2016年7月6日水曜日

VR元年、新市場がもたらすビジネスチャンス

 2016年はVR元年といわれています。


 VRとは仮想現実、Virtual Realityの略で、コンピュータ等で作り出された空間をあたかも現実のように体験する技術のことをいいます。

 ゴーグルやメガネをつけ、そこに映し出される映像や音響を通して、仮想の世界を現実のものとして味わうことができます。

 ゲームなどの分野で実用化が進んでおり、2016年10月、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントはVRが体験できるゲームシステムを発売する予定です。

 ソニー以外の企業では、韓国のサムスン電子や台湾HTC、米WhirlwindVR社などが製品の開発を進め、市場をけん引しています。

 まだ、市場は端緒についたばかりですが、注目度は高く、展示会に出品すれば、試しに遊ぶ台などに1~2時間待ちの行列ができるという人気ぶりです。

 というのも、VRは、これまでのゲーム機器やパソコン、スマートフォンでは味わえない、独特な体験ができるからです。

 たとえば遊園地のジェットコースターの映像ならば、椅子に仕掛けをしておくことで、急降下のスリルをリアルに感じられ、あたかも自分が遊園地にいるような感覚を楽しむことができます。

 また、米国企業WhirlwindVR社が開発したシステムには、状況に応じて風の強弱や温度などを自動で調整する送風機「Vortx」というものがあります。

 映像で、爆風が生じる場面になると、温かくて圧を感じる風が送られてきます。

 これまでの映像では、爆弾が爆発しても、映像と音だけでしたが、この送風機を用いると、熱風と風圧を感じることができ、これまでよりも格段にリアリティが増します。

 今後は、映画や旅行など、さまざまな分野での応用が期待されています。

 新市場の誕生として注目を集めているVRですが、製品の価格はまだ高く、一般に普及するには、さらに価格の低下が必要だといえます。

 10月にソニーから発売されるヘッドセットシステムは希望小売価格44,980円(税抜)の予定です。

 加え、VRを楽しむにはヘッドセット以外に、ゲーム機器本体やゲームソフトなどを用意する必要があります。

 とはいえ、シンクタンクのなかには、VR市場は、2025年にデスクトップPCと並ぶ市場へ成長するといった試算を提示しているところもあります。

 数兆円規模の成長が期待できる分野といえます。

 VRには、ゲーム機器の開発やゲームソフトだけでなく、関連商品にもビジネスチャンスはあります。

 リアルな風を体験するための送風機、乗り物の加速を体感するための椅子など、VRの市場が拡大すると同時に、今後は周辺機器の開発にも期待が寄せられるでしょう。

 また、ハードウエアやソフトウエアだけでなく、サービスの分野にも、VRに関するビジネスチャンスはありそうです。

 ネットカフェのなかには、VRのシステムを置くところも出てきました。

 一般ユーザーにとって、VRは価格が高く容易に手が出せません。

 ネットカフェのサービスを利用すれば、多額の出金をしなくても、低価格で体験できます。

 この点がユーザーのニーズに合致しています。

 ネットカフェとしても、近年、市場拡大が足踏み状態で売上が横ばいになっています。

 そんななか、VRの体験を提供することは、顧客を増やすのに役立つことになります。

 ハード、ソフト、周辺機器、サービスと、VRには限りのない発展の可能性があるといえます。

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)