2016年6月7日火曜日

被災相続人は相続の「熟慮期間」延長

 平成28年熊本地震の発生日である4月14日に住所が熊本県にあった相続人は、相続の放棄または限定承認に関する判断期間(熟慮期間)が12月28日まで延長されます。


 「相続放棄」は、相続人が借金などの債務を引き継ぎたくないときに、土地や預貯金といった被相続人のプラス財産も含めて相続する権利を放棄するものです。

 また、被相続人の借金がどの程度あるか不明で財産が残る可能性があるときには、相続で得た財産の限度で被相続人の債務を引き継ぐ「限定承認」を選ぶこともできます。

 相続放棄や限定承認をするときは、原則的に、相続開始の事実があったことを知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。

 しかし被災者は、熟慮期間が4月14日以降に満了するものであれば、12月28日までに家裁に申述すれば相続放棄や限定承認を適用することが可能となりました。

 対象になるのは4月14日時点で熊本県に住所があった相続人。

 家裁が住民票や勤務証明書、在学証明書、公共料金支払い記録などの資料に基づいて、その生活の本拠が熊本にあったかどうかを判断するそうです。

 この特例は、被相続人が被災者であるときや、相続財産が熊本にあるときに適用できるものではありません。

 なお、相続人が未成年者や成年被後見人であるときの熟慮期間は、親権者や後見人といった法定代理人を基準に考えることが民法に規定されています。

 代理人の住所が地震発生日に県内にあれば期間延長の対象です。

 また、被相続人である祖父が死亡して、次いでその相続人である父が相続放棄や承認をせずに死亡したときは、祖父と父との間の相続についての息子の熟慮期間は息子を基準に考えます。

 このほか、相続人が複数いるときで、一部の相続人だけが熊本に住んでいたときは、その相続人だけに特例が適用されます。