2015年4月16日木曜日

所得調査委員に選ばれたのは?

昭和22年に「申告納税制度」が導入されるまで、納税額の決定は「所得調査委員制度」が採用されていました。これは、納税者から報告された所得金額を税務署が一次調査した後に、納税者から選挙で選ばれた「所得調査委員会」が二次調査をして税額を決定するというものです。


当時の所得調査委員の選挙では地元の名士や豪農が選ばれやすかったようですが、大正14年の横浜税務署管内の所得調査委員選挙では、全国的には異例の立場の人が選ばれたといいます。それは「イギリス人の貿易商」「女性の教員」「中国人の飲食店経営者」のうち、誰でしょうか。
これは、税務大学校のホームページ上のコンテンツ「税の歴史クイズ」に掲載された最新の3択問題です。社会と税の関わりをクイズ形式で紹介するコンテンツで、2カ月に1回のペースで問いが追加されています。
答えはイギリス人の貿易商。関東大震災で被災した横浜の復興に貢献したマーシャル・マーテンです。国民租税協会編集の当時の雑誌によると、国際関係を考慮すると外国人の調査委員も1人くらい必要であろうということで、官吏や教員が投票して選出されたといいます。
なお、所得税が導入された明治20年の段階で所得調査委員の選挙権があったのは、選挙区内の所得税納税者のうち、満25歳以上の男性だけ。明治32年に改正され、選挙区内に住んでいる所得税納税者であれば性別や国籍にかかわらず参加できるようになりました。

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