2015年11月16日月曜日

国外転出する場合の譲渡所得等の特例の注意点!


2015年度税制改正において、国外転出する場合の譲渡所得等の特例が創設され、すでに7月1日から適用されております。

同特例は、富裕層の海外移住による税逃れ防止対策として、海外移住する場合に株式などの含み益に課税するもので、株式などの金融資産の合計が1億円以上の富裕層が対象で、出国時においてそれらの資産の含み益が実現したものとみなされ、金融資産の時価から取得費用を差し引いた金額が課税されます。
ただし、国外転出後、5年以内に帰国した場合には特例を取り消したり、海外転勤などで日本へ戻る予定の場合は納税が猶予されます。
なお、納税猶予を受ける場合には、国外転出時までに納税管理人の届出書を提出しなければなりませんので、ご注意ください。
国外転出時までに納税管理人の届出をしない場合には、国外転出日から起算して3ヵ月前の前の価額で対象資産を算定して、他の所得とともに、国外転出する日までに申告しなければなりません。
実地調査の実施割合についても長期低下傾向にあり、事務の効率化による調査事務量の確保や、悪質納税者への重点的な対応が重要との考えを示しております。
また、調査・徴収に関しては、重点化をキーワードに、課税上問題が発生しやすいとみられる国際取引関係や富裕層に対する調査、納付意志を全く示さない悪質な滞納の整理といったものに重点的に取り組むといった対応を進めております。
他方で、適正な申告が期待できる納税者には、ICT(情報通信技術)を活用した情報提供を充実させ、自発的に適正な申告納税を行ってもらう環境整備を進めたいとしております。
このように、国税庁では、納税者のコンプライアンスリスクに応じて多様な手法を選択して、限られた予算、定員の下で国民の期待に応えたいとしております。
例えば、資本金40億円以上の大企業を対象として、税務調査時において、その税務に関するコーポレートガバナンスの状況を確認し、これが良好と認められた法人については、企業の自主的な対応に一定程度任せ、税務調査間隔を延長するスキームを、2012年7月から実施していることを事例として紹介しております。