一部を東京23区にある移転元の本社機能からの転勤者とみなす」ことに見直されました。

 上記の特定業務施設とは、本社機能のある地方事業所のことですが、この見直しによって、地方事業所の新規雇用者のうち、東京23区から地方事業所への転勤者が実際にいなくても、仮に定年退職や自己都合で退職した従業員数減少分までは転勤者とみなされることになります。

 したがいまして、特定業務施設の当期増加雇用者に対して税額控除する雇用促進税制において有利になります。

 地方拠点強化税制の適用には、拡充・移転先の都道府県知事から「地方活力向上地域特定業務施設整備計画」の認定を受けることが必要となり、新設や増設した建物等の地方事業所業務施設の特別償却又は税額控除の適用が受けられる「オフィス減税」と、地方事業所の増加従業員数に応じて税額控除の適用が受けられる「雇用促進税制」の2つの税制優遇措置があり、両制度とも拡充型より移転型を優遇しております。

 オフィス減税のうち、税額控除(拡充型:4%、移転型:7%)は、計画認定の年度が2017年度の場合は拡充型が2%、移転型が4%と下がることから、同改正により、現行水準まで引き上げられます。

 また、雇用促進税制の税額控除制度は、新規雇用が無期・フルタイム社員の場合は拡充型、移転型ともに現行に10万円を上乗せされる一方で、新規の非正規社員の比率が全国平均の40%を超える場合には、超過した非正規社員の税額控除額は10万円減額されますので、該当されます方は、ご注意ください。


(注意)
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2017年7月24日月曜日

法定相続情報証明制度が運用開始へ!

 各種相続手続きに利用することができる「法定相続情報証明制度」が、全国の登記所(法務局)において、2017年5月29日より運用開始されております。

 これまで、相続人は、遺産(不動産や預貯金等)に係る相続手続きに際し、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍関係の書類等一式をすべて揃えたうえで、管轄の異なる登記所や各金融機関など、相続手続きを取り扱う各種窓口ごとに、同じ書類を何度も提出する必要がありました。

 法定相続情報証明制度では、登記所(法務局)に戸籍関係の書類等一式を提出し、あわせて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すれば、登記官がその一覧図に認証文を付した写しが無料で交付されます。

 そして、その後の相続手続きは、法定相続情報一覧図の写しを利用することで、戸籍関係の書類等一式を何度も提出する必要がなくなります。

 不動産の登記名義人(所有者)が死亡した場合には、所有権の移転の登記(相続登記)が必要となります。

 しかし最近では、相続登記が未了のまま放置される不動産が増加しており、これが所有者不明土地問題や空き家問題など様々な社会問題の要因となっているとの指摘がありました。

 そこで、相続手続きに係る相続人等の負担軽減や、相続登記を促進するために、法定相続情報証明制度が新設されたとみられております。

 同制度においてはまず、相続人又はその代理人が、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等を集め、その記載に基づく被相続人の氏名、最後の住所、生年月日及び死亡年月日並びに相続人の氏名、住所、生年月日及び続柄の情報などを記載した法定相続情報一覧図を作成します。

 これらの書類を添付した申出を受けた登記官は、内容を確認し、法定相続情報一覧図を保管し、認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを交付します。

 その後、法定相続情報一覧図の写しは、相続登記の申請手続きをはじめ、被相続人名義の預金の払戻しなど、様々な相続手続きに利用されることで、相続手続きに係る相続人・手続きの担当部署双方の負担の軽減が期待されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月1日現在の情報に基づいて記載しております。
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2017年7月21日金曜日

高齢者ドライバーの交通安全対策強化 道路交通法の改正

◆高齢の運転者を雇用している場合の注意

 この3月に改正道路交通法が施行されました。

 高齢運転者の交通安全対策が強化され、会社の業務で車を運転する高齢従業員や通勤で車を利用する高齢従業員がいる場合は、会社として知っておきたい内容と思われます。

 高齢運転者(70歳以上)の運転免許更新期間が満了する日における年齢が75歳未満の方は高齢者講習の合理化が図られ、3時間講習は2時間となりました。

 しかし、75歳以上の方に行われる認知機能検査の結果に基づいて「認知機能が低下している恐れがある方」や「認知症の恐れがある方」は、より高度化又は合理化が図られた講習になりました。

 適性検査と講義、実車指導で2時間であったものは個別指導60分が加わり3時間とされました。

◆各種制度の新設

 75歳以上で運転免許証を持っている方が「認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為」をした場合、臨時に認知機能検査を受ける事になりました。

 信号無視や横断歩道等における歩行者妨害、徐行場所違反等18の違反行為が対象です。

 臨時認知機能検査は原則、配達証明による通知を受けた日の翌日から1ヶ月以内に受検します。

 検査の結果「認知機能が低下している恐れがある」と判断された時は臨時高齢者講習(実車指導60分、個別指導60分)を受ける事となります。

 臨時認知機能検査や臨時高齢者講習は認知機能が低下している場合に行われやすい一定の行為(18の違反行為)を行った時に受けないと免許が停止となります。

◆臨時適性検査制度の見直し

 免許証の更新時及び臨時の認知機能検査等で「認知症の恐れがある」と判断された方は臨時の適性検査を受けるか認知症に関して専門的な知識を有する医師等の診断書の提出が必要になります。

 認知症の判断が下された時は免許取り消し又は停止となります。

 高齢運転者従業員の免許更新時には確認をしてみると良いかもしれません。



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2017年7月20日木曜日

残業時間上限規制と休日出勤

◆予定される上限時間

 先に政府から発表された働き方改革の一環として「時間外労働の上限規制」が注目を集めています。

 現在は時間外労働協定届の「特別条項付き三六協定」を労使間で締結する事で、繁忙期に上限の無い残業をさせる事も可能です。

 上限規制の改革案では「たとえ労使協定を締結していても残業時間は年間720時間を上回る事ができない」とされ、但し繁忙期には月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以下の上限時間が設けられる事となりそうです。

◆残業の時間規制から外れる?休日出勤

 上記の時間外労働の上限720時間には抜け道があると指摘されています。

 それは休日に働いた時間はこの上限時間には含まれないという事です。

 未定の部分もありますが休日出勤の労働時間規制は企業努力とされる事もありそうです。

 その場合平日の就業時間内に業務を終えなかった従業員が自主的に休日出勤をするかもしれません。

◆休日出勤させないような取り組み

 会社が命じていない休日に勝手に出勤した人が1週に1日又は4週に4日以上の休日を取らないと過労のリスクも高まります。

 トラブルが発生してから「従業員が勝手に休日出勤していた」と言ったところで会社が黙認していたとみなされる事もあります。

 このような事が起きないように事前申請を出させる許可制にしたり、振替え休日を決めておく等、労務管理には気をつけたいものです。

 上司の命令を無視して休日出勤を繰り返すならば、人事考課などでも厳しく対処する位の事が必要なのかもしれません。

◆長時間労働の指摘は避けたい

 労働基準監督署の労働時間調査は最近は小規模な事業所であっても入る事があります。

 是正が必要と指摘されれば働き方や賃金の支払い方の見直しをせざるを得ません。

 是正をしない場合は公共事業の入札でも不利になりますし、万一インターネット上で悪い評判がたったりしたら企業イメージが損なわれてしまう事があるかもしれません。

 採用活動にも影響が出てきます。

 むしろインターネットでは積極的な労働時間管理の取り組みを行っている企業であることをアピールする場として取り組む事が採用にもプラスになるでしょう。


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2017年7月19日水曜日

個人の申告所得40兆円超え

 国税庁が公表した2016年分の所得税や贈与税の申告状況によると、所得税を納めた個人が申告した所得の合計額は40兆円を超え、08年のリーマンショック発生以降で最高を記録しました。

 また土地などの譲渡所得も前年より1割増え、全国の地価が上昇傾向にある状況を反映した結果となりました。

 16年分の所得税の確定申告書を出した人は2169万人で、前年から約18万人増えました。

 そのうち、所得税の納税額のある人は637万人。

 特筆すべきは所得金額で、申告納税額のあった637万人の所得を合わせると40兆572億円となり、リーマンショックのあった08年(39兆5940億円)以降で最高を記録しました。

 円安株高基調のなかで富裕層を中心とする個人所得が増加してきたことが、その背景にあると見られます。

 納税額は前年比3.1%増の3兆621億円でした。

 特に著しい伸びを見せたのが、土地や建物の譲渡所得。49万5千人に譲渡所得があり、所得の合計額は4兆4652億円でした。

 前年から1割伸び、7年連続で増え続けていることになります。

 一方で申告人員は前年比1.2%と微増にとどまっていることから、不動産価格の高騰がそのまま譲渡所得の増加に結びついている状況ということでしょう。

 土地の譲渡所得が伸びる一方で、株式の譲渡所得は所得のあった人が前年比36.3%減と大きく落ち込みました。

 昨年初頭の中国市場の混乱から、英国のユーロ離脱、米のトランプ大統領誕生など、株価を混乱させる出来事が多かったことが反映したと見られます。

 翌年以降へ譲渡損失を繰り越した人も前年から3割以上増えました。

 一方、所得のあった1人当たりの金額は前年比49.7%増と大幅に増えていることから、株式市場では少数の「勝ち組」がさらに富を増やした1年だったと言えそうです。


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2017年7月18日火曜日

改正個人情報保護法がいよいよ全面施行

 個人情報保護法の改正法が5月30日に全面施行されました。

 これまで5千件超の個人情報を扱う事業者のみとしていた要件が撤廃され、1件でも顧客情報を預かる事業者はすべて対象となります。

 取得や管理に厳格なルールが適用され、悪質な違反には罰則も用意されているため、内容を必ず把握しておかなければなりません。

 改正法では、個人情報の定義が改めて明確化されました。

 改正前は単体では個人情報に該当していなかった、指紋や顔写真、パスポート番号、年金番号、免許証番号、保険証などが、今後は単独でも個人情報とみなされます。

 それだけではなく、「氏名のみ」であっても、特定の個人を識別できる個人情報に当たるそうです。

 取得に当たっては、個人情報を何の目的で利用するのかを伝えなければなりません。

 そして取得した情報の利用は、取得時に伝えた目的の範囲内に限られます。

 別目的で利用したい時や、データを第三者に提供する際には、その都度、必ず別途同意を得ることが義務となりました。

 同意を得たとしても、当初の利用目的のため以外に第三者に名簿を提供する時や、自分が名簿業者からダイレクトメール用の名簿データを買う時には、提供先、提供元、提供経緯などを記録保存することが必須です。

 これらの義務に違反し、国からの命令にも従わなかった時は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。

 個々の社内での情報管理体制については、扱う情報が5千件以下で従業員100人以下の中小企業は、事業規模や扱う情報量によって柔軟な体制を整えることが認められています。

 改正法では個人情報の不正利用目的での盗用に対して「個人情報データベース等提供罪」が新設され、データを盗み出した従業員本人だけでなく所属する企業に対しても罰金を科すという両罰規定が設けられました。

 不心得者の社員にデータを盗まれると、被害者であるにもかかわらず、流出に対する責任も負わされるということになります。


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2017年7月17日月曜日

所得税申告でマイナンバーの記載83%

 今年申告分の所得税の確定申告書にマイナンバーを記載した割合は全国平均で83%にとどまったことが国税庁の発表で明らかになりました。

 平成28年分の確定申告からマイナンバーの記載が必要になることにつき同庁は周知活動を続けていましたが、そのアピールは思いのほか納税者に届かなかったようです。

 所得税の申告件数2153万1751件のうち、マイナンバーの記載があったのは1785万1243件。

 最も高い割合だったのは金沢国税局の87%で、最も低い沖縄国税事務所の66%と20ポイント以上の差がつきました。

 沖縄以外に記載率が80%を切ったのは、仙台国税局(78%)と熊本国税局(78%)の2カ所です。

 マイナンバーをめぐっては、事業者に送られる住民税の特別徴収通知書にマイナンバーを記載しない決定をする自治体が全国で相次いでいることから、高市早苗総務相が記載を呼び掛けるなど、地方と中央の間にも認識に大きなズレがあることが顕著になっています。

 法律で義務化して、莫大な宣伝費を注ぎ込んだにもかかわらず、確定申告書への記入の〝義務〟を守った人が8割にとどまりました。


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2017年7月14日金曜日

2017年度税制改正:地域未来投資促進税制が創設!

 2017年度税制改正において、「地域中核企業向け設備投資促進税制(地域未来投資促進税制)」の創設が盛り込まれました。

 同税制は、企業立地促進法の改正を前提に、新たに制定される地域未来投資促進法で規定する同意地域中核事業促進地域内において、対象となる機械装置や器具備品、建物等を取得等し、一定の事業の用に供した場合、特別償却又は税額控除が選択適用できます。

 同法は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、地域経済を牽引する事業(以下:地域経済牽引事業)を促進し、地域の成長発展の基盤強化を図るため、事業者等が作成する当該事業に係る計画を承認し、計画に係る事業を支援します。

 国が定めた基本方針に基づいて市町村及び都道府県が共同で、地域経済牽引事業の促進に関する基本計画を作成して国が同意し、地域経済牽引事業を行おうとする事業者等がこの基本計画に基づき、地域経済牽引事業計画を作成して都道府県等の承認を受けた場合、承認された事業計画に対する設備投資に対する税制措置や財政・金融面の支援措置、規制の特例措置等が受けられます。

 設備投資に対する税制支援措置は、青色申告法人が同事業計画に基づき、特定地域中核事業等を新設し、同施設等を構成する機械装置、器具備品、その他附属設備並びに構築物を取得し、事業の用に供した場合は、取得価額100億円を限度に機械装置・器具備品について40%(建物等・構築物は20%)の特別償却又は4%(同2%)の税額控除が選択適用できます。

 また、固定資産税等を減免した地方公共団体には減収が補てんされ、地域経済牽引事業に対する補助など財政面の支援があります。

 そして、地方創生推進交付金を活用して地域未来投資促進法の承認を受けた計画には、内閣府と連携して重点的に支援されます。

 その他、リスクマネーの供給促進など金融面の支援措置、幅広い規制改革ニーズへの迅速な対応や、農地転用許可、市街化調整区域の開発許可等に係る配慮といった規制の特例措置など幅広く支援されることになりましたので、該当されます方は、ご確認ください。

 (注意)
 上記の記載内容は、平成29年6月1日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年7月13日木曜日

不動産の附合

◆不動産の附合
 民法の第242条に不動産の附合と言う規定があります。

 「不動産の所有者は其不動産の従として之に附合したる物の所有権を取得す。」と言うものです。

 何やらわかりにくいので、事例で示すと、建物を増築した場合、だれが増築しようとその増築部分は、当初の建物の所有者のものですよ、と言うことです。

◆親子では良くある話
 他人名義の建物に金を払って増築する人がいるのかと思われるでしょうが、それが時々いるのです。

 父親所有の家屋の増改築資金を子供が負担することはよくある話です。

 例としては、高齢などの理由で父親が増改築資金のローンを組めない場合(子供がローンを組むのも子供が資金を出したことになります。)や、一人前になった子供が二世帯向けにするためなどに自分で資金を用意して、増改築をするような場合です。

