2015年10月12日月曜日

特定支出控除


個人が支出する通勤費や転居費、帰宅旅費、研修費、資格取得費などを給与所得控除に追加するかたちで所得から控除できる「特定支出控除」の平成26年分(27年確定申告)の利用者は2千人でした。

特定支出控除は、サラリーマンの支出のうち一定のものがいわば「必要経費」と認められ、所得から控除できる制度。対象となる支出は、通勤費、転勤に伴う引っ越し費用、研修費、一定の資格取得費、単身赴任者の勤務地と自宅の往復旅費、職務と関連のある図書の購入費、職場で着用する衣服費、職務に通常必要な交際費などです。図書費や衣服費、交際費は65万円が上限。適用されるのは、年間給与収入が1500万円以下であれば給与所得控除額の2分の1、1500万円超であれば定額125万円をそれぞれ超えた部分の金額となっています。
平成25年分から対象になる支出が拡充されるとともに、適用判定の基準になる支出金額が引き下げられました。これを受けて、制度改正前の5年間(20年~24年分)は6件、9件、3件、4件、6件という利用状況でしたが、25年分は1600件と急増。26年分は2千人とさらに増え、制度が多少なりとも根付いてきたことがうかがえます。
ただし、特定支出で最も多かったのは、25年分から拡充された「資格取得費」であり、資格取得が職務上必要な職場の人でなければ現状も制度の対象者になりづらいようです。
また、適用できたとしても、25年分の確定申告から給与等の収入金額が1500万円を超える人の「給与所得控除」の額が245万円の定額に変更されているため、以前と比べてその人の負担が減ったとは言い切れません。24年以前は、収入金額が1千万円超の場合の給与所得控除額は収入金額の上昇に合わせて上限なしで増加していました。しかし、25年分から245万円が上限になったことで、一定の収入がある人にとっては大きな増税となっています