2017年11月19日日曜日

「骨太の方針2017」に盛り込まれた税制関連項目!

 すでに政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(いわゆる「骨太の方針2017」)を閣議決定しております。

 骨太の方針とは、政策の優先度を明確にするもので、記載された項目はその後の予算編成や税制改正に反映されます。

 税制関連項目も取り上げられており、年末に公表予定の2018年度与党税制改正大綱において、具体策が示される予定です。

 「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」に盛り込まれた「空き店舗に対する固定資産税の住宅用地特例の解除措置等に関する仕組みを検討し、年内に結論を得る」との文言を、骨太の方針でもそのまま明記しました。

 地域の遊休資産の有効活用を図る一環として、空き店舗となる店舗併用住宅にこの特例を認めないとする仕組みをいかに構築するのかが注目されております。

 一方、2017年度与党税制改正大綱では、市街化区域外の農地で認められている相続税納税猶予制度適用農地の貸借が、市街化区域内農地では認められていないことから、生産緑地が貸借された場合の相続税の納税猶予制度の適用の検討をし、早期に結論を得ることが検討事項として明記されていました。

 骨太の方針でも、「生産緑地の貸借に係る制度を創設し、相続税の納税猶予制度の適用について検討する」とされ、2017年度与党税制改正大綱での検討事項も明記しております。

 また、同大綱の基本的考え方では、地球温暖化対策として市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市・地方を通じて国民に等しく負担を求める森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら、具体的な仕組み等を総合的に検討し、2019年度税制改正で結論を得るとしておりました。

 その他、歳入増加に向けた取組みとして、課税等インフラの整備を促進するため、マイナンバー制度を活用し、金融及び固定資産情報(登記及び税情報を含む)と所得情報をマッチングするなど、マイナンバーをキーとした仕組みを早急に整備することも盛り込まれ、今後のマイナンバー制度のさらなる活用が注目されております。

 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年9月8日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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2017年11月18日土曜日

会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策

◆会社分割を利用して貸付金の整理

 平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。

 その内容はこうです。

 単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む)が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関係の継続が不要とされました。

 そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を試みてみます。

◆同族会社と同一の者

 この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者による完全支配関係が成立します。

 適格要件は満たします。

 例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されていたとします。

 この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にあります。

◆創業者の貸付金の整理

 具体的な手続きはここからです。

 甲社は、創業者からの借入金6千万円があり、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも継続して営んでいます。

 ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適格要件は満たしており、それは可能と考えます。

 甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じません。

 結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。

 但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が生ずる余地はあるかもしれません。

 なお、この改正は、平成29年10月1日以後に行われる分割から適用されます。


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2017年11月17日金曜日

東京商工会議所:2018年度税制改正に関する意見を公表!

 東京商工会議所は、2018年度税制改正に関する意見を公表しました。

 それによりますと、中小企業の活力を最大限に引き出す税制の整備が必要とし、中小企業の価値ある事業を次世代に承継し、新たな挑戦を促す税制を実現するため、

①諸外国並みの事業承継税制の確立
②事業承継のために後継者へ自社株を生前贈与した場合は、大幅な評価減・軽減税率を適用
③M&Aを後押しするインセンティブ税制の創設
④所得拡大促進税制の複雑な適用要件の緩和・拡充
⑤中小企業の生産性向上に資する少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の拡充・本則化など

を掲げております。

 上記①では、先代経営者及び後継者における代表者要件・筆頭株主要件を撤廃し、経営に関与する取締役等が事業承継税制の適用対象になることの検討や、諸外国の事業承継税制を参考に承継(納税猶予開始)後5年経過時点で納税を免除、納税猶予の対象となる発行済議決権株式総数に係る上限(現行2/3)の撤廃、深刻な人手不足を踏まえた雇用要件のあり方の見直しなどを求めております。

 上記②では、早期に後継者を育成し、計画的に経営資源を承継している企業では、円滑に事業承継が実現しているケースが多くみられるとした上で、団塊世代経営者の大量引退による「大事業承継時代」を乗り切るため、生前贈与に対するインセンティブの抜本的強化を図り、早期かつ計画的な事業承継を強力に促すことが重要との観点から、後継者に自社株を生前贈与する際、思い切った贈与税率の軽減又は株式評価減を講じるべきと主張しております。

 上記③では、近年、中小企業のM&Aが活発化しておりますが、依然として、M&Aは、経営者において、会社の売却という手段自体が初めから選択肢にない場合が多い一方、買い手側にとっても、買収に伴うリスクの見極めが難しく、M&Aに踏み切れないことも少なくないと指摘しております。

 このため、売り手、買い手双方にM&Aのインセンティブとして、株式譲渡益に係る特別控除の特例の創設等、中小企業の価値ある事業の継続を後押しすべきと主張しております。