◆贈与税がかかってきます
 この場合父親所有の家屋に子供が費用を負担して増築したとしても、増築部分の所有権登記を子供の名前ですることはできません。

 つまり増築部分も以前の所有者である父親の所有とされてしまうのです。

 これが「不動産の附合」です。

 よって家屋の所有者は父親で増築資金を出したのが子供であれば、父親は増築部分を子供から贈与を受けたことになります。

 増築家屋という利益を手にした父親から贈与税を頂きます、というのが税務の考え方です。(この場合「贈与の意思の有無」は一切関係ありません。)

◆対策は次のどちらかで
 贈与税がかからない為の方法は次の二つのどちらかです。(勿論ケースバイケースで、どちらの方法が良いとは言えません。)

方法①:増築前の家屋を父から子供が贈与を受けて、その後に増築する方法

方法②:増築前の家屋の評価額と増築費用の合計額に占めるそれぞれの割合に基づいて、父と子供の共有持分登記をする方法。

 贈与税を払わないと言うだけなら②ですが、この際子供の名義にした方が良いと言うような場合などは①とすることも良いと思います。


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2017年7月12日水曜日

請負と委任

◆請負契約とは
 請負は、大工が家を建てる場合や、クリーニング店が洗濯をする場合などの契約をいい、請負人が注文者の指揮・命令を受けることなく自らの判断で仕事をする契約をいいます。

 結果を出さなければ報酬をもらうことができず、仕事を完成させて初めて報酬を請求することができます。

◆委任契約とは
 委任は、弁護士に依頼する場合や、医者の診療の場合などの契約をいいます。

 委任では、依頼された事務を処理することが目的であり、必ずしも結果を出すことは求められていません。

 したがって、結果を出さなくても報酬を受けることができます。

◆責任が違います
 請負契約の最大の特徴は、「仕事の完成」という「結果」に対する責任を負う点です。

 ですから、受注者は結果責任を問われます。

 また、完成した仕事については、当然ながらミスがあってはなりません。

 仕事にミスがあった場合、受注者は、そのミスを補修したり、損害の賠償をしたりしなければなりません。

 このような責任を、「瑕疵担保責任」といいます。

 一方、委任契約では、「法律行為」や「法律行為でない事務」のような、一定の行為について責任を負う点です。

 ですから、受託者側の地位、職業などに応じて、客観的に期待・要求されるレベルの責任を果たすべき義務を負うということです。

 このような責任を「善良な管理者の注意義務」(一般的には「善管注意義務」)といいます。

◆印紙税の取り扱いも違います
 印紙税法上 請負契約は課税文書となり、印紙の貼付が必要となりますが、委任契約は非課税文書となり印紙の貼付は不要です。

 「業務委託契約書」という名称の契約書はよく見かけますが、内容が請負か委任かによって印紙の貼付の要・不要が分かれます。

 見極める大きなポイントは、成果物の引渡しがあるかないかです。

 迷った時はご相談ください。

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2017年7月11日火曜日

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置に関するQ&Aを更新!

 文部科学省(以下:文科省)は、教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置に関するQ&Aを更新しました。

 そもそも教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置とは、2013年4月1日から2019年3月31日までの間に、両親や祖父母から30歳未満の子や孫(受贈者)に教育資金を一括贈与する場合、子や孫ごとに1,500万円までを非課税とする制度です。

 贈与された資金は、金融機関において子や孫名義の口座で管理し、この資金が教育費に使われることを金融機関が領収書等により確認・記録し、保存します。

 2017年度税制改正では、同制度を適用する際に金融機関に提出する領収書等について、2017年6月1日以降提出分から、書面に代えて電磁的記録での提供が可能となり、これを受けて文科省は同Q&Aを更新し、Q&A(Q5-16)では、これまで書面(原則として原本)にて金融機関等に提出していた領収書等について、インターネットを利用した領収書等の提出方法を示しております。

 例えば、携帯電話のカメラ等で撮影された領収書データ (JPEG等の画像データ)を送信する方法、インターネット上で発行された領収書データ (PDFファイル等)を送信する方法、紙で発行された領収書等をスキャンしてPDFファイル化したものを送信する方法などでも提出できるとしております。

 ただし、インターネット等を利用した方法により領収書等を提出した場合は、発行された紙媒体の領収書等に代えて提出するものであることから、例えば、領収書データを提出した後、紙媒体での領収書でも提出するなど、同一の領収書をデータ、紙媒体両方で提出することはできず、二重に提出をして払戻しを受けた場合には、その支払分は非課税の対象外となるとしております。

 また、提出された電磁的記録が不鮮明で内容が読み取れない場合や、内容の補足を求める場合などは、紙媒体の領収書等が必要になる場合があると注意喚起しておりますので、該当されます方は、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年5月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年7月10日月曜日

消費税 住宅の家賃収入でも課税?

◆ウィークリーマンションは?

 住宅の家賃収入には消費税はかからないと言うことはよく知られております。

 敷金・権利金を取って住宅を貸し収入を得るのが一般的な貸家経営ですが、昨今ではマンスリーマンションや、ウィークリーマンション等敷金も権利金も取らずに、更にホテル並みの設備を揃えて住宅を貸している場合もあります。

 そうなると、不動産賃貸業とホテル旅館業の線引きを何処にするのかと言った問題が出てきます。

 現在の税法では、当初の契約貸付期間が1ヶ月以上のものをマンスリーとし、不動産貸付業に含め、1ヶ月未満のものをウィークリーとしホテル旅館業と同様の扱いと考える、期間的割り切りをしています。

 ですから住宅の家賃収入でも、マンスリィーは消費税非課税、ウィークリィーは消費税課税と言うことになります。

◆一括借上げのマンションは?

 住宅の貸付と言うと、個人に対してと思われますが、マンションなどの住宅を会社の寮として貸す場合や、不動産管理会社などに一括で借り上げてもらっている場合の家賃収入は、同じ住宅の家賃収入ですが注意が必要です。

 消費税法では非課税の要件として、「契約において、人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」とありますから、会社の寮に貸す場合などは、寮としての使用を契約時に明確に謳っておく必要があります。

 また不動産管理会社への一括貸付けの場合には、貸付け時に転貸は居住用に限るとしておかないと、借り上げた不動産管理会社が、どのような用途に貸しても良いような契約では、条文の要件を満たさないこととなり消費税が課税されてしまいます。

◆どちらが得か?

 消費税が課税されると損かというと、家賃に消費税を上乗せできるのであれば、消費税が課税された方が得です。

 なぜならば、修繕費や管理費等には消費税が課税されており、その支払った消費税は、非課税事業者では控除できないからです。




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2017年7月7日金曜日

NPO法の改正と公告

◆NPO法人と資産総額の変更登記

 特定非営利活動法人(以下、NPO法人)では、法人の設立時から「資産の総額」というものが登記されています。

 「資産の総額」というとあまり馴染みがないかもしれませんが、資産合計から負債合計を差し引いた正味財産のことを指します。

 つまり正味財産は基本的に事業年度ごとに変更されるため、NPO法人では毎年この「資産の総額」の変更登記を行うことになっていました。

◆NPO法の改正で貸借対照表の公告が義務に

 しかし、平成28年6月7日に特定非営利活動促進法(以下、NPO法)が一部改正され、法人の事務負担軽減を目的とし、現在、この変更登記制度について削除する方向で整備が進められています。

 その一方で、定款で定める公告方法に基づき、貸借対照表の公告を行うことが義務付けられることになりました。

 公告の方法についてはいくつか手段がありますが、現状では多くの法人で「この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う」とする方法が採用されています。

 この場合、そのままにしておくと決算の都度、法人の掲示場に加え、「官報」という政府機関紙に貸借対照表を掲載しなければならず、掲載料として毎年7~8万円程コストがかかることになります。

◆NPO法人は定款で公告方法の確認を

 NPO法人に携わっている皆様は、一度法人の定款で公告方法を確認してみましょう。

 貸借対照表の公告方法は「①官報」の他、「②日刊新聞紙」、内閣府のポータルサイトや法人のホームページなどインターネットを利用した「③電子公告」、「④法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所への掲示」から選択できます。

 尚、貸借対照表の公告に関する規定の施行日については、改正NPO法公布の日から起算して2年6月以内において、政令で定める日とし、平成30年10月1日が施行の目処とされています。

 現行の定款から公告方法を変更する場合は、管轄する都道府県への届出が必要になりますので、今のうちに法人が対応しやすい公告方法を検討することをお勧めします。


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2017年7月6日木曜日

改正民法成立で債権ルール見直し

 民法の改正法が参院本会議で賛成多数で可決され、成立しました。

 インターネット取引の普及など時代の変化に応じて、債権ルールや消費者保護など多くの面で、抜本的な見直しが図られています。

 改正法は公布から3年以内に施行されることになります。

 今回の改正の柱は、未払金の返還請求期間である「消滅時効」の120年ぶりの見直しです。

 消滅時効とは、一定期間の経過により、債権などの財産権が消滅する制度のことで、現行制度では、「権利行使できる時から10年間」という原則に加えて、職種別に1~3年の短期消滅時効が設けられています。

 改正民法では、職種別の短期消滅時効が廃止され、支払いを請求できる期間は、①請求権があると知ったときから5年、②知らなかったときは請求できるようになってから10年――と二種類に簡略化されました。

 インターネット通販や保険などで、たとえ消費者が約款に同意していても、その内容が利用者に一方的に不利益になるようであれば契約は無効とするよう改められます。

 また契約後に事業者の判断で約款を変更できるのは、消費者の利益になる場合に限るとの内容も盛り込まれました。

 その他、商品に瑕疵があれば契約解除や賠償請求が認められ、認知症患者との契約を無効とすることとなりました。

 当事者同士で利息について取り決めをしていない貸し借りに使われる「法定利率」が5%から3%に引き下げられ、市場の金利に合わせて3年ごとに見直す変動制になります。

 史上まれにみる低金利が続いている状況に合わせたものです。

 賃貸住宅の敷金返還のルールも変わり、借り手の故意や過失でできた傷や汚れなどの分を除いて、敷金は原則として返されることになりました。

 敷金をめぐるルールは地域や業者によって大きく異なりますが、今後は新ルールに基づき、「一カ月分は償還」などと無条件で定めた契約は無効になる可能性があることを認識しておかねばならないでしょう。



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2017年7月5日水曜日

欠損金の繰越控除制度の確認!

 欠損金の繰越控除制度とは、確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前9年以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、翌事業年度に繰り越し、その各事業年度の所得金額に一定の割合を乗じた金額を損金に算入できるという制度です。

 2015年度税制改正では、中小法人等以外の大法人(資本金1億円超の普通法人等)の控除限度額の段階的な引下げや、新設法人の特例などが設けられました。

 中小法人等以外の大法人については、2015年4月1日以後の事業年度開始の日に応じて、所得金額の50%から65%まで控除制限が設けられました。

 一方、中小法人等(資本金1億円以下の普通法人や公益法人・協同組合等)については、所得金額の全額を上限に損金算入でき、同改正において、新設法人についても、設立の日から7年を経過する日までの期間内に属する各事業年度については、中小法人と同様に、所得金額の全額が控除限度額とされております。

 つまり、新設法人に対する特例については、資本金基準が設けられていないため、大法人でも適用可能となります。

 なお、新設法人とは、中小法人等以外の法人のうち、資本金5億円以上の大法人の100%子会社等でない法人が該当します。

 ここで、例えば資本金10億円の大法人に完全支配されている新設法人は、上記の要件に該当してしまうため、新設法人の特例対象にはなりません。

 しかし、資本金3億円の法人に完全支配されている新設法人については、その新設法人の資本金が5億円超の大法人であっても、特例対象となります。

 ただし、特例対象となった大法人が上場した場合には、上場日以後に終了する事業年度では新設法人の特例は適用できず、控除制限が適用されることになりますので、該当されます方は、ご注意ください。

 なお、2016年度税制改正により、2018年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年(現行9年)とされます。

 これに伴い、欠損金の繰越控除制度の適用に係る帳簿書類の保存期間や、法人税の欠損金額に係る更正の期間制限なども10年に延長されますので、あわせてご注意ください。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年5月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年7月4日火曜日

どっちがお得?医療費控除とOTC医療費控除

◆今年から適用されるOTC医薬品の控除

 今年度から適用される「スイッチOTC医薬品に関する医療費控除の特例」、いわゆるセルフメディケーション税制という言葉をもう目にした耳にした、という方が多いとは思います。

 市販されている中で「スイッチOTC医薬品」に該当する医薬品を年間1万2千円以上購入している場合、最大10万円までの範囲で所得控除が受けられる制度です。

 つまり、最大8万8千円所得控除が受けられる医療費控除のミニ版です。

◆医薬品は通常の医療費控除にも適用される

 今までも薬局やドラッグストアで市販されている薬の中で「治療や療養に必要なものであって、かつその病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」であれば、医療費控除の対象にはなっていました。

 つまり、市販薬でも通常の医療費控除に該当するケースは多く存在します。

 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用ができません。

 新設に伴って、「医療費控除で申告した場合」と、「特例を利用した場合」、どちらがお得かを判断しなければいけないパターンがあるので、注意が必要です。

①年間の医療費(医者にかかったお金)が9万円で、OTC医薬品が4万円だった場合
 医療費控除:(9万+4万)-10万=3万円
 医療費控除特例:4万-1.2万=2万8千円
この場合は通常の医療費控除がお得です。

②医療費が6万円で、OTC医薬品が7万円だった場合
 医療費控除:(6万+7万)-10万=3万円
 医療費控除特例:7万-1.2万=5万8千円
この場合は医療費控除の特例がお得です。

◆確定申告には添付書類が必須です

 セルフメディケーション税制は「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人」が対象となっているので、確定申告時に年内に健康診断や予防接種等を受けて健康に留意している証明が必要です。

