2014年8月19日火曜日

消費税の経理処理-保険料は全額非課税?-

平成元年は消費税元年でもありました。
それから既に25年余り経ちすかっり馴染んだ「税」となりました。


導入当初税収への影響や事業者の事務負担の軽減等から様々な特例や経過措置が講じられました。


また、消費税の課税対象となる取引かどうか或いは政策的な配慮から、一部の取引の消費税の「課税」、「非課税」、「不課税」について消費税の課税に「馴染む」、「馴染まない」で振り分けられたとの説明も受けました。


その後、導入当初の様々な特例や経過措置は廃止や縮減がされ、消費税率アップ(3%から5%へ)の際に「非課税」の項目が追加されたりして、現在に至っています。
ただ、導入当初「馴染む」、「馴染まない」で「非課税」や「不課税」に振り分けられたものがまだ残っているようです。


①保険料と代理店手数料

 ライフネット生命が保険料と保険代理店の代理店手数料を公表し、保険業界に波紋が広がっております。


従来、保険業界では保険料と代理店手数料を公表することはなく、全てを保険料としてきました。


しかし、中立で適切な保険を勧めていることを売りにしてきた乗合代理店(複数の保険会社の代理店をしている比較的大手の代理店)が、手数料の多寡により勧める保険を判断しているのではないか、という疑念は以前よりありました。
 ライフネット生命は代理店手数料が他社より安いため、乗合代理店が積極的に取り扱わない現状に業を煮やしての公表でした。


②保険料は全額非課税か?

 保険料は万が一の時に「保険金」を支払うという役務の提供を受ける為の金銭の支払ですから、基本的に課税取引となりますが、限定列挙で非課税とすると規定されているため、非課税取引とされております。

しかし保険料の中身は保険金の支払い等に充てる保険料と、保険代理店の代理店手数料とで構成されております。

保険代理店の代理店手数料は課税取引ですが、現状の多くの保険会社は保険料と代理店手数料を区分することなく、一括して保険料として契約しているため、課税取引を区分して特定できないということで、支払保険料の全てが非課税取引として処理されております。


③従来からの問題と今後の問題

 そこで従来から問題となっていたのは、代理店手数料を含む保険料は、全額非課税取引とされ、課税仕入として預かり消費税から控除できないにもかかわらず、保険代理店の売上は、課税売上として消費税を課税している現状は、消費税の2重取りではないのかという指摘でした。

 今後、業界として代理店手数料を明らかにするようになると、従来控除できなかった、代理店手数料に係る消費税は、控除できるようになってくると思いますが、一方、代理店手数料の金額が公表されることにより、同じ保険でも代理店により保険料が異なる等、保険業界の価格競争に混乱が生じるなど、新たな問題が出てくるかもしれません。