 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)

 上記の記載内容は、平成29年9月19日現在の情報に基づいて記載しております。

 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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2017年11月16日木曜日

育児・介護休業法と給付金の改正

◆平成29年10月 育児・介護休業法改正

 今年の1月に育児・介護休業法が改正されたのに引き続きこの10月からも見直しがあり、保育園に入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐため改正が行われました。

 改正内容は次の3点です。

①最長2歳まで育児休業の再取得が可能に

 今まで保育園に入れない等の場合、最長1年6ヶ月は育児休業を申し出る事が出来ましたが、子が1歳6カ月以後もまだ保育園に入れない場合、さらに2歳まで再延長できるようになりました。

 1歳6カ月以後も入所がかなわない場合もある事から最大2歳まで、比較的入所しやすい4月まで育休を取得できるケースを増やしたと言う事になります。

②子が生まれる予定の方等に育児休業の制度をお知らせする努力義務

 事業主は従業員やその配偶者が妊娠、出産した事を知った場合はその方に育児休業
に関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件等)を知らせることが努力義務とされました。

③育児目的休暇の導入を促進

 未就学児を育てながら働く方が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用出来る休暇制度(例・配偶者出産休暇、ファミリーフレンドリー休暇、子の行事参加休暇等)を設ける事が努力義務とされました。

◆雇用保険育児休業給付金の支給延長

 育児休業給付金は原則1歳に達する日前までの子を養育する為の育児休業を取得した場合に支給されます。

 子が1歳に達する日後の期間に保育所の入所ができない等の理由により育児休業を取得する場合は1歳6カ月に達する日前まで、延長支給されました。

 今回の改正で1歳6カ月に達する日後も同様の理由で育児休業を取得する場合、子が2歳に達する日前まで育児休業給付金の支給対象期間が延長となります。

 育児休業給付金の2歳に達する日前までの延長の対象者は、子が1歳6カ月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降の方となります。

 また、あらかじめ、1歳6カ月に達する日の翌日についての延長の申し込みをした方が該当者で、再延長の申し込みをする際は保育の申し込みをしたが保育が行われない等、市区町村の発行した入所の保留通知書等の証明書等が必要です。


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2017年11月15日水曜日

ふるさと納税 中間仮計算のススメ

◆過熱するふるさと納税-規制もあれば抜け道も!?

 2017年4月1日付で総務省は各自治体に対し、「ふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までに抑えるよう要請」し、「商品券や家電製品といった返礼品は換金しやすさや地元産かどうかを問わず、全面的に控えるよう求め」ました。

 これで一部自治体の目玉だった商品券や各種ポイントも返礼品から消えることとなりました。

 「税法の縛りがあるところに合法的な節税の抜け道あり」ではありませんが、頭を使って考える人はいるものです。

 自社が提供するふるさと納税の申込サイトから寄附すれば、自社のポイントを付与し、他の申込サイトよりもポイント分得するという売りを打ち出したところが出てきました。

 ポイントは、自治体から納税者に付与されるのではなく、ふるさと納税の申込サイトを運営する会社から付与されるので、総務省要請も対象外ということなのでしょう。

◆ふるさと納税限度額の計算

 持ち出し(=寄附金が控除限度額を超えてしまうこと)なくふるさと納税をするためには、控除限度額の把握が必要です。

 ふるさと納税導入当初は、総務省や千葉県などのウェブサイトで提供されていた表形式のものしか限度額を予測するものはありませんでした。

 しかしながら、いまは各種ふるさと納税の申込サイトでシミュレーションコーナーが設置され、より精度が高く計算できるようになってきています。

◆ふるさと納税中間仮計算のススメ

 限度額ギリギリまで得するよう12月の年末調整後に駆け込み的なふるさと納税を推奨する話も聞きますが、今回は、いまの時期に、中間仮決算的準備をお勧めします。

 行うべきことは、医療費の領収書の金額集計です。

 扶養家族や住宅ローン控除などはほぼ例年通りのことが多く12月末時点の予測は簡単です。

 一方、医療費控除は集計してみるまで金額がわかりません。

 ある税理士は毎年12月にその年の納税限度額を計算し、限度額目一杯使い切ることを年中行事としていました。

 しかしながら、12月に突発的な仕事で、医療費控除の予測ができぬまま医療費控除を最大限の200万円としたうえでふるさと納税限度額としました。

 そして、翌年2月に自身の個人所得税の確定申告をしてみて数万円分のふるさと納税限度額を逃してしまったことに気づいたそうです。

 その反省から「今年は中間仮計算をする」と宣言していました。


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2017年11月14日火曜日

法定相続情報証明制度の創設

 平成29年5月29日から全国の登記所(法務局)において、法定相続情報証明制度(以下単に「本制度」といいます。)がスタートしました。

 本制度を活用することによって、被相続人名義の預貯金・有価証券の名義書換え及び不動産の相続登記等の際、除籍・戸籍謄本等の相続関係書類一式を金融機関、証券会社及び登記所等に何度も提出する必要がなくなり、各種相続手続きの円滑化が図られます。