 会社主導の健診・個人で受診したもの、どちらでも問いませんので、今年受けた健診や予防接種の証明は取っておくように心がけておきましょう。


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2017年7月3日月曜日

修繕費計上で国税当局が誤り指摘

 農業用機械メーカーの大手会社が国税局の調査を受け、一昨年までの2期について10億3千万円の申告漏れを指摘されたことがわかりました。

 このうち2億4千万円は所得隠しと判断され、重加算税含む追徴税額4億2千万円が課されています。

 国税当局が指摘したのは、同社が一括損金になる「修繕費」と計上して所得から控除した支出は、税務上で一括損金にできない「資本的支出」に当たるという点です。

 また同時期に、高速道路会社が約5億1千万円の申告漏れを国税局に指摘されています。

 こちらも修繕費と計上したものが資本的支出であると当局に指摘されました。

 建物や機械装置の修理・改良にかかった費用が修繕費と資本的支出のいずれであるかの判定は、国税当局と争いになりやすい永遠のテーマなのです。

 修繕費とは固定資産の維持管理や破損部分の回復のための費用で、支出した年の損金に算入します。

 一方の資本的支出は、耐用性の向上や価値の増加など新たな機能を加える費用を指し、一括損金にできず資産として減価償却していかなければならず、会社の財務戦略に大きな影響を与えます。

 企業にとっては、修繕費として申告したものが否認されると、支出年度に一括して計上できるはずだった多額の損金がなくなるだけでなく、その分は「申告漏れ」として無申告加算税などの本来不要の税負担まで発生してしまいます。

 農業用機械メーカーの大手会社のように4億円とまではいかなくても、会社の屋台骨を揺るがすレベルの損失なることは十分に想定できます。

 財務体力に乏しい中小企業にとっては死活問題といっても過言ではありません。



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2017年6月30日金曜日

法定相続情報証明制度がスタート

 相続人全員の氏名や本籍などの戸籍情報をまとめた文書を相続手続きの証明書として利用する「法定相続情報証明制度」が5月29日にスタートしました。

 この制度で相続人の手続きが簡素化することにより、相続登記をする人が増えて自治体による所有者把握が進み、固定資産税の徴収や公共工事がスムーズになることを国や自治体は期待しています。

 不動産の登記名義人だった人が死亡した際は、一般的に財産を受け取った人が所有権の移転登記をするものとされています。

 しかし登記は任意であり、仮に手続きをしなくても罰則があるわけではありません。

 そのため、特に資産価値が低い不動産を相続した人は面倒な相続登記をせず、被相続人名義のまま放置することがあります。

 そうなると、国や自治体は本来の所有者を把握できず、老朽化したまま放置された空き家の処理ができなかったり、固定資産税を徴収できなかったりといった支障が生じることになります。

 相続登記しない相続人がいることを受けて、法務省がスタートさせるのが「法定相続情報証明制度」です。

 相続の手続きを簡素化することで相続登記を後押しする狙いがあります。

 親族が死亡すると、相続人は相続税の申告、不動産登記の変更、銀行口座の解約などの手続きのため、被相続人の出生から死亡までの戸籍や相続人全員の戸籍など大量の戸籍書類一式を何セットもそろえなければなりません。

 新制度ではこれらの情報を1通の証明書にまとめ、手続きを簡素化します。

 当面は不動産登記の手続きのみでの利用が可能となるようですが、すでにいくつかの金融機関では、被相続人の銀行口座の解約にも利用できるよう対応を始めているとのことです。


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2017年6月29日木曜日

申告等の期限延長制度に新たな延長手続きを導入!

2017年度税制改正

 2017年度税制改正において、東日本大震災のような災害等をはじめ、その他やむを得ない理由によって、国税関係の法律にもとづく申告・申請・請求・届出その他書類の提出又は納付などが期限までにできないと認められるときは、その期限を延長することができる「災害等による申告等の期限延長制度における延長手続き」の拡充措置が盛り込まれました。

 これまでの災害等による期限延長制度には、「地域指定による期限の延長」と「個別指定による期限の延長」の2種類があります。

 「地域指定による期限の延長」とは、国税庁長官が告示によって、地域及び期日を指定して行うもので、指定された地域内に納税地がある納税者については、期限延長の申請手続きを特別にすることなく、申告、納付等の期限が延長されます。

 なお、地域及び期日の指定は、指定され次第、官報に掲載され、地域指定による期限の延長は、指定地域内に納税地がある納税者に限られます。

 したがいまして、指定地域内に事業所等を有する納税者であっても、その納税地が指定地域外の地域にある場合には、申告等の期限は延長されませんので、ご注意ください。

 この場合には、納税者が所轄税務署長に申請することによって、申告や納付等の期限延長の適用が受けられる「個別指定による期限の延長」があり、申告等ができない理由のやんだ日から2ヵ月以内に限り、申告等の期限が延長されます。

 同改正においては、災害等のやむを得ない理由により、多数の納税者が期限までに申告等ができないと国税庁長官が認める場合には、告示によって、その対象者の範囲と期日を指定して、申告等の期限を延長することができる措置が追加されます。

 これによって、災害だけではなく、例えば、確定申告期限の迫った時に、e-Taxのシステム障害などにより、利用できなくなった場合なども、納税者自らが申請しなくても、申告等期限の延長が行われるようになります。

 上記は、2017年4月1日以後に生ずる災害等のやむを得ない理由について適用されております。

 
(注意)

 上記の記載内容は、平成29年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。




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2017年6月28日水曜日

厚生労働省:セルフメディケーション税制Q&AをHPで公表!

 すでに2017年1月から始まっております新医療費控除(セルフメディケーション税制)は、2021年12月31日までの5年間の時限措置であること、

 自分や生計を一にする家族が「スイッチOTC薬」を購入した場合、年間1万2千円を超える部分の金額(8万8千円を限度)について総所得金額等から控除できること、現行の医療費控除との選択適用であることはご存知の方も多いかと思います。

 なお、対象医薬品を通信販売などで購入する場合は、支払日が2017年1月1日以降であれば対象となります。

 セルフメディケーション税制の創設を求めた厚生労働省は、同税制について一般の納税者をはじめ、製薬会社や小売店などから寄せられた質問などについてHP上で、「セルフメディケーション税制Q&A」と題してその回答と合わせて掲載しております。

 それによりますと、同Q&Aに、「通信販売等で対象医薬品を購入した場合、自宅のプリンタで出力した領収書等を証明書類として確定申告で使えるのか」というものがあがっております。

 近年、医薬品の通信販売もたいへん活発になっており、その購入額も年々、増加傾向にある模様です。

 しかし、このインターネットによる医薬品の購入では、宅配便などで配送される医薬品とともに注文書や納品書は入っているものの、領収書などの証明書類が入っていない場合も多くみられております。

 この場合、インターネットのやり取りの際に送られてきた領収書などをプリントアウトして、証明書類として使っても問題なさそうに思われますが、厚生労働省では、「自宅のプリンタ等で出力した領収書等は証明書類の原本として認められないため、確定申告に用いることはできない」と回答しておりますので、該当されます方は、ご注意ください。

 したがいまして、セルフメディケーション税制で医療費控除を受けるためには、通信販売等の会社に対して、あらためて証明書類の発行を依頼する必要がございますので、あわせてご注意ください。

 詳しくは、同HPをご参照ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年6月27日火曜日

医療費の立て替え払い

◆療養費の払い戻し請求

 健康保険ではやむを得ない事由等で保険診療の療養の給付(治療等)を受けられなかった場合、後から療養費の請求ができます。

 健康保険では私傷病で治療を受ける場合、医療機関の窓口に健康保険の被保険者証を提示して自己負担の3割分を支払う事で医療サービス分7割を現物給付で受けるのが原則となっています。

 やむを得ない事由により全額自己負担で受診した場合はその保険診療費用について療養費の請求ができます。


◆保険診療が困難な時とは

 次の様な時には医療費の全額を支払い、後から保険者(協会けんぽや健康保険組合、国民健康保険)に請求します。

(1)事業主が行う社会保険の取得手続き中に医療機関にかかり被保険者証が未発効の為窓口に提示できなかった時

(2)療養の為医師の指示により義手、義足、義眼、コルセットの装着をした時

(3)生血液の輸血を受けた時

(4)柔道整復師等から施術を受けた時 等

◆国民健康保険加入者が社保加入した時の例

 例えば就職前に国民健康保険に加入していた人が企業に就職し入社した時、社会保険加入の手続きをします。

 しかしまだ本人の手元には健康保険被保険者証が届いていなかった場合に、医療機関にかかり前の国民健康保険の被保険者証で受診してしまった場合の取り扱いは次の様になります。

(1)入社して加入する協会けんぽ又は健康保険組合の被保険者証が届いたら市区町村役場で国民健康保険の資格喪失手続をします。

(2)資格喪失後3ヶ月くらいで国民健康保険の保険給付費の返還を求める通知が本人に届きます。

 国民健康保険の医療費の請求書の額(7割負担分)が知らされます。

 医療費請求書の通信欄には診療報酬明細書を希望するとしておきます。

 送付された通知書兼領収証を持って金融機関で支払いし領収証原本は後から使用するので取っておきます。

(3)半月くらいで診療報酬明細書(写)が届きます。

 療養費支給申請書と先の領収書と明細書を新しく加入した協会けんぽ又は健康保険組合に提出します。

 通常本人に医療費が戻るのはそこから1月くらいはかかります。


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2017年6月26日月曜日

「働き方改革実行計画」とは

 この度、政府は働き方の見直しを進める「働き方改革実行計画案」を公表しました。

 長時間労働を罰則付きで規制する事や同一労働同一賃金等の導入が盛り込まれています。

 政府は今年の国会に関連法の政府案を提出し2019年からの実現を目指しています。

 その概要を見てみます。



◆9分野で改革の方向性を明示

(1)非正規雇用の処遇改善……同一労働同一賃金を導入、非正規雇用労働者の正社員化等キャリアアップの推進

(2)賃金引き上げと労働生産性向上……最低賃金を年率3%程度引き上げ時給1000円に。賃上げしやすい生産性向上支援等

(3)長時間労働の是正……罰則付きの残業上限を設定、インターバル規制の導入、健康で働きやすい職場環境作り

(4)柔軟な働き方がしやすい環境整備、雇用型、非雇用型テレワークの拡大、兼業、副業の推進

(5)子育て、介護等と仕事の両立、障害者就業支援……病気治療、介護、子育てと仕事の両立支援

(6)外国人材の受け入れ……外国人受け入れの環境整備を政府横断で総合的に検討

(7)女性と若者の活躍……学び直しの機会拡大、パートタイマーが就業調整を意識しない環境整備、正社員女性の復職支援

(8)就職、再就職支援……転職者受け入れ企業の支援と職業能力、職場情報の見える化

(9)高齢者の就業促進……65歳以上の継続雇用や定年延長の支援と高齢者のマッチング支援



◆実行計画の柱

 実行計画は多岐にわたっていますが、討議で重要とされたのは非正規労働者の処遇改善や長時間労働是正の事項。長時間労働の是正では残業時間は「原則が月45時間、年間で360時間」、これは今まで通りですが労使協定でも年間720時間までとし、忙しい月は100時間未満までを容認すると言う方針を出しています。

 実際にこの計画を実行してゆくには具体的な方策が必要ですが19項目からなる対応策が示されています。

 一億総活躍の横断的課題と位置づけられ、平成29年度から平成38年度の10年間で実行するとしています。



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2017年6月23日金曜日

京都市が観光客に「宿泊税」検討

 京都市の有識者委員会はこのほど、市内の宿泊施設の利用者へ「宿泊税」を課税する答申案をまとめました。

 8月に京都市長に答申する方針。

 税収を渋滞緩和や観光振興に活用する考えです。ホテルや旅館だけでなく、近年急速に増えつつある「民泊」も対象とするとのことです。

 税額は明らかにされていませんが、宿泊料金に応じて高くなっていく仕組みと想定されています。

 先に宿泊税を導入した大阪府では、食事代などを除いた1人1泊の宿泊料金が1万円以上のときに100円、1万5千円以上なら200円、2万円以上なら300円の3段階の税率を宿泊客に課しています。

 宿泊税の導入は東京都、大阪府に続き全国3例目。

 京都市は、アメリカの大手旅行雑誌が毎年発表する世界の人気都市ランキングでも2014~15年に連続して一位を取っている人気都市なだけに、相当な税収を見込めそうです。

 仮に一人一泊100円を課税したとしても、東京都が課している宿泊税と同規模の年間20億円の税収を見込めるそうです。

 安倍政権が観光立国を標榜し、訪日客が東京五輪に向けて年々増加している状況のなか、日本を代表する観光都市である京都が宿泊税を導入することで、同様の動きが一気に全国に広まる可能性もあります。


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2017年6月22日木曜日

税理士のうっかりミスが多発

 税の専門家である税理士でもミスを犯す恐れがあることを前提に、顧客から訴えられたときの賠償分の一部をカバーする「税理士職業賠償責任保険」(税賠保険)があります。

 日本税理士会連合会(日税連)は毎年、税賠保険による補償を税理士が申請した事例を紹介し、同様のミスが起こらないように注意喚起しています。

 税理士の失敗を反面教師にして、自社のミスで税金を過大に納付することのないようにしたいところです。

 不動産業を営んでいるA社は、翌年度に多額の設備投資をすることを税理士に伝えました。

 同社は消費税の計算について、業種ごとに定められた「みなし仕入率」と課税売上高を使って仕入分の消費税を計算し、売上分の消費税から差し引く「簡易課税方式」を選択していましたが、設備投資などで仕入れの額が大きい年度は売上分の消費税額から実際の仕入分の消費税額を差し引く「原則課税方式」の方が〝お得〟であり、年度開始前に「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して原則課税方式に切り替える必要がありました。

 しかし税理士が届出を失念してしまい、本来であれば納める必要のない税額を支払うはめになってしまいました。

 ふるさと納税で〝損〟をしてしまった人もいます。

 ふるさと納税は、自治体に寄付をすることにより、住んでいる場所で納める所得税や住民税で控除を受けられる制度で、思い入れのある土地を応援できることに加えて、寄付に対して自治体から贈られる返礼品の豊富さが人気を集めています。

 Bさんは自己負担額2千円を除いた全額が所得税や住民税から控除される上限につき、税理士から上限を250万円と聞かされ、その範囲で寄付をして返礼品を受け取りました。

 しかし、本来の上限はそれよりも低く、超えた分は単なる寄付になってしまい、税メリットを受けられなかったそうです。

 相続税額の計算上、L字や三角形などの土地(不整形地)は宅地としての使い勝手が悪いため、正方形や長方形などの整形地と比べて評価額が下がります。

 しかしCさんが依頼した税理士は、不整形地の評価額を下げずに申告。

 Cさんに指摘されて初めて評価減制度を使っていないことに気づいたとのことです。


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2017年6月21日水曜日

2017年度税制改正:控除対象配偶者の定義が規定し直しへ!

 2017年度税制改正において、配偶者控除を満額受けられる配偶者の年収上限が、これまでの103万円から150万円に引き上げられるなど、配偶者控除や配偶者特別控除が見直されます。

 具体的には、控除対象配偶者を定義している所得税法の規定を整備し、これまでの控除対象配偶者が、「控除対象配偶者」、「同一生計配偶者」、「源泉控除対象配偶者」の3つに区分されます。

 これまでの配偶者控除では、適用対象を「居住者が控除対象配偶者を有する場合」とし、控除対象配偶者の定義で「配偶者の合計所得金額が38万円である者」と規定されているため、居住者の所得に関係なく控除が適用されておりました。

 しかし、同改正によって、居住者の所得要件が導入され、合計所得金額が1千万円超の居住者は、配偶者控除の適用ができなくなるため、控除対象配偶者の定義を規定し直すことになりました。

 これまでの控除対象配偶者は「同一生計配偶者」に名称変更されますが、内容はこれまでと変更ございません。

 また、源泉控除対象配偶者とは、

①配偶者特別控除の見直しにより、38万円の控除が適用される配偶者の所得の上限を合計所得金額85万円以下に引き上げたこと

②居住者の所得要件(合計所得金額900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1千万円以下の3段階)が導入され、38万円の控除が適用されるには、合計所得金額900万円以下の要件も満たさなければならなくなったことから新設されました。

 したがいまして、上記を整理しますと、以下のようになります。

①同一生計配偶者とは「居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもののうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう」

②控除対象配偶者とは「同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1千万円以下である居住者の配偶者をいう」

③源泉控除対象配偶者とは「居住者(合計所得金額が900万円以下であるものに限る)の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者をいう」

 なお、これらは2018年分以後の所得税から適用されます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2017年6月20日火曜日

会計検査院:国外の中古等建物の減価償却方法に見直しを求める!

 会計検査院は、国外にある中古等建物の減価償却費の算定方法が、建物の現状に適合していないとして、財務省に見直しを求めました。

 それによりますと、会計検査院は、麹町署等10税務署から提出された2011年分~2013年分の不動産所得に係る決算書をもとに、国外及び国内に所在する不動産事業の用に供している建物の取得年月、耐用年数、減価償却費、賃貸料収入などを比較分析しました。

 その結果、減価償却費を計上していた建物の耐用年数40年超が国内は53.5%と過半数を占めたのに対し、国外は14.4%となり、10年以下が国外は46.6%と約半数に達したのに対して、国内は1.8%に過ぎなかったことが判明しました。

 また、中古建物の減価償却費を賃貸料収入と比較しますと、国内に所在する9割が賃貸料収入の半分以下だったのに対し、国外は8割が賃貸料収入を上回っており、なかには、賃料収入の10倍を超える状況となっている中古等建物もありました。

 会計検査院は、国外の中古等建物では簡便法(資産が国内にあるか国外にあるかを問わず適用)により算定された耐用年数が、実際の使用期間に適合していない恐れがあるとし、賃貸料収入を上回る減価償却費の計上により、不動産所得の金額が減少して損失が生じて損益通算により所得税額が減っていると指摘しました。

 減価償却資産の減価償却費は、法定耐用年数を基に計算しますが、中古資産は法定耐用年数に代えて、下記の簡便法により計算した年数とすることができます。

①法定耐用年数の全部を経過した中古資産は、法定耐用年数の20%

②法定耐用年数の一部を経過した中古資産は、「法定耐用年数-経過年数(新築時から取得時までに経過した年数)+経過年数の20%」

により算定します。

 例えば、法定耐用年数の全部を経過した中古の木造等(法定耐用年数22年)は4年に、鉄筋鉄骨コンクリート造等(法定耐用年数47年)は9年になります。

 そして、簡便法は1951年に定められて以来、現在まで変わっていないとして、国外にある中古等建物の減価償却方法の見直しを求めました。

 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年4月14日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年6月19日月曜日

2017年度税制改正:仮想通貨の譲渡に係る消費税が非課税へ!

 2017年度税制改正において、ビットコインなどの仮想通貨の譲渡については、2017年7月1日以降、消費税が非課税扱いとされます。

 現行は、仮想通貨の購入時・利用時の2回ともに消費税が課税されております。

 消費税法上、現金・小切手などの支払手段や、商品券・プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡などが非課税とされておりますが、仮想通貨はいずれにも該当しないため、消費税が課税されていました。

 そして、仮想通貨取引所でビットコインなどの仮想通貨を購入する際に8%の消費税がかかり、消費者である利用者は手数料等とともに支払い、二重課税ではとの声があがっておりました。

 しかし、改正資金決済法において支払手段と定義づけられたことにより、この定義に沿って仮想通貨を非課税とすることになりました。

 改正資金決済法では、仮想通貨の定義について、不特定の者との間で、購入・売却できる財産的価値であること、コンピュータシステムで移転でき、それらと相互に交換できる財産的価値であるとしております。

 このように、資金決済法の改正によって、仮想通貨が支払の手段として位置付けられたこと、米・英・フランスなどG7の中で、仮想通貨に消費税を課しているのは日本だけであることを踏まえ、見直しが進んだものとみられております。

 今回の改正により、2017年7月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用されますので、同日以後に事業者が譲渡のために行った仮想通貨の取得は、非課税仕入れとなります。

 また、適用前のかけこみ取得での仕入税額控除の利用を防ぐため、仕入税額控除の利用が制限されております。

 事業者が、2017年6月30日に100万円(税抜き)以上の仮想通貨を保有していた場合において、同年6月1日から6月30日までの間の各日の仮想通貨の保有数量の平均保有数量に対して増加したときは、その増加した部分の課税仕入れに係る消費税について仕入税額控除制度の適用は認めないとしておりますので、該当されます方は、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年4月14日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。


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2017年6月16日金曜日

医療費が高額になったら

◆高額療養費限度額適用認定申請

 入院を伴うようなけがや病気の療養や度々の通院で一定額以上の医療費の自己負担をしなければならないような時に、事前に健康保険限度額適用認定証を申請しておくと病院の窓口では限度額までの支払いで済みます。

 協会健保や健康保険組合、国保なら市区町村役場に申請しておくと保険者が所得区分を認定し「限度額適用認定証」が交付されます。

 その認定証と健康保険証を医療機関に提示します。

 これが無いと高額医療費の限度額を超えた費用も一時的に自己負担をしておかなくてはなりません。

 働けない時に自己負担の医療費が増えるのは大変な事もあるでしょう。

 そのような事態をカバーするものです。

◆自己負担額は限度額まで

 この認定証は入院だけでなく通院でも利用できます。

 一度申請しておくと申請を受け付けた日の属する月の1日から最長で1年間が有効期間となります。

 この認定証を使うと所得区分に応じて自己負担限度額が決まります。

 自己負担限度額は1日から月末の1ヶ月毎に判断され医療機関毎、入院、外来、保険薬局等各々毎の取り扱いとなります。

◆高額療養費の自己負担額

 高額療養費は1ヶ月の間の医療費の自己負担額の上限が決められています。限度額区分は下記のようになっています。

区分ア 標準報酬月額83万円以上:252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

区分イ 標準報酬月額53万円から79万円:167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

区分ウ 標準報酬月額28万円から50万円:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

区分エ 標準報酬月額26万円以下:57,600円

区分オ 被保険者の市区町村民税が非課税:35,400円

 診療を受けた日の1年に3ヶ月以上の高額療養費の支給を受けていた時は4ヶ月目から「多数該当」となり、さらに支払い限度額が軽減されます。


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2017年6月15日木曜日

前期損益修正の取扱い 会計と税務の違い

 過年度において、正常に収益として益金の額に算入された売上高や資産の譲渡等について、その後の事業年度において契約の解除や取消し、返品、値引き等といった事実が生じた場合、一般論として、過年度に遡って、計上した収益の額を修正しなければ適正な期間損益計算及び課税所得は計算できません。

◆会計と税務の共通

 民法上の考え方からすれば、契約の解除や取消し等があった場合には、当初に遡ってその契約の効力を失うことになります。

 しかし、会計も税務も、いわゆる「継続企業の原則」に基づき、このような後発的な事由によって生じた損失については、過去の事業年度に遡って修正することはしないで、原則、その解除や取消し等の事実が生じた事業年度に「前期損益修正損」として計上し、税務も当該修正損は損金の額に算入されます。

◆会計と税務の違い

 では、過年度の売上高が過大、または外注費等の計上漏れがその後の事業年度において発覚した場合、会計も税務も上記の後発的事由と同様に、その発覚した事業年度において、売上高の過大部分及び費用の過少部分を修正し、前期損益修正損として計上、税務も損金の額に算入されるか、です。

 このような場合においては、会計は前期損益修正損として、発覚したその事業年度の損失として計上しますが、税務は、あくまでも過年度に遡って、益金の額を減額、また、損金の額を増額修正し、その事実のあった事業年度の課税所得の金額を再計算します。

 したがって、会計の前期損益修正損は、税務上は損金の額には算入されません。

 原則、「更正の請求」以外に救済の余地はないことになります。

◆課税所得計算の原則

 法人税法は、各事業年度の課税所得を計算します。

 したがって、後発的事由に基づかないもの、例えば、当初申告に係る益金の額又は損金の額が事実に反している場合や事実を失念している場合、さらには、その計算が事実を誤認してなされている場合には、常に当初申告に遡って課税所得を訂正します。

 これが原則であり、その趣旨は恣意性の排除、公平な課税所得の計算です。

 なお、この原則は、個人の事業所得や不動産所得で継続的な事業から生ずる所得についても適用されると考えられています。


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2017年6月14日水曜日

国税庁:2015事務年度の相続税の調査事績を公表!

 国税庁は、2016年6月までの1年間(2015事務年度)の相続税の調査事績を公表しました。

 それによりますと、2013年中に発生した相続を中心に、申告額がありながら無申告と思われるものなど1万1,935件(前事務年度比3.8%減)を実地調査しました。

 そのうち81.8%に当たる9,761件(同3.8%減)から3,004億円(同8.8%減)の申告漏れ課税価格を把握し、加算税80億円を含む583億円(同12.9%減)を追徴課税しました。

 実地調査1件当たりでは、申告漏れ課税価格2,517万円(前事務年度比5.3%減)、追徴税額489万円(同9.5%減)となりました。

 また、申告漏れ額が多額だったことや、故意に相続財産を隠ぺいしたことなどにより重加算税を賦課した件数は1,250件(同0.6%減)あり、その重加算税賦課対象額は458億円(同5.9%増)、重加算税賦課割合(重加算税賦課件数1,250件/申告漏れ等の非違件数9,761件)は12.8%(同0.4ポイント増)となりました。

 申告漏れ相続財産の内訳をみてみますと、現金・預貯金等が1,036億円(前事務年度1,158億円)で全体の35.2%を占めて最多となり、続いて土地が410億円(同414億円、構成比12.4%)、有価証券が364億円(同490億円、同13.9%)、家屋が64億円(同54億円、同2.2%)の順となり、その他(不動産、有価証券、現金・預貯金等以外)が1,071億円(同1,125億円、同36.3%)となりました。

 一方、申告・納税義務があるのにもかかわらず申告しない無申告事案については、前事務年度より0.6%少ない863件の実地調査を行い、そのうち655件(前事務年度比0.9%減)から824億円(同6.0%減)の申告漏れ課税価格を把握し、53億円(同26.2%減)を追徴課税しました。

 そして、1件当たりの申告漏れ課税価格は9,543万円となり、相続税調査全体の1件当たり申告漏れ2,517万円の約3.8倍にのぼりました。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年4月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。





2017年6月13日火曜日

災害損失の繰戻還付等の震災対応措置が恒常化へ!

2017年度税制改正

 2017年度税制改正において、災害が頻発する現状を踏まえ、災害に対応する税制上の措置が恒常化されます。

 具体的には、すべての災害に適用される災害損失の繰戻しによる法人税額の控除などや、災害を指定して適用される被災代替資産等の特別償却などが盛り込まれました。

 災害損失の繰戻還付は2017年4月1日以後に適用されますが、災害発生日から1年経過日までの間に終了する各事業年度に生じた災害損失欠損金額がある場合に、その各事業年度に係る確定申告書の提出と同時に、災害損失欠損金額に係る事業年度開始の日前2年以内(青色申告書提出でない場合は前1年以内)に開始した事業年度の法人税額のうち、災害損失欠損金額に対応する一定額の還付請求をすることができます。

 同改正では、経過措置が設けられており、2017年4月1日前1年以内に終了した事業年度に係る確定申告書を4月1日前に提出している場合には、通常は確定申告書の提出と同時に還付請求するところ、2017年4月30日までに納税地の所轄税務署長に還付請求した場合には、同措置の適用が受けられます。

 また、被災代替資産等を取得した場合の特別償却の取扱いは、東日本大震災で特例的に設けられたものですが、同改正により、今後災害により一定の代替資産を取得等した場合に、特別償却を認める恒久的な制度として設けられます。

 特定非常災害特別措置法の対象となる災害に適用され、非常災害の発生日の翌日以後5年経過日までに取得等した一定の減価償却資産が対象となります。

 この改正は、2017年4月1日以後に終了する事業年度分について適用されます。

 ただし、経過措置が設けられており、例えば2017年3月期など、施行日の2017年4月1日前1年以内に終了した事業年度については、遡って同制度の適用が可能となります。

 被災代替資産を2017年4月1日の属する事業年度(経過事業年度)に保有していれば、経過事業年度において、特別償却不足額の1年繰越しが認められる特別償却不足額制度等を適用できます。


(注意)
 上記の記載内容は、平成29年4月7日現在の情報に基づいて記載しております。今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。






2017年6月12日月曜日

ポイント制度を運用する側の 会計・税務・マーケティング

◆顧客囲い込み目的のマーケティングツール

 “1回食事をするごとに1個スタンプがもらえて10個たまると1回分が無料”、チェーンの飲食店や商店街の小売店などでもよくある顧客囲い込みのためのマーケティングツールがポイント制度です。

 古くは紙のカードにハンコを押してくれるのが主流でした。昨今の家電量販店や航空会社のマイレージは、電磁的にポイントが付与・管理され、他社のポイントにも交換でき、疑似通貨ともいえる性格になっています。

◆ポイントの性格の違いによる収益計上

 日本の会計基準を決める企業会計基準委員会では、「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集」が行われ、昨年2月と4月に公表されています。

 そこでは、①実質的に値引き販売であるケース-大型家電ショップのポイント、②ポイント残高により将来何らかの景品に交換できるケース、③航空会社のマイレージ、④コンビニやスーパー、ドラッグストアでのポイントカードなど性格の違いに応じて、売上からの控除や、原価相当の費用の引き当てなどが論じられています。

 この議論は会計監査が必要な企業向けの話題ですので、説明はここでは省略します。

◆非電磁ポイントカードの会計・税務

 もし貴社で紙にスタンプを押すポイント制度を運用していて、自社以外にポイントの効果が及ばないような場合には、ポイントが規定の個数になるまでは費用の発生がないので、実際に引き換えられたとき(=例えば1食無料になった時)に会計上の費用認識をすれば十分ともいえます。