Ⅰ 制度の概要
1 申出
 被相続人の法定相続人又は代理人は、①必要書類の収集、②法定相続情報一覧図の作成、③法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書の記載を行い、これらの必要書類を登記所に申出します。

 また、上記②及び③の記入様式は法務局ホームページに掲載されています。

 なお、申出は、郵送(返信用封筒及び郵便切手を同封)によることも可能とされます。

2 確認及び交付
 登記所における登記官は、上記1①から③の必要書類等を確認し、②法定相続情報一覧図を保管(5年間)します。

 そして、申出をした相続人又は代理人に対して認証文付きの法定相続情報一覧図の写し(以下単に「一覧図の写し」といいます。)が無料で交付(相続手続に必要な範囲で複数通発行可)されます。

 また、同時に上記1①の必要書類が返却されます。

3 利用
 交付された一覧図の写しを利用することにより、相続人及び手続の担当部署双方の各種相続手続きの負担が軽減されることとなります。

 なお、本制度の導入後であっても、除籍・戸籍謄本等の相続関係書類一式をそれぞれの手続の担当部署に提出する従来の方法での相続手続も行うことができます。

Ⅱ 代理人
 上記Ⅰ1の代理人となることができるのは、法定代理人のほか、①民法上の親族、②資格者代理人(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士に限ります。)とされます。

Ⅲ 必要書類
 上記Ⅰ1①の必要書類は、次のとおりとされます。

 ① 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
 ② 被相続人の住民票の除票又は被相続人の戸籍の附票
 ③ 相続人全員の戸籍謄本又は抄本
 ④ 申出人(相続人代表)の氏名・住所を確認することができる公的書類(例:運転免許証のコピー、マイナンバーカードの表面のコピー等)
 ⑤ 相続人全員の住民票記載事項証明書(住民票の写し)
 ⑥ 代理人が申出をする場合
  (イ)委任状
  (ロ)民法上の親族が代理をする場合には、申出人と代理人が親族関係であることが分かる戸籍謄本
  (ハ)資格者代理人が代理をする場合には、資格者代理人団体の身分証明書の写し等

Ⅳ 申出可能な登記所
 上記Ⅰ1の申出をすることができる登記所は、①被相続人の本籍地、②被相続人の最後の住所地、③申出人の住所地、④被相続人の名義の不動産の所在地を管轄するいずれかの登記所とされます。

 「法定相続情報一覧図」は、登記所において5年間保管されています。

 また、各種相続手続きにおいて、「一覧図の写し」が追加で必要となった場合には、5年間であればいつでも無料で再交付を受けることが可能とされています。

 ただし、再交付の申出をすることができるのは、上記Ⅰ1③の「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」を記載し、登記所に申出をした当初の申出人に限られますので、他の相続人等が再交付を希望する時には、当初の申出人の委任状が必要になりますので留意して下さい。


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2017年11月13日月曜日

宗教法人の固定資産税を47年徴収漏れ

 九州のある市が市内の神社の有料駐車場への固定資産税を47年も課税していなかったことが明らかになりました。

 神社などの宗教法人が所有する土地の固定資産税は本来の宗教活動のために使うものでなければ課税対象ですが、市の職員が法解釈を誤り非課税としたまま放置されていたそうです。

 課税漏れがあった土地は宗教法人が所有する駐車場。

 参拝客への無償貸し出しなど宗教活動の一環として使っていれば固定資産税は免除されますが、その駐車場は利用者を参拝客に限定せず一般に有料で貸し出していたことから、本来は課税対象でした。

 市の職員は課税漏れに気付かなかったものの、昨年就任した宮司が財務書類を確認したことによってミスが発覚したとのことです。

 固定資産税と同じく法人税についても、宗教法人への課税は「宗教活動に伴うものか否か」が線引きになります。

 宗教活動で得た所得には基本的に法人税が課税されず、一方で法人税法施行令が定める不動産貸付業や旅館業などの「収益事業」で得た利益には課税されます。

 収益事業である物品販売業でみてみると、一般の業者も販売するような、絵はがき、写真帳、暦、メダル、ペナント、キーホルダーなどの物品を通常の価格で販売したときの収益には法人税が課税されます。

 一方で、お守りやおみくじの販売益は宗教活動で受け取る「喜捨金」の一環とみなされ、課税対象になりません。


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