※実際に運用する場合には、規定の決め方で会計・税務の扱いが変わってきますので、必ず会計事務所に相談してください。

◆非電磁データのマーケティングへの活用

 本コラムで言いたいことは、データのマーケティングへの活用です。

 分析も手作業となりますが、その効果を図り、次の戦略につなげることができれば、ポイント制度が活きてきます。

 例えば男女や外見の年代別に何種類かの色に分ければ、名前や年齢記載を求めなくともマーケティングに使えます。

 蓄積されたデータを基に、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返し、利益を積み上げて行きましょう。

 数字の検証は会計事務所にもサポートしてもらえば安心です。


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2017年6月9日金曜日

再就職が早期に決まったら 再就職手当の受給

◆失業給付の日数が残って就職した時

 再就職手当は雇用保険の受給資格者が基本手当の受給資格決定を受けた後に早期に安定した職業に就き又は事業を開始した場合に支給され、より早く再就職を推進する為の制度です。

 再就職手当の支給を受けるには次の全ての要件を満たすことが必要です。

(1)基本手当の受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職又は事業を開始した事
(2)離職日の前日までの失業認定を受けた上で基本手当の支給日数が所定給付日数の3分の1以上である事
(3)離職した事業所に再び就職したものではない事、又離職した事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関係が無い事業所に就職した事
(4)受給資格にかかる離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある人は、求職申し込みをしてから待機期間満了後1ヶ月の期間内はハローワーク又は職業紹介事業者の紹介によって就職したものである事
(5)1年を超えて勤務する事が確実である事
(6)原則として雇用保険の被保険者になっている事
(7)過去3年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けていない事
(8)受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでない事

◆再就職手当の金額

 平成29年1月以降の再就職については受給できる金額が変更され給付率が高くなっています。

 又支給残日数45日以上の要件も廃止されています。

 受給額は所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合は支給残日数の60%、所定給付日数の3分の2以上を残して就職した場合は支給残日数の70%を基本手当日額に乗じた額が支給されます。

 再就職手当の支給申請は就職した日の翌日から1ヶ月以内に行います。申請書に再就職先の署名押印をしてもらい再就職手当調査書を添えて居住地管轄のハローワークに提出します。


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2017年6月8日木曜日

太陽光ファンドが不正節税

 太陽光発電所建設に携わったファンド運営会社が、実際には開始していない事業を申告して優遇税制を適用していたことが分かりました。

 東京国税局の税務調査で明らかになりました。

 事業は税優遇を利用した法人税の節税を謳った金融商品として販売されていたため、出資した会社は今後修正申告を求められる見通しです。

 不正を指摘されたのは、ファンド運営会社が管理する発電事業会社2社。

 2社が利用していたのは昨年3月末で廃止された「グリーン投資税制」で、エコ性能に優れた設備投資については取得費用を一括して経費に計上できるというもの。

 同税制では昨年3月末までの設備取得が適用のための条件となっていましたが、同ファンドが管理する発電事業会社2社が、実際には一部で工事が完成しないまま、工事が完了したという虚偽の書類を作成していました。

 2社には重加算税含め、多額の追徴課税を課された模様です。

 また同税制を適用して、計上した損金を分配して法人税の節税に役立てるという売り込みで、金融サービス会社が節税商品として販売し、出資企業を募っていました。

 去年2月以降、110社がおよそ40億円を出資したそうです。

 工事費20億円について税制優遇を適用し、減価償却費として出資企業の法人税節税に利用されていたとみられ、これらの出資企業については修正申告が必要となりそうです。

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2017年6月7日水曜日

社員の着服は「所得隠し」

 会社に隠れて社員が着服した金額は税務上の「所得隠し」に当たるとして、国税局が故意による「仮装・隠ぺい」に該当する重加算税を科していたことが分かりました。

 資産を社員に私的流用されたことに加え、その責任を会社が負わされたことになるとは、まさに〝泣きっ面に蜂〟としか言いようがありません。

 大手ゼネコンの竹中工務店は、平成27年12月期までの5年間で約1億5千万円の申告漏れを、大阪国税局の税務調査で指摘されました。

 そのうち約1億円については、工事収益の計上時期を間違えるなどの経理ミスによるものでしたが、残る約4600万円は元社員の「着服」によるものだそうです。

 元社員の男はビル工事を請け負った下請け企業に対して建設工事費などを水増し請求させ、本来の工事費との差額分を現金で受け取って着服していました。

 着服した現金は「私的に使った」といい、その後、男は懲戒解雇を受けています。

 この着服分について大阪国税局は「実態としては協力会社に支払われていないため、経費として認められない」として申告漏れに当たると認定。

 さらに、意図的に所得を圧縮したと「仮装・隠ぺい」に該当するとして、加算税のうちでも最も税率の高い重加算税を科しました。追徴税額は計約4900万円に上るそうです。

 過去にも、フジテレビで社員による着服が発覚して仮装・隠ぺいを伴う所得隠しと認定された例や、東芝の子会社で元社員による9億円の着服が税務調査で発覚して重加算税含め2800万円を追徴された例があります。

 会社のあずかり知らぬところで社員が着服した金額に対して、会社が所得を「仮装・隠ぺい」したと判断するのは、いわば国税の「通常処理」と言えそうです。


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2017年6月6日火曜日

ふるさと納税、自治体から悲痛な要請

 ふるさと納税の返礼品は寄付額の3割にとどめるべきとした総務省の通知に、自治体から悲痛な要請が出るに至りました。

 長野県安曇野市の宮沢宗弘市長は4月25日、記者会見を開き、今後も引き続きパソコンや時計などの資産性の高い品物を返礼品として送れるよう、総務省に要請したことを明らかにしました。

 ふるさと納税の返礼品をめぐっては、一部の自治体で換金性の高い商品券などを返礼品にする自治体が出たことをきっかけに、インターネットオークションなどを介した転売の横行が問題化。

 返礼率が7割など著しく高いものもあったため、総務省は4月1日に全国自治体に対し、電子・電気機器や商品券、時計といった資産性の高い品物を返礼品から外し、それ以外についても寄付額の3割を上限にするよう要請しました。

 あくまで要請であるため法的な拘束力などはないものの、高市早苗総務大臣は「要請に応じない自治体に対しては個別に働きかけてゆく」と強い口調で語り、自粛要請に従わない意向を示した長野県伊那市を「通知の趣旨にそぐわない」と名指しで批判するなど、自治体にとっては〝圧力〟がかけられているとも呼べる状況です。

 今回要請を出した安曇野市は、市内に国産パソコンを製造販売するVAIO社の工場があることから、2年前にふるさと納税の返礼品にパソコンを追加しました。

 その結果、寄付額は前年度の約500万円から145倍の約7億5千万円に急増。

 昨年度は8億円を超える寄付を集めましたが、その97%がパソコンなどを返礼品に指定した寄付だったそうです。

 すでに今年度予算にもふるさと納税による寄付を4億円と盛り込み、子育て支援事業などに充てているため、パソコンの返礼を取りやめれば代替財源が必要となります。

 宮沢市長は「パソコンは地元の製品で、返礼品に使うことは地元企業の育成や雇用創出にもつながる。国は自治体の実情を理解してほしい」と訴えました。

 総務省は上限規制を設けた理由として、返礼品送付による自治体の業務増や地元産業への過度なコスト負担を挙げていましたが、魅力的な返礼品を考え出して寄付をこれまで集めてきた地域にすれば、「余計なお世話」以外の何物でもないのかもしれません。


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2017年6月5日月曜日

国税庁:2015事務年度の富裕層に対する所得税調査結果を公表!

 国税庁は、2016年6月までの1年間(2015事務年度)において、有価証券や不動産などの大口所有者、経常的な所得が高額な者など(以下:富裕層という)に対する所得税調査結果を公表しました。

 それによりますと、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しており、所得税調査において重点課題と位置づけ、積極的に取り組んでおります。

 2015事務年度には、前年度比0.4%増の4,377件の富裕層に対する実地調査が行い、申告漏れ額516億円を把握しました。

 調査件数の約80%に当たる3,480件(前年度比1.9%増)から何らかの非違を見つけ、その申告漏れ所得金額は516億円(同32.3%増)で、加算税を含め120億円(同18.8%増%減)を追徴しました。

 そして、1件当たりの申告漏れ所得金額は1,179万円(同31.9%増)、追徴税額273万円(同18.2%増減)となり、追徴税額は、所得税全体の実地調査(特別・一般)1件当たり155万円と比べて約1.8倍にのぼりました。

 また近年、資産運用の国際化が進んでいることから、国税当局では富裕層の海外投資等にも目を光らせており、同期間中にも海外投資を行っていた565件(前年対比26.1%増)に対して調査を展開し、約82%に当たる461件(同27.3%増)から168億円(同60.0%増)の申告漏れ所得金額を把握し、43億円(同72.0%増)を追徴しております。

 そして、1件当たりの申告漏れ所得金額は2,970万円(同27.1%増)となりました。

 このように、国税庁は富裕層に対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約に基づく自動情報交換資料などのさまざまな情報を活用し、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に置きながら、海外取引・海外資産関連収入の的確な把握及び積極的な調査に取り組んでおります。

 近年の所得税調査は、富裕層を含め、社会的な波及効果の高く、かつ、高額・悪質を優先とした深度ある調査が特徴となっており、今後も同様の動きが継続されるものとみられております。



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2017年6月2日金曜日

最高裁:節税ための養子縁組であっても、直ちに無効とはいえない!

 2015年1月から相続税が課税強化され、相続税の基礎控除額は「3,000万円(2014年12月31日以前は5,000万円)+600万円(同1,000万円)×法定相続人の数」で算出されます。

 養子は、実子がいれば1人、実子がいなければ2人まで、相続人に含められます。

 そのため、相続人が多いほど控除額が増えて相続税額が減少するため、富裕層を中心に節税目的で養子縁組をするケースがみられます。

 そうしたなか、相続税の節税を目的とした養子縁組が有効かどうか争われた訴訟の上告審で、2017年1月31日に最高裁第三小法廷は、「節税のための養子縁組であっても、直ちに無効とはいえない」との初判断を示しました。

 この事案は、2013年に死亡した82歳の男性が、亡くなる前年に長男の息子である孫と養子縁組をしたことが発端となったもので、その結果、長男と娘2人だった男性の法定相続人は、孫との養子縁組が有効であれば4人となります。

 男性の死後、娘2人は「養子縁組は無効」として提訴し、一審の東京家裁は有効と認定しましたが、二審の東京高裁が養子縁組を無効と判断したことから、孫側が上告しました。

 二審の東京高裁は、長男が自宅に連れてきた税理士から孫を養子にした場合の節税メリットがあることを父親に説明していたことから「相続税対策が中心で、男性に孫との真実の親子関係を創設する意思はなかった」として、養子縁組を無効と判断しました。

 この養子縁組は、相続税の節税のためにされたものとしたうえで、民法802条1号の「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとしました。

 これに対し、最高裁の第三小法廷は、「相続税の節税の動機と縁組をする意思とは併存し得る」としたうえで、「節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに『当事者間に縁組をする意思がないとき』に当たるとすることはできない」と指摘しました。

 本件の養子縁組について、縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく、「男性に縁組をする意思がないとはいえない」として、孫との養子縁組は有効と判示しました。


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2017年6月1日木曜日

ミニ保険と生保控除

◆少額短期保険(ミニ保険)会社とは

 生保会社は金融庁長官の免許業者ですが、少額短期保険会社は財務局への登録制です。

 財務局登録業者のリストを見ていると、損保会社のほか、多くの有名な会社の名を冠した会社名が名を連ねています。

 10年前、保険業法改正に伴い、「少額短期保険」(ミニ保険)と呼ばれる保険商品が登場しました。

 ミニ保険は、少額短期保険会社が扱う保険商品で、少額短期保険会社は、金融庁財務局に現在、87事業者が登録されています。

◆ミニ保険のミニの内容

 ミニ保険の保険期間は1年~2年以内で、保障性商品の引受けのみを行う事業とされ、死亡保険、傷害疾病医療保険、重度障害保険、傷害死亡保険、損害保険など通常想定される保険のほか、低発生率保険と分類されるアイデア保険と言えるものを取り扱うとされています。

 ミニ保険の保険金額は少額に限定されており、低発生率保険の保険金限度額は1千万円、それ以外の各保険の保険金額にはそれぞれ保険限度額があり、その各加入保険の合計額として1千万円が上限とされています。

◆ミニ保険の生命保険料の生保控除

 ミニ保険会社は、生命保険も取り扱えることとなっていますが、ミニ保険会社との契約による生命保険料は、所得税法の生命保険料控除の対象とはならないので注意が必要です。

 所得税法上、生命保険料控除の対象となるのは、保険業法2条3項の生命保険会社又は同条8項の外国生命保険会社等との保険契約であることとされているからです。

 少額短期保険会社は、保険業法2条17・18項で規定されており、保険業法上、生命保険会社とは別の保険業として区分されているので、たとえ死亡保障のために交わした生命保険契約であっても、少額短期保険会社との保険契約は、所得税法の生命保険料控除の対象とはならないのです。

◆タックスアンサーでは

 国税庁のタックスアンサーでは、ミニ保険会社には触れずに、外国で契約した保険契約、保険期間5年未満の一般・介護保険、これらは生保控除の対象にならないと案内しています。

 なお、ミニ保険の生命保険金も相続税法での扱いは同じです。


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2017年5月31日水曜日

最近の転職事情

◆転職シーズンはいつ

 例年、年度替わりの3月・4月頃は年間で最も中途採用が多い時期です。

 その理由は事業年度が変わる事で多くの企業で新事業の開始や組織再編等が行われ異動したり退職したりする人も増え、それに伴い新規募集も増える時期だからです。

 新入社員研修が行われるのも4月が最も多い時期です。

 他に転職者が増える時期は夏季賞与の後や秋採用(10月)の前、冬季賞与の後の年始ころです。

◆転職市場も売り手市場

 転職市場は年々広がり続けています。

 日本経済新聞の記事によればリーマンショック後に大きく落ち込んだ転職者数は順調に回復し昨年7年ぶりに300万人の大台に乗ったそうです。

 「DODA転職市場予測」によれば、今年上半期の求人数の増減見込みは11業種のうち「増加」が3業種、「緩やかに増加」が5業種、「横ばい」3業種との事です。

 転職の特徴として「離職後の給与の方が転職前より上がる」傾向がある事です。

 厚労省の「転職入職の賃金傾向」及び「雇用動向調査結果の概況」によれば、平成27年を境に「転職で給料増」の方が「転職で給料減」より上回り続けています。

 もう1つの特徴としては中年層以上の転職者が増加している事です。

 総務省の調査によれば昨年45歳から54歳の転職者は平成14年以降で最多の50万人もいると言う事です。

◆企業への影響

 このような転職事情の活性化は企業にも少なからぬ影響をもたらします。

 積極的に中途採用したい企業は、採用条件を上げて人材確保を考える為人件費のコスト増加にもなってきます。

 又、採用の予定が無い企業にとっても自社の従業員が良い待遇を求めて他へ流出しやすい時代でもあります。

 今は全体的に人手不足ですが、転職市場においても売り手市場は当分続きそうです。

 従業員が必要以上に不満をため込まず、モチベーションが下がらない態勢を保つための経営努力が求められると言えるのかもしれません。

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2017年5月30日火曜日

耐久性向上改修工事をした場合の減税措置の見直し!

 2017年度税制改正において、既存住宅の長期優良住宅化促進のため、耐震・省エネリフォーム減税の特例を拡充し、同特例の適用対象となる工事に特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」を追加するとともに、税額控除率2%の対象となる住宅借入金等の範囲に、特定の省エネ改修工事と併せて行う一定の「耐久性向上改修工事」の費用に相当する住宅借入金等を追加します。

 一定の「耐久性向上改修工事」とは、小屋裏、外壁、浴室、脱衣室、土台、軸組等、床下、基礎若しくは地盤に関する劣化対策工事又は給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事をいい、認定を受けた長期優良住宅建築計画に基づくものや、工事費用(補助金等の交付がある場合には、補助金等の控除後の金額)の合計額が50万円を超えることなど、一定の要件を満たすものが対象となります。

 耐久性向上改修工事をした場合の減税措置は、改修資金が住宅ローンの場合と自己資金の場合の2つあります。

 ローンの場合は、特定の省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で12万5千円が5年間控除されます。

 自己資金の場合は、耐震改修工事又は省エネ改修工事と併せて行う工事に対して適用され、最大で50万円がその年の所得税から控除されます。

 このほか、固定資産税が工事翌年度に3分の2減額される措置が設けられます。

 また、耐久性向上改修工事の証明書の発行は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する登録住宅性能評価機関、建築基準法に指定する確認検査機関などが行うものとし、その他の要件は、現行の同特例と同様となります。

 なお、省エネ改修については、適用要件を合理化し、現行の必須要件である「全ての居室の窓全部の断熱改修(全窓要件)」を、住宅全体の省エネ性能(断熱等級4など)の改修により確保した場合も適用されます。

 上記の改正は、増改築等をした居住用家屋を2017年4月1日から2021年12月31日までに自己の居住の用に供する場合に適用されますので、該当されます方は、ご確認ください。


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2017年5月29日月曜日

受動喫煙対策強化案

◆オリンピックに向けて対策

 厚生労働省が3月1日に東京五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙対策の新たな規制強化案を公表しました。

 飲食店も原則禁煙、例外として喫煙できるのは小規模なスナックやバー等に限定することを骨子とし、違反した喫煙者が指導に従わない場合は30万円以下、事業者が従わない時は50万円以下の過料を科すとしています。

 同時に健康増進法の改正案を今国会に提出する予定で2019年秋のラグビーワールドカップ開催までの施行を目指しています。

◆努力義務から強制的な義務へ

 日本の受動喫煙対策は今まで努力義務とされてきましたが、世界保健機構(WHO)からは「世界的にも低レベル」であると批判されていました。

 このため新たな規制強化案では受動喫煙対策を義務化します。

 禁煙の範囲は小中学・高校、医療機関は敷地内禁煙、官公庁や福祉施設、運動施設等は建物内禁煙、コンサート等興業目的では喫煙室の設置を認めています。

◆難しい飲食店の禁煙

 飲食店では屋外テラス席も含め禁煙とされますが、喫煙室は認めています。

 居酒屋や焼き鳥屋でも家族連れ、外国人観光客を想定し対策が強化されています。

 例外は小規模なスナックやバー等、面積が30平方メートル以下の店は対象外です。

 ホテルの客室や福祉施設の個室等の喫煙は可能です。

◆5年間の経過措置

 今回の規制強化案では既存の喫煙室について、施行後5年間は排気装置等が一定の基準を満たせばそのまま使用を認めるようです。

 飲食店等の喫煙室の設置が認められている施設だけでなく、医療機関や官公庁等も対象にしています。

 今後内容が変更される場合もありますが、禁煙でなく分煙の推進を望む意見も多く、法案の調整が注目されます。


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2017年5月26日金曜日

管理会計のススメ 機会損失・購入単価引下げvs在庫

◆自分の責務に忠実なこと≠会社全体の利益

 自分の担当する業務にとってプラスとなることをしても、それが必ずしも、会社全体の利益につながるわけではありません。

(1)機会損失を恐れすぎると…

 「買いたいというお客さんが現れた時にすぐに売れるような体制でいたい」という営業マンの気持ちもわかります。

 しかしながら、営業マンが機会損失(=売れるのに商品がなくて販売を逃すこと)を恐れる気持ちが強くなり、あれもこれもと品揃えをしたくなると、結果として会社の在庫を増やしてしまいます。

(2)大量仕入れで単価を圧縮できた結果…

 仕入れの担当者は、いかによいものを安く調達するかに心をくだきます。

 大量に仕入れをすれば、1個当たりの仕入れの価格は小さくなります。

 しかしながら、コスト削減に力を注ぐあまり、往々にして、売れ残ってしまう在庫を増やしてしまう事態を引き起こしかねません。

◆なぜ「在庫=罪庫」といわれるのか?

 ものを買うと代金を支払わなければなりません。

 お金は先払いですが、売れるまでお金は入ってきません。

 仕入れの代金を借入金で支払っている場合には、その借入の利息も発生します。

 在庫が増えれば、倉庫代や在庫の管理費もかさみます。

 すなわち、在庫には「仕入れ代金の先払い+借入金利息+倉庫代+在庫管理費」がかかるのです。

 これが“在庫は罪庫”といわれる所以です。

◆会社全体を見渡すのが社長の仕事です

 社員は、それぞれ自分の担当する業務で成果を上げることが会社の利益につながると思い、懸命に頑張ります。

 しかしながら、それぞれの担当が良かれと思って行っていることが、会社全体にとってはマイナス方向に働く場合もあります。

 会社全体を見渡し、適宜軌道修正をして、会社全体としてプラス方向に働くよう導くのが社長の仕事です。

◆会計数字を生かす

 過剰在庫は悪と言われても必要な在庫は持っていなければなりません。

 適正在庫はどのように求めればよいのでしょうか?

 たとえば、在庫には在庫回転期間というものがあります。

 適正水準は、業界ごとに違います。

 同業種・同規模の他社の数字が参考となります。

 また、自社の過去の数字との比較も役立ちます。

 会計事務所の担当者に聞いてみましょう。


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2017年5月25日木曜日

タワマン高層階は固定資産税増税

 平成29年度税制改正の関連法が3月末に成立したことを受け、4月以降に購入したタワーマンション物件の固定資産税が見直されています。

 取得価格によっては年間の税負担が10万円以上変わることもあり得るので、しっかり内容を把握しておきたいところです。

 固定資産税が見直されたのは、

①今年4月1日以降に売買契約を締結する新築物件、

②マンションの高さが60メートルを超え、建築基準法上の「超高層建築物」に該当する物件

――の両方に当てはまるタワーマンションです。

 これまでは階数にかかわらず、建物全体の固定資産税額を区分所有の面積に応じて按分していましたが、新たな計算方法では建物全体の税額は据え置いて、1階上がるごとに税負担が0.26%上がるように按分していきます。

 ちょうど中間に当たる階では税負担はこれまでと変わらず、それより低層階では減税に、高層階では増税されることになります。

 仮に50階建てのマンションで部屋の面積が同じであれば、40階なら税額は1階より約10%、50階なら約13%高くなる計算です。

 ポイントは、すでに住んでいる人には影響がないという点と、4月以降に契約する物件でも中古マンションであれば対象にならないという点。

 タワーマンションの高層階の購入を考えていて、固定資産税が気になるという人は、買うのが中古物件であれば負担増を免れることができます。


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2017年5月24日水曜日

「極ゼロ」問題が再浮上

 酒と税をめぐる問題が改めてクローズアップされています。

 サッポロビールのビール系飲料「極ゼロ」が税金の安い第3のビールにあたるかどうかをめぐって国税当局と対立してきた問題が再燃し始めたのです。

 サッポロは4月中旬、自主納付した酒税115億円の返還を求めて国を相手取って東京地裁に提訴しました。

 現在3つに分かれているビール類の税率は10年後に一本化される道筋が整いましたが、税率の違いを活用することで新商品を生んだ企業努力をどう司法が判断するのか改めて関心が高まりそうです。

 もともと平成25年に発売された「極ゼロ」。

 健康志向が高まるなか、糖質とプリン体をゼロに抑えた第3のビールとして人気が出ました。

 税率の低さもあり手に取りやすいことも受けたのです。

 ところが26年1月、「極ゼロ」が製法上、第3のビールにあたらないのではとの指摘を国税当局から受け、サッポロは販売を終了。

 製法を変えて発泡酒として再発売しました。

 そのうえでもともとの「極ゼロ」が第3のビールに該当しない場合に支払うべきだった酒税の差額分115億円を納税しました。

 その後の社内調査で、もともとの「極ゼロ」は第3のビールであるとする判断をし、サッポロは税の返還を要求。

 しかし、昨年10月に国税不服審判所への審査請求が退けられていました。

 争点を残したまま沈静化したかに思えましたが、サッポロは「返還を断念すれば、株主に説明がつかない」との判断から司法の場で争うことを決定した模様です。

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2017年5月23日火曜日

最近の日商簿記事情

◆会計事務所や経理担当者の登竜門!

 会計・経理の資格といえば、やはり日商簿記(日本商工会議所主催簿記検定)や全経簿記(社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験)です。

 日商簿記でいえば1級が一番難しく、この1級を取得すると税理士試験を受験する事ができます。

 2級資格は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる」内容とされており、資格保持者は一般的な会社の経理の知識を十分持っている者、といえるでしょう。

◆時代のニーズに合わせて内容等も変更

 日商簿記2級は平成28年6月より、出題範囲が変更されました。

 昨今のビジネススタイルに合わせ、クレジット売掛金・電子記録債権(債務)・サービス業の処理等が新たに追加され、簿記試験が企業活動や会計実務に即した内容になるよう改定されています。

 また、今までは「4級」とされていた難易度の低い資格が廃され、新たに「日商簿記初級」が2017年4月から始まりました。

 この初級は「簿記の基礎知識は企業活動や経営を理解するため、経理・会計担当者のみならず、業種・職種を問わず企業人すべてに必要とされており、短期間でこれを習得するための目標となる資格」と位置付けられているようです。

◆初級はネット受験可能

 1級・2級・3級は今まで通り、お近くの商工会議所で受験する必要がありますが、初級はパソコン教室や資格取得の為の学校等、商工会議所より施行機関として認定されている「商工会議所ネット試験会場」に赴けば受験が可能です。

 また、試験の結果は即時に出るようです。

 内容は決算処理等の部分が省略されてはいますが、簿記の基本原理・期中取引の処理・月次集計等が出題範囲となっているので、簿記を学んでいない方等には取り組みやすい目標で「経理担当では無いが、基礎的な簿記の知識くらいは知っておきたいな」と思っていらっしゃる方にはお勧めです。

 また商工会議所は「会計ソフトの操作」に特化した「電子会計実務検定」という資格認定も行っています。昔に比べると、経理まわりの選択肢も増えましたね。


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2017年5月22日月曜日

事業と非事業の判定

◆事業的規模の不動産所得

 不動産貸付けでの事業的規模の判定には、5棟10室基準があります。

 不動産所得は、その不動産貸付けが事業的規模かどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なります。

 この基準を満たすと地方税の事業税の対象になるとともに、所得税では、賃貸用固定資産の取壊し除却などの資産損失、賃貸料等の回収不能による貸倒損失、事業専従者給与(事業専従者控除)、65万円の青色申告特別控除などの必要経費算入が認められます。

 5棟10室基準は形式的な基準なので、所得税では、実質的に事業と認められる実態があるか否かの社会通念上の判断に適えばよい、とされているので、形式基準未満でも事業的規模とする余地があります。

◆不動産所得以外での事業的規模

 他方不動産所得でない場合は、事業による所得は事業所得、業務(事業的規模以外)による所得は雑所得と分類されており、この事業所得か雑所得かによって、事業専従者給与(事業専従者控除)や青色申告特別控除などの必要経費算入、赤字の損益通算、損益通算後の青色欠損金の3年間繰越などの適用の有無が生じます。

 事業所得か雑所得かの判定は、サラリーマンの副業での赤字の損益通算の場面で是非を問われることが多そうですが、サラリーマンの副業も、退職して給与所得者でなくなり、年金生活者になってからも引き続き営むものについては、最早副業ではないので、判定のハードルは低くなります。

◆年金所得者の事業所得

 損益通算に関しては、年金所得との通算は雑所得内でも出来ることなので、事業所得か雑所得かの区別に意味はありませんが、特に事業的規模に至らない不動産所得がある人の場合は、事業所得が赤字でも不動産所得から65万円の青色申告控除が出来るので、相変わらず大きな意味があります。

 日経新聞に、「働いて年金満額もらう法」という見出しで、定年延長や再雇用ではなく、従来の勤務先と個人事業主として業務委託契約を結べば年金減額の在職老齢年金制度の適用を免れられる、とありました。

 この場合には、消費税をどうするというテーマにもなります。

 事業をめぐる判定のみならず、各人の処世にも関わる選択肢です。


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2017年5月19日金曜日

企業版ふるさと納税、どこまで善意の寄付?

 内閣府はこのほど、企業版の「ふるさと納税制度」に当たる「地方創生応援税制」の第3回認定事業を発表しました。

 新たに142事業、全体事業費195億円が認定され、同制度の対象となる事業はこれで299件となりました。

 同制度では寄付企業に対する自治体からの経済的見返りの供与は禁じられているものの、寄付予定者には第2回までと同様、事業内容に密接に関わる企業の名前が並んでいます。

 地方創生応援税制は、地方を活性化させるために自治体が取り組む事業に対して、事業の理念に共感した民間企業が寄付をしたときに、税優遇を認める制度。

 対象事業への寄付について、従来の寄付金制度と合わせて最大6割を法人住民税や法人事業税から控除できます。

 ただし、4割は完全な自己負担です。

 同制度では、企業と自治体の癒着を防ぐために、経済的な見返りを用意することは禁じられています。

 具体的には、補助金の交付、低金利での融資、入札や許認可での便宜、低価格での財産譲渡、このほか経済的な利益を与えてはならないと定義付けています。

 しかし、認定されたそれぞれの事業への寄付予定者には、事業が始まった際には自治体から業務を受注する可能性のある企業名が並んでいるのが見て取れます。

 例えば福島県いわき市の「いわきツーリズム魅力発信事業」では、観光産業に注力し、周回バスや市内ツアーの実施を掲げていますが、その寄付予定者には観光客の足を担うことになるJR東日本の名前が挙げられているのです。

 禁止された「経済的な見返り」に明確なラインは存在しないため、何を違反とするかは難しいところですが、自治体と懇意にしている特定企業が税優遇を受けた上で公的な事業に関与するというのであれば、癒着の可能性は否定できないでしょう。


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2017年5月18日木曜日

武生税務署で申告書78人分が行方不明に

 金沢国税局は4月、所管する武生税務署(福井・越前市)で、平成28年分の確定申告書87件が所在不明となっていることを明らかにしました。

 所在が分からなくなっている申告書はいずれもJA越前たけふ(同市)が組合員から依頼を受けて代理作成した申告書で、同団体の「提出した」との主張に対して武生税務署は「受理していない」と反論し、真っ向から主張が食い違う状況となっています。

 同JAでは毎年、組合員の依頼に基づき、税務書類作成の許可を受けた職員が代理で税務署に申告書を提出していました。

 今年3月に代理提出を依頼した男性が、その後書類の不備に気付いて修正申告をしようとしたところ、自分の申告書が提出されていないことを武生税務署に知らされたそうです。

 同署が調べたところ、男性を含めて87人分の申告書が所在不明で、受け取った記録がないことが判明しました。

 JA越前たけふの代表理事組合長は、「87人分の書類は事前に十分確認して、3月14日に封筒に入れて持っていった。

 必要があれば物証を示して証明も行う。

 署の防犯カメラにも映っているはずだ」とコメントしています。

 金沢国税局は申告書が所在不明になった原因の調査を続けるとともに、当面は申告書の再提出を受け付けるなどの対応を行っていく方針だそうです。


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2017年5月17日水曜日

黒字申告割合が6年連続増加

 黒字申告法人の割合が6年連続で増加していることが国税庁公表の「会社標本調査」で明らかになりました。

 黒字申告割合は平成3年まで50%前後で推移していましたが、6年には40%を下回り、20年に30%を割り込みました。

 しかし、21年の25.2%を底にして徐々に回復。平成27年は申告法人263万436社のうち黒字申告は93万9577社、黒字割合は全体の35.7%となりました。

 6年連続の上昇で20年前(平成7年)の水準まで戻っています。

 黒字申告率を業種別にみると、東京オリンピック開催に向けた建設ニーズの高まりで受注が増えている建設業が41.4%でトップ。運輸通信公益事業(40.8%)、金融保険業(39.8%)と続きます。

 一方、出版印刷業(23.7%)、料理飲食旅館業(24.9%)、繊維工業(25.6%)の黒字申告率が低かったそうです。

 会社標本調査とは、国内の企業の状況を資本金階級別や業種別に調査し、まとめたもの。

 国税庁が調査、発表し、結果は税収の見積もりや税制改正などの基礎資料になります。

 昭和26年分から毎年行われ、最新の平成27年度分で66回目となっています。


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2017年5月16日火曜日

相続情報を証明書1通に

 相続にかかる必要情報を証明書1通にまとめ、さまざまな手続きを簡便化する制度が5月下旬からスタートします。

 法務省が3月下旬に明らかにしました。

 現在は親や配偶者が死亡したときには、相続人は不動産登記の変更や相続税の申告、銀行口座の解約などのため、大量の戸籍書類一式をそろえて、相続対象となる不動産を管轄する各自治体の法務局や、預金などのある金融機関ごとに提出しなければなりません。

 また提出を受けた法務局や金融機関も、申請者が正当な相続人かどうかを審査することが求められています。

 相続不動産が各地に点在しているようなケースでは、煩雑な手続きがハードルとなって資産価値の低い土地の名義人を変えないままにしていることが多く、山間部などで宅地造成する際に買収が進まない例がありました。

 また社会問題となっている空き家の増加の一因となっているとも指摘されています。

 これらの問題を受けて、法務省が新たにスタートする「法定相続情報証明制度」では、全国に417カ所ある登記所のいずれかに相続人全員分の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などの情報をそろえて提出すれば、法務局が公的な証明書を作成し、相続人には証明書の写しが交付されます。

 以降の手続きは写しを利用すれば、大量の関係書類を何度も提出する手間が省けることになるそうです。

 将来的には証明書1通で相続にかかる銀行口座の解約、自動車の名義変更、相続税の申告などもできるようにすることを目指していますが、当面は不動産登記の手続きのみでの利用が可能です。


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2017年5月15日月曜日

2017年度税制改正:国税犯則調査手続等が大幅に見直し!

 2017年度税制改正において、国税犯則取締法(以下:国犯法)が定める国税犯則調査手続等が経済活動のITC化、多様化等の進展に伴い、犯則事件を取り巻く環境も急速に変化してきていることを踏まえ、大幅に見直しが行われます。

 国犯法は、脱税など国税に関する反則が疑われた場合に、国税職員が調査する権限等を定めたものです。

 経済活動のITC化については、2011年の改正で刑事訴訟法に措置された電磁的記録の証拠収集手続にならい、証拠収集手続の整備を図り、経済活動の多様化に対しては、関税法に定める犯則調査手続にならい、調査手続の整備を図るほか、国税犯則調査手続に係る規定について、平仮名・口語体表記に改めるなどの現代語化を行います。

 2011年改正の刑事訴訟法にならって整備されることになる電磁的記録に係る証拠収集手続の整備は、

①電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法の整備
②接続サーバー保管の自己作成データ等の差押えの整備
③記録命令付差押えの整備
④差押え等を受ける者への協力要請の整備
⑤通信履歴の電磁的記録の保全要請の整備などがあります。

 上記①の電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行については、差し押さえるべき物件が記録媒体であるときは、その差押えに代えて、その記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写、印刷又は移転のうえ、その他の記録媒体を差し押えることができるようにします。

 上記②の接続サーバー保管の自己作成データ等の差押えについては、差し押さえるべき物件が電子計算機であるときは、その電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、その電子計算機で作成等をした電磁的記録等を保管するために使用されていると認めるに足る状況にあるものから、その電磁的記録を電子計算機等に複写したうえ、その電子計算機等を差し押えることができるように整備します。

 上記③の記録命令付差押えについては、電磁記録の保管者等に命じて、必要な電磁的記録を記録媒体に記録又は印刷させたうえ、その記録媒体を差し押えることができるようにします。

 今後の動向に注目です。


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2017年5月12日金曜日

2016年度税制改正:加算税制度の見直しに注意!

 すでに2016年度税制改正において、国税通則法の一部が改正され、加算税制度の見直しが行われております。

具体的には、

①実地調査に際し、調査に関する一定事項の通知(調査通知)があった以後の修正申告書等に対して、加算税が課される措置

②短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠ぺいが行われた場合には、加算税の割合が加重される措置

が設けられました。

 2016年度税制改正後の制度により、すでに法定申告期限等が到来する国税から適用されております。

 上記①の調査通知が新たな加算税賦課の基準とされたことよって、調査通知以後の修正申告には、すべて加算税が賦課されることになります。

 これまで税務調査前に行われていたのは、事前通知であって通知項目は11項目に及びますが、2016年度税制改正では、この事前通知項目から、「実地調査を行う旨」、「調査対象税目」、「調査対象期間」の3項目を抜き出し、これらの3項目を通知すれば通知が完了する形となっております。

 改正前は、会社の顧問税理士等に実地調査を行うための電話があった場合には、事前通知の11項目すべてが伝われば完了しますが、実際には日程調整などに時間を要することもあって、事前通知がすぐに完了することはありませんでした。

 しかし今後は、日程調整等に時間がかかるとしても、実地調査を行うための電話で上記の3項目の通知が済めば、その時点で調査通知については完了し、その後の修正申告に対する加算税賦課要件は完了します。

 これまでは事前通知が完了するまでに修正申告をすることにより、加算税賦課を免れるケースが散見されていましたが、時間がかからない調査通知が設けられたことで、そのような加算税賦課の回避が封じられたことになります。

 また、調査通知以後の修正申告で、調査による更正等を予知してされたものでない場合は、改正前であれば加算税賦課の対象外だったものが、改正後は過少申告加算税が5%の割合で賦課されますので、ご注意ください。


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2017年5月11日木曜日

健康保険 退職後の傷病手当金

◆資格喪失後の継続給付

 健康保険の傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがの療養の為に働く事ができない期間に給与が受けられない場合、又は給与の支払額が手当金より少ない場合に受給する事ができます。

 傷病手当金が受けられる期間は支給開始時期から最長で1年6ヶ月です。

 この間に復職した期間があって再び同じ傷病で休んだとしても、支給期間は支給開始より1年6ヶ月間の期間に算入されます。

◆資格喪失後の傷病手当金

 退職等で資格喪失した場合でも傷病手当金を受け取れる場合があります。

 資格喪失日の前日(退職日)まで被保険者期間が1年以上あり、その日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、資格喪失後も引き続き支給を受ける事ができます。

 これは資格喪失後の継続給付であり、被保険者が出産の為休業する期間に対する出産手当金も同じ制度があります。

◆任意継続被保険者となった時

 退職した時に任意継続被保険者となった場合は、資格喪失時の継続給付に該当すれば任意被保険者であっても傷病手当金を受ける事ができます。

 但し、任意継続被保険者になった後に、病気やけがの療養の為、働く事ができない時であっても傷病手当金を受け取る事はできません。

◆傷病手当金が支給調整される場合

 資格喪失後の継続給付は、資格を喪失した人が老齢年金を受けている時は原則として傷病手当金は受け取れませんが、老齢年金額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない時はその差額が支給されます。

 また、退職後に雇用保険の失業給付の基本手当を受けようとしても、傷病手当を受けていれば基本手当を同時には受けられません。

 基本手当の受給要件が「いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にある事」である為、傷病手当金は受けられないのです(基本手当の受給期間延長はできます)。

 このように退職後の継続給付で傷病手当金を受けている時には支給制限にかかる事もあるので注意が必要です。


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2017年5月10日水曜日

未支給年金の判決と国税庁の整理

◆未払給与・未払年金

 遺族の方に支給される遺族年金は、所得税も相続税も課税されません。

 ただし、相続後に支給を受けるものであっても、その死亡した人に支給されるべき年金給付のうち未だ支給されていなかったもの(未支給年金)があるときには、未払いの給与などと同じように、相続財産になるのではないか、と考えてしまいそうです。

◆未支給年金の相続性

 ところが、未支給年金については、「国民年金」についての最高裁の確定判決があり、未支給年金請求権について、最高裁はその相続性を否定しています。

 国民年金法は、未支給年金を請求できる者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしています。

 一定の遺族が「自己の名」で未支給年金の支給を請求することができるとした国民年金法は、遺族の生活保障を目的とした立場から未支給年金の支給を認めたものと解されています。

◆固有の権利とみなし規定

 従って、年金受給権者の遺族で一定の要件に該当する人は、その人の名前で当該未支給年金の支給を請求することができます。

 遺族の固有の権利に基づいて支払いを受けるものには、保険金や退職金などもあります。

 しかし、保険金や退職金と異なり、未支給年金には、相続財産とみなす規定もないので、相続財産ではなく、その遺族の一時所得の収入金額に該当します。

◆「厚生年金」と「共済年金」の規定ぶり

 これを踏まえ、いろんな未支給年金の課税関係について見てみると、厚生年金法は国民年金法とほぼ同様の規定ぶりになっているので、先の未支給国民年金と課税関係も同様とすべきとなりそうです。

 他方、「共済年金」では、請求権者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしているという点では同じですが、「遺族」がいないときは死亡した者の「相続人」に支給すると、いう規定も置いています。

 そうすると、死亡した者の「相続人」が支給を受けた場合には相続税の課税対象になるとも考えられそうです。

◆国税庁の整理

 ところが、この場合も支給を受けた者の「一時所得」になると、国税庁ホームページでは整理しています。


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2017年5月9日火曜日

地域における事業承継支援体制の構築

 2016年12月に中小企業庁より公表された「事業承継ガイドライン」では、中小企業の事業承継に関する「身近な支援者」として下記の方々を掲げています。

 商工会議所・商工会の経営指導員は日々の巡回指導等を通じて中小企業経営者との間に信頼関係を構築している中小企業にとって身近な存在です。

 地域金融機関は、中小企業に日常的に接して経営状況を把握しており、中小企業に対してきめ細かな経営支援等を実施し得る立場にあります。

 士業専門家としては、税理士、弁護士、公認会計士、中小企業診断士などがあげられます。

 税理士は、顧問契約を通じて日常的に中小企業経営者との関わりが深く、決算支援等を通じ経営にも深く関与しています。

 弁護士は、中小企業や経営者の代理人として、事業承継を進めるにあたり、経営者と共に利害関係者への説明・説得を行い、円滑な事業承継を進める役割を担っています。

 公認会計士は、監査及び会計の専門家として事業承継の様々な場面で、広い見識に基づく支援が期待されています。

 中小企業診断士は、中小企業の様々な経営課題への対応や経営診断等に取り組んでいます。

 また上記の身近な支援者に加え、各都道府県には、事業引継ぎ支援センター、よろず支援拠点などの公的支援機関も整備されています。

 このように、中小企業経営者の周囲には、身近な支援者から公的な支援機関まで、多様な支援機関が存在していることから、中小企業経営者としては、まずは身近な支援機関に声を掛けてみることが、事業承継に向けた準備の第一歩となるのです。

 では、地域における中小企業の事業承継支援にあたっては具体的にどのような取組みが求められるのでしょうか。

 ここでは栃木県における事業承継支援の取組みについてみていきたいと思います。

 栃木県では、2015年12月に施行された「栃木県中小企業・小規模企業の振興に関する条例」の趣旨等を踏まえ、自治体(県及び市町)・商工団体・金融機関及び専門家等が連携して中小企業・小規模企業への支援策を検討・実施する体制を整え、創業から事業承継まで「オールとちぎ」で支援していくことを目的として「とちぎ地域企業応援ネットワーク」を構築しています。

 同ネットワーク内には事業承継支援プロジェクトチームが設けられ、ネットワーク内の各支援者の間で事業承継支援に関する情報共有を図っています。

 また、栃木県では、専門的・実践的分野の深い知識を有するエキスパートを大学、研究機関、民間企業などから幅広く確保・登録し、事業承継等の経営課題を抱えた中小企業に対し、商工会議所・商工会を通じて派遣する「エキスパートバンク制度」を構築して専門家派遣による事業承継支援を行っています。

 エキスパート派遣に係る旅費・謝金などは初回に限りエキスパートバンクが全額負担するため、中小企業は無料(1回)で活用できます。

 この制度ではエキスパートが直接企業を訪問することから、中小企業は自社の秘密を厳守しつつ具体的・実践的な指導を直接受けることができます。

 このように、各々の支援機関は自らの専門分野に責任をもって取り組むことはもちろん、支援機関相互の連携を図りつつ、事業承継支援を切れ目なく行う体制を構築することが求められるのです。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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2017年5月8日月曜日

会計検査院:租税特別措置(所得税関係)の適用状況等を報告!

 会計検査院は、租税特別措置(所得税関係)の適用状況等についての報告書を公表しました。

 行政機関が行う政策の評価に関する法律により、法人税関係の特別措置については各省庁の政策評価が義務付けられ、また、2010年4月に施行された租特透明化法により、税負担を軽減する法人税関係の特別措置に関しては、適用実態調査結果の国会報告が行われております。

 しかし、所得税関係については政策評価が義務付けられておらず、これまで適用実態調査も行われていませんでした。

 そこで、会計検査院では、関係省庁及び財務省による所得税軽減措置に対する効果等の検証が行われているか、減収見込額が多額に上っている所得税軽減措置が必要最小限のものとなっているかなどに着眼して対象となった109措置の適用状況を検査しました。

 それによりますと、2010年度から2015年度までの6年間に、政策評価も税制改正要望の際の検証のいずれも行っていないものが80件ありました。

 減収見込額が多額に上っている所得税軽減措置としては、2015年度減収見込額8,910億円の「申告不要配当等特例等」があります。

 同特例は、上場会社から支払を受ける配当等を有する納税者について、各年分の所得税の計算上、これを除外して総所得金額を計算して確定申告することができるとするなどの措置ですが、大口株主等は事業参加的側面が強いことから、同特例は適用できないこととなっております。

 また、2015年度減収見込額1,830億円の「年金控除特例」が取り上げられました。

 この特例は、標準的な年金以下の年金のみで暮らす高齢者世帯に十分な配慮を行うことを目的として、年齢が65歳以上の納税者を対象に、公的年金等からの控除額を上乗せする措置ですが、会計検査院は「申告不要配当等特例等」、「年金控除特例」ともに関係省庁において、国民の納得できる必要最小限のものとなっているかなどの検証が十分にされていないと指摘しております。

 今後の動向に注目です。


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2017年5月2日火曜日

相続課税割合公表値を読む

◆基礎控除引下げの影響の予測と結果

 平成27年1月1日以後の相続から基礎控除額が60%に引下げられています。

 27年中の相続税申告の事績が昨年末に公表され、その制度変更の影響がどう表れているか明らかになりました。

 亡くなられた方について相続税の申告がなされた割合は10年来4.1~4.4%で推移していたところ27年は8.0%と倍近い増加になっています。

 少し前までは、6%ぐらいを予測値としている情報が多かったところです。

◆公表結果値の概要

 死亡者数は年々少しずつ増加し、ここ10年来で2割ぐらい増えてはいるところ、前年比では1.4%程度の増にすぎませんが、課税申告書提出件数は83.2%もの増になっています。

 前年比の申告書の提出を要する課税実増加件数は46,804人で、それに対応する実増加申告財産額は32,276億円で、相続申告増加1件当たり約6,900万円です。

 実増加税収は4,208億円で、相続申告増加1件当たり約899万円です。

◆都道府県別比較をしてみると

 課税申告割合、全国平均の8%に対し、都道府県別に高い方のベスト3をみると、東京15.7%(都内23区では16.7%)、愛知13.8%、神奈川12.4%です。東京の場合は、6.4人に1人の割合で相続課税がなされています。

 低い方のベスト3は、秋田2.2%、青森2.9%、鹿児島3.1%です。秋田の場合は、45.5人に1人の割合で相続課税されています。

◆変化の波と身近な経験的印象

 課税対象となる割合の高い地域が、その割合の増加の程度も高そうに思ってしまいそうですが、課税対象割合の増加率を追ってみると、その高い地域の増加変化率は東京が最低で162%、次いで京都163%、大阪164%で、これがワースト3です。

 逆に、増加変化率のベスト3は、富山246%、秋田244%、青森223%です。

 絶対数では、大都市圏で課税対象者割合が高いと言えるものの、基礎控除引下げの煽りを烈しく受けて変化の波に呑まれているのは地方なのかもしれません。



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2017年5月1日月曜日

パート主婦の扶養の要件

◆103万円の壁とは

 一般的に主婦の方がパートに働きに出ると収入額を意識する事が多いのが103万円の壁と言われるものでしょう。

 給与収入が103万円を超えると夫の収入から配偶者控除38万円が控除されなくなり課税になるからです。

 しかし103万円を超えて141万円までは配偶者特別控除があるので増える所得税は年5万から10万円と言うところです。103万円の壁と言うのは課税が始まる地点と言えます。

 この103万円超は平成30年1月より150万円超に変更されることになっています。配偶者特別控除も201万円までになりますので、課税され始める地点が150万円に変更される事になります。

 企業で扶養手当、家族手当等の名称の賃金で出されている妻の扶養手当支給要件が妻の収入は103万円以下となっている場合、妻が就労制限をかけてしまう事も考えられます。

 政府や経営者団体はこのような場合は基準を検討するように求めています。

◆パートの社会保険加入① 106万円の壁

 昨年の10月に従業員500人超の企業に勤める方に社会保険の加入が適用拡大されました。

 新たに加入対象者になる方は「週20時間以上勤務、月額88,000円以上」となっています。

 年間でみると1,056,000円となり「106万円の壁」等と呼ばれています。

 この対象は従業員500人超の企業ですから中小企業の多くは対象外です。

 一般的には「週の所定労働時間」か「月の所定労働日数」のいずれかが常用労働者の4分の3以上の勤務で加入対象となります。

 平成29年4月から500人以下の事業所でも労使合意がありパートタイマーが適用条件に合えば加入できます。

◆パートの社会保険加入② 130万円の壁

 年収130万円以上になると夫の健康保険の被扶養者から外れます。

 妻の勤め先で社会保険の加入要件に合えば加入するか、又は自身で国民健保、国民年金に加入する事になり、保険料負担が増加します。

 国民年金でも年間20万円位かかります。

 こちらの方が所得税の150万円の壁より意識せざるを得ない壁と言えるかもしれません。


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2017年4月28日金曜日

平成29年5月の税務

5/10(水)
●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

5/15(月)
●特別農業所得者の承認申請

5/31(水)
●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知

●3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・ (法人事業所税 )・法人住民税>

●3月、6月、9月、 12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>

●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>

●9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>

●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 (1月決算法人は 2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・地方消費税>

●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付

○自動車税の納付

○鉱区税の納付


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2017年4月27日木曜日

銀座の土地が約10年で倍に高騰

 国土交通省が3月下旬に発表した公示地価によると、地価が全国で最も高かったのは、東京中央区銀座4丁目にある「山野楽器銀座本店」で、1平方メートルあたり5050万円でした。

 過去最高を記録した前年からさら25.6%の伸びを見せ、最高額を更新しています。

 山野楽器が3年連続で全用途トップを獲得したほか、住宅地、商業地、工業地すべてで高価格順位表の1位から10位を東京都の地点が独占しています。

 上昇率では大阪府などの都市が東京都をしのぐ勢いを見せていますが、価格という点では東京都の一強体制に変化はなさそうです。

 全国1位を記録した山野楽器銀座本店をはじめ、高価格順位表の上位には3千万円以上の地点が並び、10位の東京サンケイビルでも2510万円の値を付けました。

 東京を除いた国内最高価格が大阪・梅田にあるグランフロント大阪の1400万円であることからも、東京の一強ぶりがうかがえるでしょう。

 東京の一部エリアで起きている土地の高騰は、過去を見ても例のないレベルです。

 例えば大阪市の最高地価を見ると、過去最も高かったバブル期の3500万円に対して、今年は1400万円と、4割にまで価値を落としています。

 名古屋市など他の都市も同様です。

 また住宅地ではさらに顕著で、東京23区に絞ってみても、その平均価格はバブル期の1平方メートル136万円に対して現在は52万円と半分以下にとどまっています。

 そうしたなか、銀座の山野楽器本店は、11年前には1平方メートル2300万円であるのに対し、現在は5050万円と、実にほぼ2.2倍に上昇しています。


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2017年4月26日水曜日

死亡保険料が11年ぶり値下げ

 生命保険のうち、死亡保障のついた商品の保険料が来年4月から引き下げられる見込みです。

 平均寿命が延びて死亡リスクが減少したことが原因で、生保各社は来年に向け、新たな保険料の素案作りに入りました。

 引き下げられるのは、被保険者が死亡すると保険金を受け取れる「死亡保険」の保険料。

 現行よりも、契約期間が決まっている定期保険ならば最大で25%、一生涯保障が続く終身保険でも5%ほど値下げされる見通しです。

 保険料引き下げの背景にあるのは、来年4月に発表される「標準生命表」の改訂です。

 標準生命表は、公益社団法人日本アクチュアリー会が作成する、日本人の寿命や年齢ごとの死亡率などのデータを基に「おおよそこれくらいの年齢で死亡する」という数値を算出したもの。

 保険会社はこの標準生命表をもとに、保険金に応じた保険料を設定しています。

 同表は平成8年に初めて作成され、11年後に初めて改訂されました。

 そしてさらに11年後の30年4月、再改訂された標準生命表が適用されることになります。

 改訂されれば、近年の平均寿命の延びを反映して、死亡率が引き下げられることは確実で、そうなると掛金を払い込む期間が延びる掛け捨て型の死亡保険では保険料が下がるというわけです。

 もっとも標準生命表の改訂は契約者にとってプラスの影響だけを及ぼすわけではありません。

 平均寿命が延びれば、がん保険などの医療保険は、その分保険会社の支払いが増えることになります。

 そのため終身の医療保険は、逆に3~5%ほど保険料が値上げされる可能性もあります。

 改定された保険料は、新規契約分と契約を更新した人が対象となります。

 既存契約については適用されない見込みです。


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2017年4月25日火曜日

確定申告書の提出期限の延長の特例の見直し

 日本企業の「決算日から定時株主総会開催の日までの日数」は平均2.8ヶ月(平成26年3月末日決算の東証上場企業2,358社の平均値)とされており、諸外国(米英仏独蘭)の主要企業の平均4~5ヶ月と比べると短く、定時株主総会の開催も6月後半に集中している現況から、株主・投資家の対話期間及び企業の情報開示の準備期間が十分ではない現況にあります。

 そこで、平成29年度税制改正では、企業と投資家の対話の充実を図るため、上場企業等が株主総会の開催日を柔軟に設定できるようにするため、法人税等の申告期限の延長可能月数が拡大されます。

Ⅰ 会社法上の取扱い

 会社法上、法人は柔軟に株主総会の日の設定が可能とされています。

 例えば、3月決算法人が「決算日から4ヶ月後」である7月末に株主総会を開催することが可能であり、8月以降に株主総会を開催することも可能とされています。

Ⅱ 法人税法上の取扱い
(1)改正前制度の概要

① 原則
 法人税法上では、内国法人は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に税務署長に対し、確定した決算に基づき申告書を提出しなければならないとされています(法法74①)。

② 例外
 例外として、会計監査人の監査を受けなければならないことその他これに類する理由により決算が確定しないため、申告書を2ヶ月以内に提出することができない常況にあると認められる場合には、その申告書の提出期限を1ヶ月間(特別の事情により各事業年度終了の日の翌日から3ヶ月以内に各事業年度の決算についての定時株主総会が招集できないことその他やむを得ない事情があると認められる場合には税務署長が指定する月数の期間)延長することが可能(以下「確定申告書の提出期限の延長の特例」といいます。)とされています(法法75の2①)。

(2)改正の内容

 法人が、会計監査人を置いている場合で、かつ、定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3ヶ月以内に決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められるときには、確定申告書の提出期限をその定めの内容を勘案して事業年度終了の日の翌日から6ヶ月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間まで延長をすることが可能とされます(新法法71⑤,同法75の2①)。

(3)適用関係

 上記(2)の改正は、法人の平成29年4月1日以後の申請(同年10月1日以後に納税義務が成立する中間申告書)に係る法人税について適用されます(平成29年改正法附則1三,同附則20,同附則21)。


 わが国経済の好循環を確かなものとするためには、コーポレートガバナンスを強化することにより、中長期的な企業価値の向上に資する投資など、「攻めの経営」を促進することが重要であると考えられています。

 こうした観点を踏まえ、平成29年度税制改正では、法人税等の申告期限が事業年度終了後6ヶ月以内を限度として税務署長が指定する月数の期間の延長が可能となりました。

 しかし、今回の税制改正では、法人税の申告期限は延長されましたが、法人税の納税期限及び消費税等の申告納税期限は、従来どおりですので留意して下さい。


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2017年4月24日月曜日

国税庁:2015事務年度のネット取引調査を公表!

 国税庁は、2016年6月までの1年間(2015事務年度)におけるネット取引を行っている個人事業者などを対象とした実地調査を公表しました。

 それによりますと、前年度比8.3%減の2,013件を実地調査した結果、同3.8%増の1件当たり平均1,164万円の申告漏れ所得金額が把握されました。

 この申告漏れ額は、同時期の実地調査における特別調査・一般調査全体での1件平均941万円の約1.2倍となり、申告漏れ所得金額の総額は、234億円(前事務年度246億円)にのぼりました。

 調査件数を取引区分別にみてみますと、ホームページを開設し、消費者から直接受注するオンラインショッピングを行っているネット通販が572件(1件当たり申告漏れ710万円)あり、以下、ネットオークションが450件(同879万円)、ネットトレードが369件(同1,788万円)、ネット広告が253件(同1,007万円)、コンテンツ配信が27件(同1,202万円)、出会い系サイトなどのその他のネット取引が342件(同1,738万円)となりました。

 また、調査事例では、従業員の認証IDを借用し、インターネット販売の一部を除外しているものがあがっております。

 調査対象者Aは、インターネット取引を利用し、海外から仕入れた商品の販売やネットオークションを行っていることから調査が行われ、取引口座等を確認した結果、従業員名義の預金口座での取引が把握されたため、従業員を追及したところ、インターネット上の認証IDと預金口座はAがすべて管理・把握している事実が分かりました。

 調査の結果、Aは、事業の帰属を隠ぺいするために、従業員のインターネット上の認証ID及び預金口座を借用し、従業員名義の口座に振り込まれた売上について除外していることを認めました。

 その結果、Aに対し、所得税4年分の申告漏れ所得金額約2,700万円について追徴税額(重加算税を含む)約700万円及び消費税3年分の追徴税額(加算税を含む)約400万円が課税されました。

 ネット取引は無店舗による事業形態となるため、その把握は困難だと思われますが、国税当局はあらゆる有効な資料情報を収集・分析して適正な課税に努めております。


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